発情している猫がいない環境でも始まる、猫のフレーメン反応。人にはない感覚だけに、実態がイマイチ捉えにくいという人も多いのではないでしょうか? 猫が思わず反応してしまう4つのニオイを、哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えてもらいました。
「自分自身のニオイ」を嗅いでしまう
毛づくろいの最中などに、自分のお尻周りのニオイを嗅いでフレーメン反応する猫は少なくありません。フェロモンは、おもに単独行動する猫が繁殖期に出会うためのもの。ですが、猫はフェロモンを感じると、自分自身の体とわかっていても念のためにニオイを確認してしまうのです。
なかには習慣になっているケースもある
現代の飼い猫は、生活のなかでほかの猫のフェロモンを嗅ぐ機会がほとんどありません。そのため、自分自身のフェロモンを確認することが習慣になっているケースも多いようです。
「同居猫のフェロモン」をチェックしちゃう
同居猫のお尻周りや座っていた場所、排泄物のニオイを嗅いでフレーメン反応する猫は多いといわれています。
これは、そこにあるフェロモンが同居猫のものであることを確認するため。なかには、オスがメスの発情有無をチェックしているケースもあるようです。
「飼い主さんの汗」もとりあえず確認
猫は「フェロモンがついているかも!?」と興味をもてば、何でもニオイを嗅いでフレーメン反応します。人の汗にも猫のフェロモンに似た成分が含まれているため、飼い主さんの衣類や床も対象になり得るのです。
もし、愛猫が次のニオイを嗅いでいたら、飼い主さんの汗に反応している可能性があるでしょう。
飼い主さんの汗が付着するもの
- 脱いだ衣類や靴下
- 何もないように見える床や家具
- ふだん寝ている布団
- ふだん持ち歩いているカバン
「ハッカ系のニオイ」も嗅いでしまう
猫はハッカ系のニオイを嗅ぐと、フレーメン反応することがあります。理由は、ハッカ系のニオイにフェロモンに近い成分が含まれているため。猫が好きなキャットニップも、ハッカ系の植物の一種です。
※猫にハッカ系のアロマオイル(精油)を嗅がせたり与えたりすると、健康を害する恐れがあるのでやめましょう。ペット用の歯みがきは問題ありません。
ほかの猫のフェロモンに限らず、フェロモンに似たニオイがあると嗅いでしまう猫たち。家の中は、猫たちがフレーメン反応するもので溢れていることがわかりました。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」 館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2019年11月号『3号連続ねこの摩訶不思議反応企画 第2弾 見られるとうれしい、この変顔 フレーメン♡ファンクラブ通信』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。