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『猫の毛球症』について獣医師に聞いてみました。

飼い主さんが知っておきたい猫の健康について獣医師さんに聞いてみました。今回のテーマは、『猫の毛玉症』です。(監修/ねこのきもち獣医師相談室)

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『猫の毛球症』とは?

猫の毛球症とは、グルーミングの際に舐めとって飲み込んだ毛は、胃腸を通過して便とともに排泄されます。それがうまく通過せず胃内にたまり、塊状の毛球になることがあります。そのたまった毛球が胃のなかで停滞し、胃粘膜を刺激して起こる消化器症状を毛球症といいます。

猫の毛球症は嘔吐や食欲不振などの症状が見られることが多いです

Q. 猫の毛球症の原因を教えてください

A. 毛球症を発症する直接の原因は、胃内にたまった毛の塊(毛球)です。
 毛がたまりやすくなる要因としては、
  • 被毛が長毛で塊状に絡まりやすい

  • 換毛期で飲み込む毛の量が通常以上に多くなっている

  • ストレスなどに伴う過剰なグルーミングで飲み込む毛の量が増える

  • 胃腸の働きが弱っているため胃から腸へと毛をうまく排出できない

などの要因が考えられます。

Q. 猫が毛球症になるとどんな状態になりますか?

A. 胃内で毛球が作られると胃粘膜を刺激するので、その刺激による嘔吐や食欲不振などの症状が見られることが多いです。嘔吐の際に毛玉を吐く症状もよく見られます。
 毛玉を吐く頻度(回数)が一か月~数か月に一度程度であれば、さほど心配はいりませんが、頻繁に吐くようなら治療が必要です。
 ごくまれに、胃内の毛球が胃を通過して腸に入り込み、そこで詰まって腸閉塞を起こすことがあります。腸閉塞の状態になると腸が壊死を起こし大変危険ですので、速やかに適切な手当てを受ける必要があります。

Q. 猫が毛球症になった場合、どのような治療が行われますか?

A. 毛球の排出を促す治療としては、すでにたまった毛が便と共に排泄されやすくするサプリメントや毛球症用のフードを利用したりする方法があります。
 毛球による嘔吐など胃の刺激に伴う症状がある場合には、毛球そのものへの対応に加え、胃を保護する治療を併用します。
 腸閉塞が疑われる場合には、外科的に詰まった毛球を取り除く手術が必要になることもあります。

Q. 猫の毛球症の予防法を教えてください

A. 毛球を作りにくくするために、飲み込んだ毛が胃にたまらずに通過して便と共に排泄されやすくなるような食餌を利用する方法があります。
 大きな粒のフードより小さな粒のフードの方が、ドライフードよりもウエットフードの方が腸管内に停滞しにくいようです。
 毛球は腸の中に長く留まるほど、フェルト状、ボール状となり、固くなってしまいますので、普段のフードも毛球を作りにくいものを選ぶとよいかもしれません。
 こまめに愛猫のブラッシングをして飲み込む毛の量をなるべく減らしたり、ストレスのたまらない環境作りでグルーミングが過剰にならないようにしてあげることも大切です。

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