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【獣医師が解説】猫エイズにかかってしまったら?寿命と長生きさせるための最適な治療法

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「猫エイズ」とは、正確には「猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)」のこと。発症すると免疫力が徐々に低下するため、それに伴う様々な症状が現れる恐ろしい病気です。愛猫が猫エイズに感染してしまった場合の治療法や、感染後の猫の寿命について解説します。今回は、猫エイズの症状や感染経路、猫エイズを発症した愛猫との接し方について解説します。

猫エイズの症状とは?人や犬のエイズとは違うの?

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猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症(FIV))は、免疫機能を破壊する猫免疫不全ウイルスが体内に入りこむことによって感染し、その後時間をかけて免疫系の不具合に伴う様々な症状が見られる病気です。初期症状としては、軽い発熱や下痢、リンパ節の腫れなどがあり、これらの症状がおよそ数週間から数か月続きます。
その後、一見すると症状が見られない時期を迎えますが、これは病気が治ったわけではないので注意が必要です。
症状が進むと慢性鼻炎や体重減少、口内炎などのはっきりした症状が見られるようになり、さらに病気が進行すると、免疫不全による感染症や衰弱によって死を迎えます。いつもと様子が違うと感じたら猫の様子を注意深く観察するようにしてください。特に、体調不良で元気がない状態がしばらく続く際には、早めに病院を受診する方がいいでしょう。

人のエイズとは違うの?

猫エイズ(FIV)は人のエイズとして知られる「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」と似たような性質をもっているといわれています。医学的にはHIVと同じ「レトロウイルス科レンチウイルス属」に分類されますが、遺伝子の構造自体には類似点がないのが特徴です。

犬にもエイズってあるの?

現在の医学では、犬が免疫不全を引き起こす恐れのあるウイルスはまだ見つかっていません。そのため犬には、人のHIVや猫のFIVのようないわゆるエイズと呼ばれるものはないと言えます。

気になる寿命は?

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猫エイズに感染してしまった猫ちゃんの飼い主さんとして、とても気になるのが猫の寿命だと思います。まず、猫エイズの感染から発症までの期間が一般的に大変長期間であることを把握しておきましょう。感染してしまったら余命もわずかということにはなりませんので、その点は安心していただいて大丈夫です。

猫エイズは「感染→急性期→無症状キャリア→発症」という流れで進行していきます。特徴として無症状キャリアの期間は約4~5年あり、長いと10年以上というケースも見られます。発症する時期も個体差があり、感染から発症後の余命が最短でも5年はあると言われています

無症状キャリアの期間および発症後に適切な治療がなされることで、猫エイズに感染した猫の寿命を飛躍的に延ばすことが可能です。猫エイズの感染を防ぐことと、感染後から発症までの期間の適切な治療が、猫の命を守るための大切なカギとなります。

猫エイズの治療法は?

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対症療法がメイン

猫エイズには現在、原因ウイルスそのものを退治するワクチンがありません。そのため、対症療法がメインとなります。また、症状を和らげるための緩和ケアや、免疫力を上げるための治療もあわせて行われることが多いです。

食事や環境を整えて猫のストレスを取り除く

猫エイズに感染した猫にとって、毎日の食事と住環境は病気の進行に大きく関わってきます。栄養バランスのとれた食事で、猫に必要な栄養をしっかりと与えてあげましょう。基礎体力を良好に保つことで、病気への抵抗力も自ずと高まります。
そして、猫が快適に過ごせる環境を作ってあげることも大切です。過ごしやすい場所であれば、猫にかかるストレスも最小限に抑えられますので、猫自身が病気に負けず元気に過ごすことが可能になります。

猫エイズに感染する原因と予防法

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感染経路

猫エイズの原因となる猫免疫不全ウイルスは、猫エイズに感染している猫の唾液中に含まれていることが多いです。それまでなんともなかった愛猫に猫エイズの症状があらわれた場合、考えられる原因は、猫エイズを発症している猫に噛まれることによる感染です。
もうひとつの伝播様式としては、垂直感染もあり得ますが、主に咬傷による唾液中のウイルスの水平感染です。
しかし一方で、猫免疫不全ウイルスの感染力は弱いとされているのも事実です。そのため猫同士のなめあいや授乳、家庭で食器などのお皿を共有することによって感染する確率は低いと言えます。

