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『猫の皮膚炎』について獣医師に聞いてみました。

飼い主さんが知っておきたい猫の健康について獣医師さんに聞いてみました。今回のテーマは、『猫の皮膚炎』です。(監修/ねこのきもち獣医師相談室)

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『猫の皮膚炎』ってどんな病気?

皮膚炎はどんな季節にも発症しますが、特に夏に多く、皮膚の薄い子猫や、免疫力が低下している老猫や病気療養中の猫がかかりやすく、重症になることがあります。

全身が毛で覆われている上、がまん強い猫は皮膚炎の症状が分かりにくいことがあります

Q. 夏の時期、猫が皮膚炎になる原因を教えてください

A. 夏は皮膚炎の原因となるノミやマダニが活発に活動しています。耳や鼻の周りにアレルギー反応を起こす蚊も多く飛んでいます。
 皮膚糸状菌や毛包虫などが原因となる皮膚炎は、暑さによって体力や免疫力が低下すると発症しやすく重症化することがあります。また、去勢をしていないオス猫がなりやすい、しっぽの付け根がベタベタするスタッドテイルや、アゴの皮脂腺から出た分泌物が黒ゴマのようについて細菌感染を起こすアゴにきびなども多く見られるようになります。

Q. 皮膚炎になるとどんな症状が出てきますか?

A. 全身が毛で覆われている上、がまん強い猫は症状が分かりにくいことがあります。
分かりやすい症状としては、皮膚が赤くなる、痒がる、湿疹がでる、カサブタができる、脱毛しているなどが挙げられます。分かりにくい症状としては、毛づやが悪い、同じところばかり舐めるといったことや、いつもより落ち着きがない、頻繁に毛づくろいしているなど、すぐに皮膚炎とは思えないような様子が見られることもあります。

Q. 動物病院での皮膚炎治療はどのように行われますか?

A. 飼い主さんから飼育環境をうかがったり、患部の位置を確認し、皮膚の検査などを行って、皮膚炎を起こしている原因を調べます。原因が特定できる場合は原因の除去に努めます。ノミやマダニがついていたら駆除します。皮膚糸状菌や毛包虫、疥癬などが見つかったら虫の駆除効果のある薬剤を投与します。痒みや湿疹などに対しては抗炎症剤を投与したり、細菌感染を起こしていれば抗生物質を投与して、皮膚の炎症そのものを治療することもあります。また、患部を清潔に保つために毛を刈ったり、消毒し薬剤を塗布することもあります。

Q. 皮膚炎の予防法を教えてください

A. 栄養バランスの良い食事を与えることは、皮膚や被毛を健康な状態に保ち、皮膚本来の免疫力の維持に役立ちます。こまめなブラッシングは皮膚を健康に保ち、湿疹やカサブタ、脱毛の早期発見につながるでしょう。ノミやダニに対しては各地域のノミやダニの活動期間を確認し、その間は予防薬を継続して使用するよう心がけましょう。

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