丸々とした愛猫のスタイルは、とても可愛らしいですね。しかし肥満体型になってしまうと、健康面でのリスクも生まれてきます。そこで今回は、猫のダイエットについてご紹介。肥満のリスクや体の部位ごとの体型チェック方法、フードの見直し方やおすすめ運動法、最後には実際のダイエット体験談もお届けします。
コレが猫に効果的!ダイエット成功のポイント
猫の肥満を招く要因は、主に食べ過ぎと運動不足です。食事量と運動量のバランスを取ることで、猫の肥満を解消することができます。
ポイント1:低カロリーフード+与え方の工夫で食事量を適正に
ぽっちゃりさんや肥満体型の猫には、低カロリーのフードを選びましょう。さまざまなメーカーから発売されているので、大切な愛猫にぴったりなものがきっと見つかるはずです。フードを選ぶ際には、年齢を考慮するとなお良し。ダイエットに向いている低カロリーフードは、必須栄養素を欠乏させずにカロリー量が減らせるので、健康面を心配せずに体型管理ができるのです。
適正量は正確?
低カロリーフードにしたからといって、目分量でフードを与えていては、的確な体型管理はできないでしょう。フードのパッケージに記載されている、「1日の給与量」で計量するのは基本中の基本。もし適正量を守っても太るようであれば、5~10%くらい量を減らしてみるのもよいでしょう。量りは100円均一ショップでも手に入れることができますので、ぜひ1つは所持しておきましょう。
フードは回数を増やして与える
食事と食事の間隔が長くなると、空腹を感じやすくなります。少しの量でもちょこちょこ食べていれば、空腹を感じにくくなり、脂肪の蓄積を防ぐことにもつながるでしょう。1日の適正給与量を、朝・昼・夜・寝る前など、できる限り小分けにして与えましょう。
留守にすることの多い飼い主さんは、自動エサやり機などを利用するのもいいでしょう。最近ではスマホで操作できるものやカメラが内蔵されているものもあり、留守中の愛猫の様子もバッチリ観察できて便利です。
おやつは与えてもいい?
食事を小分けにして与えることで、猫の空腹をやわらげることが可能になります。ダイエットを考えるならば、おやつはなるべく与えないほうが賢明ですが、与える場合はフード同様に低カロリーのおやつを選びましょう。
1日に与えてもいい食事量とカロリーをオーバーしないよう、食事はおやつの分を差し引いて与えてください。
おすすめフードランキングBEST3
ダイエットを頑張る猫ちゃんにおすすめのフードを、ランキング形式でご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【1位】ロイヤルカナン(ロイヤルカナン ジャポン)
「すべては猫のために」がモットーのロイヤルカナン。安心かつ安全なフード作りに定評があります。ライフステージ別、猫種別、病中病後の療法食など、品揃えが豊富な点も魅力です。
【2位】モンプチ(ネスレ ピュリナ ペットケア)
ドライ、ウエット、ペーストなど、さまざまな形状のフードが豊富に揃うモンプチ。魚(まぐろ・かつおなど)、肉(ビーフ・チキン)と猫ちゃんがおいしく食べられる味を追求しています。少量ずつパッケージングされているので、食事を小分けにして与えるときも大変便利です。
【3位】シーバ(マース ジャパン)
素材の良さを活かしたフード作りと、リッチなイメージが特徴のシーバ。2位のモンプチ同様、全てのフードが少量ずつパッケージングされており、ダイエット中の食事量の調整がしやすくて重宝します。
ポイント2:フードで誘い運動量を増やす
猫のダイエットの基本は食事法ですが、運動もダイエットにつながります。動き回ることでカロリーを消費し、筋肉量を増やすことによって基礎代謝を上げていくのです。しかし猫に「運動しろ」といっても、気の向かないことはやってくれませんし、猫が運動でダイエットをすることも困難だと言われています。
そこで、フードで気を引きながら運動させる方法が役立ちます。まずおすすめしたいのが、食事場所を変える方法。普段は床に置いているフード皿を、猫タワーや家具の上など高い場所に移してみましょう。猫を登らせることで、運動量を増やせます。
おもちゃなどのグッズを使うのもいい方法です。たとえば、ボール状のものを転がすと、中に入れたフードが少しずつ出てくる仕組みのグッズなどが良いでしょう。食事をあげるごとに運動になりますし、飼い主さんの留守中は愛猫の暇つぶしにもなりますよ。
ココが危険!肥満のリスクを知ろう!
人の世界でもダイエットは難しいといわれていますが、猫のダイエットはもっと大変なことです。しかし、なぜダイエットをしなければいけないのでしょうか?