愛猫を猫エイズから守るためにできること

猫エイズを予防するためには、エイズに感染している可能性のある猫からの咬傷を避けることがとても重要です。愛猫を野外に連れ出すことなく、室内のみで飼うことをおすすめします。未去勢のオス猫の場合、一歩外に出ると同じオス同士で激しい喧嘩をして負傷したりする恐れがあります。また、性別とは関わりなく、気の強い猫も屋外での咬傷の被害はあるので、やはり注意が必要です。
猫エイズへの感染を防ぐためには、オス猫もメス猫も適切な時期に去勢や避妊をし、広々とした清潔な室内のみで飼うのがベストだと言えるでしょう。

猫エイズにもしかかってしまったら…発症の可能性と寿命

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愛猫が猫エイズにかかってしまった場合、感染から発症までの期間は個体によって大きく異なります。その期間は通称「ステージ」と呼ばれており、症状の進行具合によっていくつかの段階に分かれているのが特徴です。ここでは各ステージにおける発症の可能性と寿命を解説します。

急性期

軽い発熱や下痢、リンパ節の腫れが数週間から数ヶ月続きます。

無症候キャリア期

症状がおさまり、一見すると際立った症状が見られない時期。この時期の長さは数カ月~数年とされており、ストレスのかかり具合や元々の体調(基礎疾患の有無)などによって異なると考えられています。なかには無症候キャリア期のまま一生を終える猫もいますので、猫免疫不全ウイルスに感染したからといって、必ずしも猫エイズの深刻な症状を発症するわけではないことを覚えておいてください。

PGL期(持続性リンパ節腫大)

猫免疫不全ウイルスに感染した直後のように再度リンパ節が腫れだした場合、猫エイズを発症した可能性があります。この期間は他のステージに比べて2か月から4か月と短いため、飼い主が発症に気付かなかったという事例も多いです。

ARC期(エイズ関連症候群)

猫エイズを発症すると体内に侵入したウイルスによって免疫機能が低下しはじめ、口内炎や鼻炎といった症状があらわれます。特に口内炎はよく見られる症状ですので注意深く観察し、必ず医師による適切な治療を受けるようにしてください。エイズ関連症候群の段階で適切な治療を行うことで、1年以上の長期生存が可能になる症例もあります。

エイズ期

免疫機能が機能しなくなり、激しい症状が出る時期です。急激な体重の減少や貧血、さらに悪性腫瘍ができることもあり、ここまで症状が進行してしまうと、多くの個体は1か月から2か月程度で命を落としてしまいます。

人や犬にもうつるの?多頭飼いの注意点は?

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猫エイズが人や犬にうつる可能性

一般的に猫エイズ「FIV」に感染する恐れのある生物は、ネコ科の動物のみとされています。ライオンやヒョウ、チーターなどにはうつる可能性がありますが、人や犬、ウサギなどの生物にうつることはありません。

多頭飼い時の注意点

多頭飼いしている家庭の場合、一匹が猫エイズに感染すると、他の同居猫にも感染が広がる恐れがあります。愛猫が猫エイズを発症した場合、まずはかかりつけ医に相談のうえ、発症していない同居猫にワクチンを接種してあげてください。その後はなるべく、感染猫とそうでない猫を別々の部屋で住まわせるのが好ましいです。

飼い主側の心構え~猫エイズと上手く付き合っていくために~

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現在の医学では、残念ながら猫エイズを発症した個体に対する有効な治療法はありません。しかし無症候キャリア期の状態においては、猫の免疫力低下を招かないようストレスのかからない環境をつくることで、発症をくい止めることは十分可能です。
もしステージが進み愛猫が猫エイズを発症してしまった場合、病院でできるのは症状に合わせた対症療法や免疫力をあげる治療のみ。そんな状態で飼い主側が何よりも一番心がけたいのは、愛猫の生命力を信じる気持ちを持ち続けることです。室内や生活環境をしっかりと整え、最後の最後まで愛情を持って接してあげましょう。

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ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース」

参考/『ねこのきもち』2015年12月号「教えてドクター」(監修:鵜飼佳実先生)
    『ねこのきもち』2016年5月号「ねこの5大感染症」(監修:服部幸先生)
    『ねこのきもち』WEB MAGAZINE「病気・症状データベース」
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/紺道ゆあん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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