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猫のかわいいしぐさ “くんくん”に込められた4つの意味や理由とは

猫は鼻を“くんくん”させて、ニオイをかぐようなしぐさをすることがありますが、このしぐさにはどのような意味や理由があるのでしょうか。今回は、猫の“くんくん”するしぐさに込められた意味や理由を、哺乳動物学者の今泉忠明先生に解説していただきました。

遠くにあるものが何かを調べている

ニオイを嗅ぐミヌエットのベルくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫が遠くを見て“くんくん”しているときは、「長距離センサー」を働かしているのでしょう。

猫は世界の事象を五感で感知します。なかでも、一番遠くの事象を感知できるのが嗅覚です。たとえば、「獲物がいる」と気づくのは、まずニオイによる情報から。猫はニオイがするほうに近づいていくと、今度は音(聴覚)を頼りに探し始め、もっと近づくことで目で見て(視覚)獲物がわかるようになります。

このように、視覚よりも嗅覚が優れている猫にとって、嗅覚情報は大切な道しるべ。猫の嗅覚細胞は6000万~7000万個といわれ、人の約10倍もあるとされています。それだけニオイによる情報は精密なのです。

猫同士で“あいさつ”している

朝のあいさつするルイくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫同士はニオイによって互いの個性を認識しています。猫同士がときどき鼻をくっつけて“くんくん”するのは、人が顔を合わせて「初めまして」「こんにちは」と言葉を交わし、名刺交換をするようなもの。

このとき猫はニオイから、性別や相性が合うかどうか、発情しているかどうかなどの情報がわかるといわれています。なお、より詳しい情報がほしいときは、鼻まわりだけではなく、首まわりやわき腹、肛門のニオイをかいで調べることも。

安全かどうかを確認している

バッグの中身を安全確認する虎斗くん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は、子猫時代に母猫(もしくは母猫代わりの飼育者)から与えられたもの以外は、口にしようとしません。これは、猫が安全に生きていくために、本能的に備えた習性といっていいでしょう。

猫に新しいキャットフードを与えると、“くんくん”とニオイをかぎますが、これは母猫から与えられた食べ物のニオイの記憶と照合し、安全かどうかを確認しているから。新しいキャットフードをまったく食べない場合は、記憶しているニオイと違うため、警戒しているのかもしれません。

選り好みをしている場合も

お気に入りのおもちゃかな?ロシアンブルーのれんちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫もニオイを選り好みして、好きなものや興味のあるものは、盛んに“くんくん”することがあります。

猫が靴やバッグなどを好む傾向があるのは、肉食動物である猫が本能的に好む皮が素材だったり、関心を引く外のニオイがたくさんついていたりするからかもしれません。

なお、猫は柑橘系のすっぱいニオイを嫌う傾向があります。これは、すっぱいニオイが腐ったものを連想させるから。猫は本能的に腐ったものを食べると危険なことがわかっているのでしょう。
猫が“くんくん”するしぐさに込められた意味や理由はさまざま。状況などからどんな気持ちで“くんくん”しているのかを判断し、適切に対応してあげられるとよいですね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年9月号『嗅覚をめぐる、9つの真実 猫のくんくんのヒミツ』
文/小泉美筆
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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