猫と暮らす
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障害物を見もせず避けられるのはなぜ? 猫の華麗な「足運び」を専門家が解説
足元を見なくても障害物を避けられるのはなぜ?
猫は狩りをするとき、狙った獲物から目を離さずに忍び寄ります。このとき、枯れ枝などを踏んで音を立ててしまうと、獲物に気付かれて狩りは失敗に。そうならないよう、猫は数メートル先までの足元の状況を一瞬で把握し、障害物を避けて歩く能力をもっているのです。
理由2:前足の触毛で障害物を感知できるから
猫の前足の内側には、数本の太く長い毛が生えています。これはヒゲと同じで、敏感なセンサーのような役割をするもの。猫はこの触毛でわずかな空気の流れを感知しており、障害物の有無や、障害物からの距離を把握できるのではないかといわれています。
足音を立てずに歩けるのはなぜ?
猫は、歩くときを含めてふだんは爪を収納しています。攻撃・木登り・爪とぎをするときなど、足先に力を入れると爪が出るしくみです。これは、多くのネコ科動物が持つ特徴で、獲物に気付かれずに忍び寄るのに役立ちます。
理由2:肉球の筋肉が厚く、弾力があるから
猫の肉球にはかなりの厚みがあります。また、筋肉に血管・神経が入り混じった「結締(けってい)組織」という特別な組織でできており、弾力性にも優れています。これがクッションの役割をして、足音を立てずに歩けるうえ、高いところから着地したときの衝撃も吸収します。
細いところもバランスよく歩けるのはなぜ?
これも、肉球が厚く弾力性に優れていることと関係しています。肉球には手の掌にあたる掌球(しょうきゅう)と、指にあたる指球(しきゅう)がありますが、掌球と2〜3の指球が着く程度の幅(3cm弱)さえあれば、肉球の筋肉の厚さを自在に調節して体勢を整え、難なく歩くことができるのです。
理由2:無意識にしっぽでバランスをとれるから
猫が細いところを歩いている姿を観察すると、しっぽを左右に大きく揺らしたり、回したりしているのがわかります。これは、しっぽでバランスをとっているため。人が腕を広げてバランスをとろうとするのと同じで、猫にとっては無意識の動きです。
参考/「ねこのきもち」2023年5月号『華麗な“足運び”の秘密に迫る ここがスゴイ!猫の歩き方』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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