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【獣医師監修】猫の性別ごとの性格や特有の病気などの違い比較!(メス猫編)

猫のオスとメスは、よく観察すると見た目だけでなく、性格や行動にも違いがあります。今回は、オスとメスの違いとともに、メスが満足するポイントや外見、性格、かかりやすい病気、育成費用など、メス猫(未避妊)について詳しく解説していきます。

近江 幸太 先生

 獣医師
 横浜戸塚プリモ動物病院副院長

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 麻布大学内科専科研修修了

●資格:獣医師

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/血液内科/消化器内科

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メスの見た目は華奢で小さい

ねこのきもち投稿写真ギャラリー
オスよりもケンカの機会が少ないメスは、相手に対して優位に立つ必要がありません。そのため、体はオスよりも小さくほっそりとしています。

顔は小顔でシュッとしている

オスは性ホルモンの影響で、顔の骨格が発達しており大きく見えます。一方、メスはシュッとした小顔。小さい顔でも目の大きさはオスと同じなので、大きくパッチリとした印象の目になります。メスのかわいさの特徴ですね。

体は小さくほっそりエレガント!

相手を威圧することの多い筋肉質なオスとは違い、メスはほっそりとした、しなやかな体つき。そして、性ホルモンの影響で脂肪が付きやすいため、さわるとやわらかく、モッチリとした感触をしています。全体的に丸みを帯びたスタイルのメスは、エレガントな気品を漂わせます。

細くて華奢な足

オスのようにがっしりした体を支える必要がないメスの足は、細くて華奢です。長く見える足は、しなやかな動きをして優雅な印象を与えます。

メスは好奇心より警戒心が強い性格

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メスは好奇心より警戒心が勝る

本能的に子猫を守ろうとするメスは、オスよりも警戒心が強いといえます。自分の生活している空間に知らないものが入ると、安全だと確認するまで近づこうとはしないでしょう。猫ベッドや爪とぎ器、おもちゃなどを新しいものに変えるときは、時間をかけて慣れさせてあげてください。

さらに危険を察知する能力も高いので、来客や大きな音などの「いつもと違う」といった変化にも敏感です。とっさに身を隠せる屋根付きのベッドなど、隠れ家スペースを用意してあげると安心します。

静かに過ごすことが好き

広いテリトリーを持たないメスは、パトロール時間も短くなります。そして、オスよりも筋肉が発達していないため、静かに過ごす時間が長いでしょう。もしじっとしている姿を見かけたら、大きな音を立てずにそっと歩いてあげてください。

メスが満足する3つのポイント!

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1. しっぽの付け根をポンポン

しっぽの付け根を優しくポンポンとタッチすると、メスはうっとりした表情に。気持ちよさそうにお尻をあげるメスもいます。喜ぶ詳しい理由はわかっていませんが、しっぽの付け根には生殖器などにつながる神経が通っているため、そこに刺激を与えると気持ちよくなるのだと考えられています。猫によっては「痛い」と感じることもあるので、様子をみながら軽く叩いてあげましょう。

2.こまめなブラッシング

「ねこのきもち」で行った読者アンケートによると、「メスはオスよりも毛づくろいが好き」という傾向が見てとれました。出産や子育てをするメスは、健康管理を大切にします。そのため、血行を促し、体を清潔にする毛づくろいに時間をかけるのでしょう。

ブラッシングには毛づくろいと同じような効果があるので、メス猫は毛の流れに沿ってブラッシングしてあげると喜びます。しかし、やり過ぎはストレスになることも。メスはマイペースなので、自分のペースを乱されるとストレスを感じます。「しつこい」と感じさせる前に切り上げるようにしましょう。

3.フードは小分けに!

オスと比べて活動量が少ないメスは、食べる量も少なめ。マイペースなメスは、オスよりも食に対して貪欲でないこともあり、小食気味です。1回分のフード量を少なくして、与える回数を増やしましょう。食事時間を決めて、胃を休める時間を作ることも大切です。

メスがかかりやすい病気は乳腺腫瘍と子宮蓄膿症

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メスがかかりやすいのは、生殖器や乳腺など、メス特有の器官に発症する病気です。特に注意が必要なのは「乳腺腫瘍」と「子宮蓄膿症」です。

乳腺腫瘍

胸からお腹にかけての「乳腺」に腫瘍が発生する病気です。原因は明確には解明されていませんが、避妊手術を行っていないメスの発生率が高いため、ホルモンの影響があると考えられています。他の場所に転移しやすく、ほとんどの場合が悪性の腫瘍なので、肺やリンパに転移してしまうと命に関わります。

子宮蓄膿症

子宮の内部に細菌が入り感染することで、炎症がおきて膿がたまる病気です。発情期後の免疫力が低下する時期に起こることが多く、腎臓病を併発することもあります。避妊手術をしていないメスがかかりやすく、病気を発症した場合は、外科手術によって膿のたまった子宮と卵巣を摘出する必要があります。放置されたり、高齢の場合や体が弱っているときは命に関わることもあります。

育成費用の違いは「避妊手術」。発情期はどうなる?

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オスとメスの育成費用の大きな違いは「去勢・避妊手術」費用でしょう。では、避妊手術を受けるとメスはどうなるのでしょうか?

発情期はなくなる!避妊手術を受けるメリット

メスの場合、避妊手術を受けると乳腺や生殖器の病気の予防になります。特に卵巣と子宮の両方を取る手術を受けると、生殖器の病気リスクはなくなります。そして、暖かい時期になっても発情しないため、大声で鳴くことや脱走などの性衝動からくるトラブルやストレスが軽減されます。

避妊手術のタイミング

1歳になる前に手術を受けると、メス特有の病気の予防につながるのでベストです。生後5ヶ月ごろが目安になります。

避妊手術の費用

健康状態や動物病院によっても違いますが、だいたい2~4万円以上が相場です。
メスは自分のペースを大切にする傾向があります。メスの行動をみた飼い主さんは「気まぐれ」だと感じることが多いのではないでしょうか?その特性こそが、メスの魅力なのかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」2016年7月号『性格や行動は、性別で違うから…オスメス別 猫が大満足する7つのこと』
   「ねこのきもち」2017年5月号『術後の“?”もスッキリ!去勢・避妊手術のすべて』
監修/近江幸太先生(横浜戸塚プリモ動物病院副院長)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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