愛猫のあごに、黒いポツポツを見つけたことはありませんか? これはおそらく「あごニキビ」と呼ばれるもの。高温多湿の夏は細菌に感染するリスクが高まり、あごニキビが重症化しやすい季節でもあります。
そこで今回は、あごニキビの症状や主な原因などを、獣医師の小林真也先生に伺いました。
「あごニキビ」って何?
「あごニキビ」とは、毛穴に皮脂や角栓が詰まり、黒いポツポツとしてあらわれている状態のこと。猫の性別・年齢・猫種に関係なく、どの猫にも発症するリスクがあります。あごニキビは通称「アクネ」と呼ばれることも。また、医学的には「痤瘡(ざそう)」といいます。
高温多湿の時期は、細菌に感染しやすくなり、あごニキビが重症化するおそれもあるので、特に注意が必要です。
あごニキビの主な原因6つ
汚れの付着
あごは毛づくろいがしにくいので、汚れてもそのままになりがちです。その汚れがあごニキビの原因になることがあるので、食後に口周りが汚れていたら、その都度飼い主さんがやさしく拭いてあげると、ニキビ予防につながります。
雑菌の繁殖
フードボウル、水の器、口にくわえて遊ぶおもちゃなどに雑菌が繁殖し、ニキビの原因になることも。猫が使用するアイテム類は、清潔な状態を保つよう心がけましょう。
アレルギー
アレルギーも、ニキビの原因になると考えられています。食物アレルギーのほか、プラスチックなど食器の素材がアレルギーを引き起こすことも。
ストレス
引っ越しで生活環境が変わったり、新しい猫を家族に迎えたりなど、さまざまな要因で猫がストレスを感じると、あごニキビができるケースがあります。ストレスが原因だと考えられるときは、そのストレスを軽減させることが必要です。
病気の罹患
猫カゼのようなウイルス性疾患などの病気にかかることで免疫力が低下し、ニキビを発症するケースも。この場合は、体調が回復すするとともに、ニキビも改善することがあります。
皮脂の過剰分泌
皮脂の分泌量が多いタイプの猫は、ニキビになりやすい体質といえるかも。その場合は、あごだけでなく、皮脂腺の多い尻尾の付け根あたりなどもベタつくことがあります。
あごニキビは、重症化すると脱毛したり、かゆみや痛みが生じたり、感染症を起こして膿や血が出ることもあります。原因を知り、なるべくあごニキビができないよう、日常的に対策をすることが大切です。
お話を伺った先生/小林真也先生(「ヒフカフェ動物病院」院長)
参考/「ねこのきもち」2023年8月号『その対処法で大丈夫? 夏に増えるから知っておきたい 正しい「あごニキビ」ケア』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。