ウレタンマットやじゃらしおもちゃなど、猫を飼っていると猫用のアイテムをいろいろと買い集めたり、作ったりしますよね。猫用のアイテムなら安全だと思いがちですが、意外とそうではありません。
そこで今回は、実際に起きた「猫用アイテムの誤食事故」体験談とその対策方法を、獣医師の田草川佳実先生に伺いました。
体験談1:ウレタンマットを食べてしまった!
福岡県・Y.Mさんの体験談
子猫を迎えるにあたり、キャットウォークにウレタンマットを敷いていました。愛猫はキャットウォークからマットを落とす遊びをしていましたが、ある日マットを食いちぎって飲み込んだ様子。飲み込む現場は見ていなかったものの、食欲不振とおう吐が続き、吐しゃ物の中にウレタンマットを発見したため、動物病院に連れて行きました。
検査では胃の中にマットの欠片があることがわかり、内視鏡手術で取り除く処置を受けました。
先生のコメント
噛み心地がいいためか、ウレタンマットを誤食する猫は少なくありません。キャットウォークなど、飼い主さんの目が届きにくい場所に設置すると、誤食や落下事故につながるのでやめたほうがいいでしょう。
また、一度でも愛猫がマットをかじっている姿を見たり、マットに噛み跡を見つけたりしたら、危険なのですぐに撤去してください。
体験談2:毛玉ボールを飲み込んでしまった!
大阪府・K.Yさんの体験談
愛猫たちの抜け毛で作った、直径2cmほどの毛玉ボール。愛猫が遊んでいるうちにほつれたようで、犬歯や口の中に毛束がくっついた状態になりました。口の中にある毛や、散らばっている毛を集めても量が足りなかったので、残りを飲み込んでしまったようです。食欲はあったもののいつもの時間に排せつをせず、翌日に泡を吹いたので動物病院を受診しました。
検査でほかの病気は見つからなかったので、排せつをスムーズにする整腸剤を処方されて帰宅。誤食から2日後、ウンチとともに毛の塊が出てきました。
先生のコメント
毛玉ボールで遊ぶことを好む若い猫は多いのですが、小さいと口の中に入ってしまい、大変危険です。毛玉ボールを作る場合は、ゴルフボールより大きいサイズにして、こまめにボールの状態をチェックしつつ、少しでもほつれたら処分するようにしてください。
体験談3:じゃらしおもちゃの一部を飲み込んでしまった!
北海道・Y.Sさんの体験談
愛猫が1才のとき、ふだん遊んでいるじゃらしおもちゃのひもの一部がないことに気付きました。愛猫に異変はなかったものの、念のため動物病院を受診。内視鏡での検査時にひもが見つかったため、そのまま摘出しました。じゃらしおもちゃの羽根部分を食いちぎることもあるので、この誤食事故からは注意して遊ばせています。
先生のコメント
じゃらしおもちゃの誤食は、若い猫に一番多いケースです。おもちゃの一部を少し誤食しただけなら、吐いて出したりウンチと一緒に排せつされたりすることもありますが、素材や量によっては胃腸に詰まるおそれがあります。
猫用のアイテム類といえども、猫が誤食してしまうと大変なことになるおそれがあります。猫用の物だからと油断せず、気を付けて生活するようにしましょう。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2023年9月号『半数の飼い主さんがヒヤリ!してます。 年代別ねこの誤食体験談』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。