蒸し暑さが続くと、猫は体温調節機能がついていけずに、バテてしまうことがあります。そんな猫の“蒸し暑さバテ”を予防・解消するには、顔まわりのツボを刺激するマッサージを取り入れると効果的な場合も。
そこで今回は、獣医師の中桐由貴先生に、猫の“蒸し暑さバテ”対策として取り入れたい、3つのツボ押しマッサージ法を教えていただきました。ツボ押しマッサージのコツもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
その1:リラックスを促す「目の上」のツボ押しマッサージ法
目の上には「睛明(せいめい)」というツボがあり、リラックスを促しストレスを解消する効果があるといわれています。
(1)目頭の上をやさしく刺激
目頭の少し上に指先を当て、ジワッとやさしく押して刺激しましょう。
(2)目尻に向けて目の上をなでる
目の形に沿うように、指先をゆっくり目尻方向へ動かします。10回ほど繰り返したら、反対側も同様になでましょう。
その2:体の熱を取る「目の下」のツボ押しマッサージ法
目頭と鼻の間にある「四白(しはく)」は体の熱を取る効果が、また、下あごの左右の付け根にある「下関(げかん)」は体の熱を取る効果のほか、リラックスを促す効果が期待できるとされています。
(1)目と鼻の間をやさしく指圧
猫の目と鼻の間(四白)に指先を当て、やさしく刺激します。飼い主さんの体勢により、やりやすい指を使ってOKです。
(2)下あごの付け根へ向けてゆっくりなでる
指先を顔の斜め後ろへ動かし、下あごの付け根(下関)で止めます。10回ほど繰り返し、反対側も同様に行いましょう。
その3:元気度をアップ「額~頭」のツボ押しマッサージ法
眉間中心の「印堂(いんどう)」はリラックスを促すツボで、頭頂部の「百会(ひゃくえ)」は元気度アップが期待できるツボとされています。
眉間の中心から頭頂部をなでる
眉間の中心(印堂)から頭頂部(百会)に向けて、指先でやさしくなで上げるように刺激しましょう。
ツボ押しする際の4つのコツも知っておこう!
最後に、猫のツボ押しマッサージをする際の4つのコツをご紹介します。
(1)猫が興奮していないときに行う
猫が活発に動いているときではなく、穏やかに落ち着いているときに行うようにしましょう。日向ぼっこ中や甘えてきたときなどがおすすめ。
(2)ウォーミングアップから始める
いきなりツボ押しするのは、刺激が強すぎるので控えて。まずは、顔まわりなど猫が喜ぶ部位をやさしくなでる、スキンシップから始めましょう。
(3)猫の好みに合わせて押す強さを調節する
やさしく押すのを基本に、最初は軽く押し、猫の様子を見ながら力加減を調節しましょう。また、速い動作は避け、寝てしまいそうなくらいゆっくりとした動きを心がけることもポイントです。
(4)一度に10~20回を目安に
最初のうちは、ひとつの動作を10回程度繰り返すことから始めましょう。猫が慣れて気持ちよさそうな様子なら、回数を増やしてOKです。
じっとりと暑い日が続くと、熱中症や脱水症などの心配もあります。エアコンによる温度・湿度管理はもちろん、こまめな水分補給などを心がけて、愛猫にとって快適な環境を整えてあげましょう。
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマルケアサロンFLORA院長 獣医師 日本ペットマッサージ協会理事)
参考・写真/「ねこのきもち」2024年6月号『夏、気を付けたいのは温度と湿度。猫を守る蒸し暑さ対策』
文/長谷部サチ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。