猫と暮らす
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ペットロス体験者に聞いた 「愛猫との別れ」への向き合い方
今回は、実際にペットロスを体験した方々に体験談と、獣医師で動物病院専任カウンセラーの宮下ひろこ先生のコメントをご紹介します。
体験談1:つらい気持ちを受け入れた
お別れした愛猫のことを考えるたび、涙が出てしまっていたKさん。つらさゆえに何を食べても味がせず、吐き気が止まらない日々だったそうです。
4カ月以上たっても、愛猫のことを思い出すと泣いてしまうそうですが、仁尾智さんの“看取るまでじゃなくて そこから立ち直るまでが 「猫を飼う」っていうこと”という猫短歌を知ったことで、悲しい気持ちを受け入れながら過ごせているようです。
体験談2:笑えなくなったり気力がわかなくなったりする日もあった
帰宅したときや寝るときなどに愛猫がいないことを実感し、涙が出てきてとまらなかったFさん。人の話が頭に入ってこなくなって仕事に支障が出たり、楽しいテレビを見ても笑えずに気力がわかない日が続いたりしたそうです。
愛猫が亡くなってしばらくたった今も涙が出ることがあるようですが、残された猫や犬たちがKさんを癒やしてくれているといいます。
体験談3:体調不良が続いた
3年半ほど前に愛猫を見送ったEさん。愛猫の通院がかなり頻繁だったこともあり、疲れが出て体調不良に。復調するのに1カ月ほどかかったそうです。
その後も精神的につらく、食欲不振、不眠などの状態がしばらく続いたようですが、残された愛猫に愛情を注ぎ、体調も徐々に回復。現在でも亡くなった愛猫会いたい気持ちは変わらないとのことですが、毎日お水とお線香をあげて話しかけ、悲しみに向き合っているそうです。
体験談4:無気力になり、眠れない日々を送った
愛猫との別れからしばらくは、悲しくて何も手につかない、涙が勝手に流れてくる、愛猫を思い出して眠れないといった日々が続いたKさん。しかし、泣きたいときは思いきり泣いて、残された愛猫のお世話をしているうちに、気持ちが落ち着いてきたそうです。
闘病や看取りについて、自分の決断が正しかったのか思い悩むこともあるようですが、精いっぱいお世話をしたという自負があるため、また同じような状況になったときに、落ち着いて対応できるかなと思えるようになったといいます。
体験談5:家族と思う存分泣いた
愛猫を見送った翌日は、別れの実感がわかなかったせいか涙が出なかったものの、強い虚無感に襲われたというSさん。悲しみに打ちひしがれるようになったのは、その次の日くらいからだそう。
その後は、家族と一緒に思う存分泣いて悲しみを共有することで、少し心が楽になった気がしたそうです。
「ペットロスは、愛猫を失った飼い主さんの心や体にさまざまな変化をもたらすことがありますが、知識がないと「自分だけがおかしいのでは」と不安になったり戸惑ったりすることがあります。お別れを想像もしたくない、というお気持ちもあるかもしれませんが、ペットロスについて事前に知っておくことは大切だと思います」(宮下先生)。
必要以上に不安にならないために、少し考えておきたいですね。
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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