コロコロとまん丸く太った猫は、とてもかわいらしくて癒されます。「このままでいいのでは」なんて思う方もいるかもしれませんが、肥満体型はさまざまな弊害を生みかねません。まずは、なぜダイエットをしなければならないのかについて、理解していきましょう。
骨や関節への負担
体重が重くなると、体を支える骨や関節に負担がかかってきます。そのままにしておくと関節などに痛みを感じ、徐々に動かなくなってしまうことも。さらに動かなくなることでエネルギーを発散しにくくなり、ますます脂肪がつきやすくなります。そのスパイラルが続くと、捻挫や関節炎など、治療や通院が必要な病気になることもあります。
病気のリスク
血糖値の上昇による「糖尿病」や、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」、ほかにも「膀胱炎」や「尿結石」、毛づくろいがしにくくなるため「皮膚病」などを発症するリスクも高まります。
心臓や呼吸器への弊害
肥満になり体が大きくなると、毛細血管も長く伸びてきます。すると心臓はより遠くへ血液を送らなければならなくなり、忙しく動くことを余儀無くされます。そして、正常な状態よりも心臓に負担をかけてしまうことに。
愛猫の体型チェック法!
体型管理の第1歩は、愛猫の体を知っておくこと。体重だけでは分かりにくい肥満を、見て、触って、チェックしましょう!
チェック1「ろっ骨」
机や床など、猫が平らな場所で伏せているときを見計らって、触って体型チェック!いきなり触ると猫がビックリするので、飼い主さんの存在を知らせてから行いましょう。両手で猫の前足の付け根辺りにある、ろっ骨を触ります。そのまま腰まで、ツーっとなでるように手を滑らせましょう。ろっ骨をどの程度感じられましたか?
A. ろっ骨の凹凸が、最後まで感じられる
→標準体型
B. かろうじてろっ骨を感じられる
→ぽっちゃり体型
C. ろっ骨?なにそれ、どこにあるの?
→肥満体型
チェック2「腰のくびれ」
つづいては、猫が立っているときに真上から体型を見てみましょう。ウエスト部分のくびれがどの程度あるかをチェック!
A. くびれの位置がなんとなくでも分かる
→標準体型
B. くびれの位置が分からない
→ぽっちゃり体型
C. ウエストがふくらんでいる
→肥満体型
チェック3「お腹」
最後は、猫が立っているところを、真横から見てみましょう。お腹のふくらみはありますか?触ってみたとき、張りのないふくらみなら皮膚がたれているだけなので、肥満ではありません。
A. お腹のラインが床とほぼ平行
→標準体型
B. 下腹部がポッコリ!少しのふくらみ
→ぽっちゃり体型
C. お腹全体が大きく膨らんでいる
→肥満体型
以上3つのチェックを行い、A〜Cの中で一番多かった指標が愛猫の体型の目安です。肥満ではなかったとしても、安心しないで。長い目で見た猫の健康維持には、飼い主さんの協力が必要なのです。
【体験談】小分けの食事と運動でー2.7kg達成!
最後に、愛猫のダイエットに成功した実例をみてみましょう。これは、ダイエットが必要だと獣医師から告げられた猫のお話です。それまで食べられるだけ与えていたフードが災いし、とうとう獣医師から「ダイエットしなさい」と宣告が。その場でダイエットプログラムを提案してもらった飼い主さんは、愛猫のダイエット生活を始めることにしました。
まずは、フード量の見直しから。1日分の量をきちんと計測し、それを「起床後」「出勤前」「帰宅後」「就寝前」の4回に分けて与えます。毎日計測して4回分に分けることは大変なので、時間があるときに1回分ずつラップに包み、密封袋でフードを管理したそうです。
そして、運動も欠かせません。先述したように、猫タワーの上にフード皿を置くことで上下運動をさせ、1粒ずつフードを転がして愛猫に追いかけさせるという運動もしました。飼い主さんと一緒に遊ぶことでストレスも解消し、猫の空腹感もまぎれる的確な方法ですね。
こうした日々を送るうち、なんと5年間でー2.7㎏のダイエットに成功!地道な取り組みですが、毎日の過ごし方ひとつで愛猫の健康を守ることができるのです。
ぽっちゃり猫も肥満体型の猫も、標準体型に戻すことは健康寿命を延ばすことにもつながります。愛猫のダイエットを考えている飼い主さん、まずは、フードの種類を低カロリーのものに替えることから始めてみてはいかがでしょうか。
しかし急激な減量は猫にとっては危険なため、かかりつけの獣医師と相談しながらおこなうことをおすすめします。
豊富なラインナップの中から、猫ちゃんにぴったりのフードを探してみませんか?ロイヤルカナンのwebサイトでは、ダイエットにも効果的な食事やフードなどについても相談できます。詳しくは
ロイヤルカナン公式サイトをご覧ください!
参考/『ねこのきもち』2016年11月号「最新のニューヨーク式“太らせない”秘策も 成功する猫ダイエット」(監修:山本宗伸先生)
『ねこのきもち』WEB MAGAZINE「-2.7㎏のダイエットに成功した猫!」
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/紺道ゆあん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。