愛猫が困った行動を繰り返してしまうことはありませんか?対応を誤ると、かえって困った行動が悪化したり、愛猫との関係が悪くなったりすることもあります。今回は猫の困った行動への正しい対応について、帝京科学大学准教授の加隈良枝先生に伺いました。
猫がキャリーケースに入るのを嫌がるときはどうする?
猫がキャリーケースに入るのを嫌がる場合は、キャリーケースを「いい場所」だと印象づけましょう。たとえば、おやつやおもちゃを与えながら、キャリーケースの中に誘導すると、そこはご褒美がもらえるいい場所、という印象に。
また、キャリーケースをふだんから出し、居場所のひとつとして使っておくことで、動物病院へ行くときもスムーズに猫が入るようになるでしょう。
猫が粗相をするときはどうする?
猫の粗相の原因は、老化による足腰の衰えや病気、ストレスなどが考えられます。具体的には、腎臓病で頻尿になりトイレが間に合わない、引っ越しなどで環境が変わりストレスで粗相してしまうなど。
そのような病気やストレスの可能性、生活の変化がないかチェックしましょう。
一度動物病院で相談してみるのもいいでしょう。
猫がモノを落としたり倒したりするときはどうする?
猫が触ってはいけないモノは、それがある空間に猫が入れないようにするか、猫が触れない場所に移動をしてください。なお、高い場所に移動させても、猫は上がってしまうので注意が必要です。
とくに割れやすいガラスなどは、猫が落としてケガをしてしまうおそれもあるため、戸棚などにしまって鍵をかけておくのがベター。
猫が食べてはいけないものを口にするときはどうする?
猫がとくに口にしてしまうモノとして、ポリ袋、ヒモ、タオルや服などがあげられます。なかには獲物を捕った感覚でかじっているうちに、飲み込んでしまうこともあるため注意しましょう。これも先述したのと同様に、猫が開けられないケースなどにすぐに片づけることを心がけて。
万一誤食してしまった場合は、排泄されるか確認し、大量の場合はすぐに獣医師に相談してください。
猫が夜中や明け方に鳴き続けるときはどうする?
鳴いている原因が空腹であれば、自動フード供給器を利用し、猫が鳴く時間に食べられるようにセットしましょう。ただし、1日のフード適正量を守れる量に調節することが大切です。
また、飼い主さんに相手をしてほしくて鳴いている場合は、徹底して無視を。鳴いても何も起こらないと諦めて鳴きやむはずです。
認知症などが原因で鳴いている場合もあるため、一度獣医師に相談してみても。
同居猫とよくケンカするときはどうする?
互角にじゃれ合っている分には問題ないものの、1匹が一方的に攻撃されてしまい、ケガのおそれや食事の妨害など、生活が脅かされている場合は、攻撃する猫と別の部屋で過ごさせましょう。
弱い猫に気を配り、お気に入りの猫ベッドを置くなど、安心できる生活環境を整えてあげて。
愛猫が困った行動をしてしまった場合は、騒ぎ立てずにその行動の理由を理解し、困った行動をしないように環境を整えていくことが大切です。してほしい行動に対してご褒美を与えるなど、ポイントをおさえて対応していってくださいね。
お話を伺った先生/加隈良枝先生(帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授)
参考/「ねこのきもち」2020年6月号『正しい対応、できてますか? クイズでチェック 猫の困った行動、そのときどうする?』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。