ケガ予防のために猫の爪のお手入れは欠かせませんが、爪切りを嫌がる猫は多いもの。そこで今回は、猫の爪切りの頻度から基本の方法、爪切りが苦手な猫向けのアレンジ方法まで、アニマル・ケアサロンFLORA院長の中桐由貴先生に教えていただきました。
猫の爪切りの必要性と頻度
猫の爪は鋭く尖っているため、伸びたままにしておくと飼い主さんが引っかかれてケガをするほか、猫自身のケガにつながることもあります。
たとえば、爪がカーテンなどに引っかかって折れたり、後ろ足で頭部をかいたときに引っかき傷を負ったり、同居猫とじゃれ合っているときに相手を傷つけたり……。そのようなケガを予防するためにも、爪切りは猫にとって必要なお手入れなのです。
なお、爪切りの頻度は、前足は伸びるのが早いので2週間に1回、後ろ足は月に1回を目安に行うようにしましょう。
基本の体勢での爪切り方法
膝の上で抱っこできる猫には、1人でも安全に爪切りができる「腹見せ抱っこ切り」スタイルを試しましょう。
1.猫を膝の上で抱いてスキンシップ
膝の上で猫を仰向けに抱っこし、なでながらリラックスさせましょう。猫の背中と人のお腹を密着させると安定します。
2.後ろ足の爪を出して切る
視野に入りにくいため、猫が比較的怖がらない後ろ足から先に行いましょう。爪切りを持っていない手で片方の後ろ足を持ち、親指で爪を押し出して、爪を切ります。
3.前足の爪を出して切る
後ろ足と同様に切ります。その際、左前足は飼い主さんの右腕方向、右前足は左腕方向に引き寄せると、体勢が固定されて切りやすくなります。
なお、親指の爪はほかの爪と離れた位置にあり、切りにくくなっています。親指が上にくるように前足の先を内側に少し傾けると、よく見えて切りやすくなりますよ。
抱っこや爪切りを怖がる猫におすすめの爪切り方法
猫の爪切り方法は、「腹見せ抱っこ切り」以外にもさまざまな体勢があります。抱っこが苦手な猫やビビりな猫には、こちらのスタイルを試してみるといいでしょう。
抱っこが苦手な猫におすすめの「ウトウト中にこっそり切り」
横になってまどろんでいる猫の背後に回ります。足の下に手を滑り込ませ、軽く足を持って爪切りを行いましょう。こちらは、とくに後ろ足を切るときに向いている方法です。
「覆いかぶさり切り」も抱っこが苦手な猫におすすめ
猫が床にいるとき、太ももで猫の体全体を挟んで固定します。そのまま覆いかぶさるように前かがみになり、前足の爪を切りましょう。
爪切りを怖がる猫には「バスタオルで目隠し切り」がおすすめ
こちらは爪切りを見るだけで逃げ出す猫に向いている方法。バスタオルを顔にかぶせ、爪を切る足のみ出して行います。目隠しすることで、猫の恐怖心が軽減するはずです。
家族の協力が得られるなら「2人で手分け切り」を
家族の協力が得られるなら猫を抱っこする係と、爪を切る係に分けて爪切りを行ってみましょう。前足はつけ根をしっかり持つと、猫が足を引っ込めにくくなり、爪を切りやすくなります。
まずは基本の爪切り方法をマスターすることが、猫の爪切りを成功させるコツです。今回ご紹介した内容を参考に、愛猫の爪を上手にお手入れしてあげてくださいね。
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマル・ケアサロンFLORA医院長 日本ペットマッサージ協会理事)
参考/「ねこのきもち」2020年10月号『はじめてさんも、きっとできる!基本をマスター ねこの爪切り』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。