猫は、その語源が「寝る子」だという説があるほど、本当によく眠る動物です。実際、猫の睡眠時間は1日約16時間ほどだといわれています。1日の2/3を睡眠に費やしているということですね。
そこで今回は、「なぜ睡眠時間が長いの?」「猫も夢を見るの?」など、猫の睡眠に関するトリビアを、獣医師の藤井仁美先生に伺いました。
睡眠時間が長い理由
猫を含めた多くの肉食動物は、睡眠時間が長い傾向にあります。その理由は、肉食動物に必要な獲物を狩ることや縄張りを守ることに、大きなエネルギーを使うから。いざというときにしっかりと動けるよう、睡眠時間を長く取って体力を温存しているのです。
じつは、あまり熟睡していない?
人は眠っているときに、浅い眠りと深い眠りを繰り返しますよね。猫も同じようなメカニズムで、座った状態でウトウトする時間と、体を横たえて眠る時間を繰り返しています。2種類の睡眠時間を合計すると、先ほど紹介した「猫の睡眠時間は1日約16時間」になりますが、実際はウトウトしている時間の方が長いそうです。
子猫とシニア猫は睡眠時間が長い
体を成長させるために出る「成長ホルモン」は、眠っている間に多く分泌されています。そのため、成長期の子猫は長い睡眠時間が必要です。逆に高齢の猫も、体力を温存するために睡眠時間が増える傾向にあります。このことから、若い猫よりも子猫やシニア猫の方が、睡眠時間が長くなりやすいのです。
寝ているときのポーズは性格によって違う?
猫は、季節や気温によって寝姿が変わりますが、じつは性格も寝姿に反映されているのをご存じでしたか? 例えば、大らかな性格の猫は、急所といわれるお腹を見せながら寝る、逆に警戒心が強い猫は、体を伏せたり丸めたりしてお腹を隠しながら寝る、などです。
猫も「寝言」をいう!
人と同じく、猫も夢を見ると考えられています。愛猫が寝ているときに、体がビクッと動いたり、小さい声でムニャムニャと声を出したりしている場面を見たことはありませんか? これらは、夢を見ているときにする反射的なしぐさなのだとか。
猫にとって、睡眠時間はとても大切です。寝姿を観察する際はなるべく邪魔をせず、落ち着いて眠れるよう配慮してあげましょうね。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2022年4月号『「よく寝る子」は起きてるときって、何してる? ねこの8時間』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。