猫の毛柄・形・性格は、個体によって異なります。1匹として、同じ猫は存在しませんよね。だからこそ愛猫はとくに愛おしいものですが、その見た目や性格は、どのような法則で決まっているかをご存じですか?
そこで今回は、見た目や性格の決まり方、なぜきょうだい猫でも違った見た目の猫が生まれるのかなどを、猫写真家の石原さくらさんに伺いました。
毛柄の決まり方
猫の毛柄を決める遺伝子は9種類あり、両親が持っている遺伝子の組み合わせで、子猫の毛柄が決定します。そのため、きょうだい猫は毛柄が似る傾向にありますが、メスが同時期に違うオスの子どもを妊娠することもあるため、全く似ていないきょうだいが生まれることも少なくありません。
形の決まり方
耳の形や足の長さなど、体の形を決めるのも、やはり遺伝子が関係しています。毛柄と同様、両親が持っている遺伝子の組み合わせが、子猫の形にも影響するのです。
余談ですが、遺伝性疾患防止のため、特定の組み合わせでの交配が禁止されているのをご存じですか? 例えば、折れ耳や短足が特徴的な純血種は、同理由で折れ耳同士・短足同士の交配がNG。マンチカンなどが、これに該当しています。流通している純血種のスコッティシュフォールドは「立ち耳×折れ耳」、マンチカンは「足長×短足」の両親から生まれています。
性格の決まり方
毛柄や形と違い、性格を決める要因は複数あります。多くは父猫側の性格や毛色によって、ある程度決まるといわれていますが、必ずそうなるとは限りません。飼い主さんのお世話の仕方や、成長過程で表れる特徴、そしてその猫の生活環境など、さまざまな要因が性格の形成に影響を与えるようです。
多くの遺伝子から形作られる、猫のルックス。愛猫の見た目がどういう過程で決定したかを知ると、より一層、愛らしく思えるかもしれませんね。
お話を伺った先生/石原さくらさん(猫写真家 猫研究家 愛玩動物飼養管理士1級)
参考/「ねこのきもち」2022年4月号『血縁はもちろん、同居猫も! 似る?似ない? きょうだい猫のフシギ』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。