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大量の抜け毛をスッキリ! 猫の換毛期に行いたいお手入れ方法を解説

猫の抜け毛が増える換毛期は、ブラッシングによるお手入れが必要不可欠です。今回は、換毛期に起きやすいトラブルや、短毛猫・長毛猫それぞれに最適なブラッシング方法について、アニマル・ケアサロンFLORA医院長の中桐由貴先生に教えていただきました。

換毛期に抜け毛除去のお手入れが必要な理由

毛づくろいをするラグドール
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は3~7月の春の換毛期になると、個体差はあるものの、抜け毛が冬の10倍以上に増えることが。抜け毛を放置すると以下のような病気が起こるため、抜け毛を除去するお手入れを行うことが大切です。

お腹の中にできた毛玉が胃粘液を刺激する「毛球症」

猫は体を清潔にする毛づくろいのときに、抜け毛を飲み込みます。それが胃の中にたまり過ぎると毛玉となり、胃粘膜を刺激して毛球症になってしまいます。

おもな症状は嘔吐や食欲不振、また、吐きたくても何も出ずに苦しむ猫も。毛玉が腸でつまると、腸閉塞になるおそれもあります。

毛のもつれが原因で皮膚が炎症を起こす「皮膚病」

とくに長毛猫は、抜け毛が体についたままもつれて、毛の塊ができることがあります。そのまま放置していると、周辺の皮膚が空気に触れない蒸れた状態になり、その結果、炎症や細菌感染を起こして皮膚病につながることがあります。

人と猫のアレルギーが悪化する場合も

人の猫アレルギーは、おもに猫の抜け毛によって引き起こされるので、抜け毛が増える換毛期には症状が悪化する傾向に。また、猫も体に抜け毛を放置していると、ホコリなどのアレルゲンがつきやすくなり、アレルギー症状が出たり、悪化したりすることがあります。

短毛の猫におすすめのお手入れ「逆毛ブラッシング」

ブラシをつかむキジトラ猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
短毛猫でも、抜け毛が原因で起こる病気を予防するためにブラッシングが必要不可欠です。短毛猫の場合、ふだんは2~3日に1回、換毛期には毎日ブラッシングを行ってください。

短毛猫のお手入れには、毛を起こすようにブラッシングした後に毛並みに沿ってとかす、「逆毛ブラッシング」がおすすめです。ラバーブラシを使い、毛が抜けやすい背中・お尻・脇腹・胸をまんべんなくとかしましょう。猫がなめやすく、よく毛づくろいするお尻から後ろ足にかけての部位は、よりしっかり行ってください。

長毛の猫におすすめのお手入れ「根元コーミング」

日を浴びてくつろぐアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
毛が絡まりやすい長毛猫は、毎日のブラッシングが必要。換毛期はふだんのお手入れに加え、毛の塊ができやすい部位をコームで丁寧にほぐす、「根元コーミング」を行ってあげましょう。

とくに脇、胸、内股、しっぽは、毛の塊ができやすい部位といわれています。コームを毛の根元にしっかり入れたら、脇は「前足の内側から脇腹にかけて」、胸は「あごの下から胸へ」、内股は「後ろ足から肛門のほうへ」、しっぽは「つけ根から先端に向けて」、丁寧にほぐしてあげましょう。こうすることで、皮膚病の予防になります。

また、毛が乾燥していると静電気が起こりやすいので、霧吹きなどで毛を軽く湿らせてから行うとよいでしょう。
換毛期中の猫の健康を維持するためには、適切な頻度と方法でブラッシングを行うことが大切です。今回ご紹介した内容を参考に、愛猫の抜け毛をしっかりケアしてあげてくださいね。
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマル・ケアサロンFLORA医院長 日本ペットマッサージ協会理事)
参考/「ねこのきもち」2019年3月号『「やらなきゃ」には理由がある 病気・ケガから愛猫を守るお手入れ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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