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【獣医師監修】オス猫の去勢手術後のケア方法や注意点、術後の変化
今回は、オス猫の「去勢手術」を受けるときに、知っておきたい重要事項を解説します。去勢手術のメリットやタイミング、術式、費用、手術直後の状態、ケア方法、手術後の見た目や性格の変化など、さまざまな事柄を知って愛猫の去勢手術に備えましょう!
荒木 陽一 先生
オス猫の去勢手術のメリット
去勢手術の主なメリット
- 精巣腫瘍などの生殖器系の病気を防ぐ効果が期待できる
- 「疑似交尾」といわれるマウンティングや、性的アピールとしての「スプレー行動」などをしにくくなる
- オス猫がもっている縄張り意識が低くなり、噛みグセやケンカなどの「攻撃行動」が少なくなることがある
- 性的な欲求が減ることで、繁殖のために相手を求める「脱走行動」が減る傾向がある
- 発情や性衝動がなくなるので、相手を求めて大声で鳴くことが少なくなる など
愛猫の去勢を決めたら知っておきたいタイミングや術式、費用
去勢手術のタイミングは?
去勢手術のタイミングは、獣医師と相談しながら決めるのがベストです。最近では精巣の摘出と生殖器の成長についてはあまり関係ないという考えもありますが、一般的には生後5〜10ヶ月頃に行われることが多いようです。
去勢手術の術式は?
まれなケースですが、精巣が陰のう外の皮下や体の外側に出ていない(お腹の中に入り込んでいる)「停留精巣」のオス猫がいることも。お腹の中の場合は、去勢手術は、メス猫と同じように開腹手術や腹腔鏡手術をして精巣を取り除く方法によって行われます。
去勢手術の費用はどれくらい?
・術前検査とは
また、レントゲン検査や超音波検査などが追加され、より詳しく体の状態を調べることもあります。 通常の検査だけなら、術前検査費は5,000円前後で済むことが多いですが、検査項目が追加されると、10,000円以上になることもあります。ただし動物の場合、手術や検査などの各費用は病院ごとにことなるため、正確な費用については事前にかかりつけの病院に確認するとよいでしょう。
去勢手術“直後”の猫の状態や注意点
肉体的・精神的にかなりのダメージを受けている
特に、手術直後は家についたとたんに部屋の隅に隠れるなどの行動を見せる猫もいます。そのようなときは、無理やり引きずり出さず、落ち着くまで見守りましょう。 比較的に若いうちの体験のほうがそれほど恐怖に感じないということもあります。
一時的に抵抗力と免疫力が低下する
術後2週間前後はシャンプーを控え、同居猫がいる場合は必要に応じて少しの間隔離するなどといった対策も必要です。しかし、隔離することがストレスになることもあります。手術を受けた猫が安心して過ごせるように配慮しましょう。
去勢手術“直後”のケアやエリザベスカラーを嫌がるときは
食餌は少しずつ
また、手術前日から当日は麻酔の影響に配慮して、食餌や飲水を控えるよう指示されることもあります。退院の際に食餌開始のタイミングをきちんと確認しましょう。また、精神的なストレスなどの影響で食欲がない場合もあります。ゴハンを食べなかったり吐いたりすることが続くときには、早めに獣医師へ相談してください。
エリザベスカラーを嫌がるとき
プラスチック製の場合は、エリマキトカゲのように顔まわり装着するので視野が狭くなり、猫の日常生活に大きく影響します。これは、猫にとってストレスになったり、パニックを引き起こしたりすることも。メスであれば術後服がありますがオスの場合は患部の位置からも使用できません。患部の状況や猫の性格を考え、獣医師と相談して対策してください。
なお、猫去勢の場合は猫の性格にもよりますが、必要のないことも多々あります。
見た目や性格など、去勢手術後の変化とは?
見た目の変化
・腰やお腹周りがふっくら
・筋肉質ではなくなり丸い印象
・顔周りがスッキリする
性格の変化
ねこのきもちWEBMAGAZINE『【獣医が教える】オス猫の去勢手術にかかる費用と留意点』(監修:かんもん動物病院 獣医師 八木田智洋先生)
監修/荒木陽一先生(プリモ動物病院 練馬院長)
文/HONTAKA
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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