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室内や布団にマーキングされた! その理由と対処法は?

猫の困りごとの上位にランクされるのが、オシッコによるマーキング。去勢していないオスに多く見られる行動ですが、実は去勢したオスや、メスもすることがあるのだとか。ここではそんな猫のマーキングの原因と対処法を解説していきます。

猫のお尻

オシッコを吹きかける「スプレー行動」

通常、猫は腰を下ろしてオシッコをしますが、ほかの猫から縄張りを守ろうとする、交配相手に自分をアピールする、不安を解消するための転移行動として自分のニオイを付けるなどの「マーキング」を行うときは、立ったままの姿勢で行います。

このマーキングによる「スプレー行動」は腰を高く保って、通常よりニオイの強いオシッコを吹きかけるのが特徴です。これを行うのは、自分の縄張りの中でも、狩りを行う場所でするのが一般的。木や草むらなどに行い、これをほかの猫が嗅ぐと、スプレーをした猫の年齢や性別、健康状態やけんかの強さまで分かるといわれています。

スプレー行動への対処方法は?

原因が発情に関係する「スプレー行動」の場合、去勢手術や避妊手術を行うことで1年以内に収まるといわれています。また、手術によって精神的に落ち着く作用もあるので、完全とは言えませんが、不満で行うマーキングや同居猫に対する気持ちが原因となるマーキングにも効果があるとされています。
住環境の急激な変化が原因とされる場合は、猫のニオイがついたものをそばに置くなどして対応をしましょう。同居猫との仲が悪い場合には、生活スペースを分けるなどの対策が有効とされています。
そのほか、トイレが汚かったり、何らかのストレスと感じていることがスプレー行動の理由である場合もあります。トイレを毎回きれいにしてあげたり、ストレスの原因を取り除いたり、ストレスの原因からなるべく猫を遠ざけてあげることが対処法になります。

布団へのオシッコ攻撃を防ぐ3つの方法

オシッコによるマーキングをされて、一番困るのは布団なのではないでしょうか。
まず猫を寝室に入れないようにできれば、それが解決への近道に。物理的に布団に接触できないようにするわけです。とはいえ住環境によってはそれが難しいこともありますよね。そんなときには布団を洗えるものに替えて、しっかりオシッコのニオイを洗い落とすようにしましょう。オシッコのニオイが残っていると、猫は同じ場所にマーキングしがちです。さらに、犬猫よけのスプレーを布団やそのまわりに使用して、猫が近づかないようにするという方法もあります。

こういった「マーキングされない」ための環境づくりと、発情やストレスといった猫がマーキングする理由を突き止めて行う解決法の両方向から対策をするとよいでしょう。

なぜ室内でする? なぜメスもする?

本来狩りの場で自分の存在をアピールするスプレー行動を、室内で行うのは、発情期が関係していることが多いです。未去勢のオスの場合、発情したメス猫の存在により性衝動が起こり、部屋の中でもくさいオシッコを吹きかけてメスに自分の存在をアピールしようとしているのです。

またメスが行う場合は、おもに避妊手術をしていない場合です。その場合、発情期になると悩ましい声で鳴いてオスにアピールしますが、その一環としてスプレー行動を行うこともあるのです。

ほかにも「こんな気持ち」でマーキングすることも

引っ越したときや寝具を替えたときなど、住環境に急激な変化があって、自分のニオイが付いていないものがなくて落ち着かないときに、不満を表すためにオシッコをかけ、ニオイを付けるマーキングを行うことがあります。

また、仲の悪い同居猫がいるときも、自分のほうが優位だと主張するために、トイレ以外の場所でオシッコをしてマーキングを行う場合があります。

オシッコ以外にもあるマーキングの行動

猫には、オシッコを吹きかける以外にもマーキング行動を行っています。そんなマーキング行動2種類を紹介します。

「顔のこすりつけ」でマーキング

猫の額や頬、唇の角などには分泌腺が豊富に分布していて、ここをこすりつけることでフェロモンを付着させています。成猫であれば全ての猫が行っている行動で、「ここは自分の場所」だということをしるすために、家具や飼い主さんの足などに自分のニオイ(フェロモン)をこすりつけているのです。このニオイ(フェロモン)には、猫自身を落ち着かせる効果があるといわれています。

このマーキング自体は、とくに飼い主さんが困る行動ではないので、やめさせる必要はありません。ただ、よく柱や壁に行うことがあるので、猫の皮脂が度重なってこすりつけられて、柱や壁が黒ずんで変色してくることがあります。これらはホームセンターなどで販売されている家具の汚れ落とし用消しゴムで落とすことができます。
マーキングする猫

「爪とぎ」でマーキング

家具や壁、猫専用の爪とぎをガリガリひっかく爪とぎ。爪を研いで鋭く保つ意味以外にも、マーキングの意味があります。猫の肉球に分布する皮脂腺は、フェロモンを分泌する働きがあります。爪を研ぐと同時に肉球をこすりつけることで、自分のニオイ(フェロモン)を付着させているのです。

爪とぎは猫の本能なので、やめさせることはできません。とはいえ家具や壁、柱をガリガリされるのは飼い主さんにとって困ったところ。爪を研ぐ場所を用意して、被害を減らしましょう。猫によって好みがあるので、紙製、木製、段ボール製など異なる素材の爪とぎををさまざまな場所に置いてみて、いろいろ試してみるとよいでしょう。
爪とぎする猫

まとめ

本能に基づく猫の行動は、なかなかコントロールが難しいものですが、オシッコをそこらじゅうにされるマーキングは、飼い主さんとしてはぜひやめさせたいところ。去勢や避妊手術をすることでスプレー行動は減ることが報告されていますが、それ以外の理由でマーキングを行う場合も。マーキングの問題が解決できれば、愛猫ともっと楽しく暮らしていけるはずです。

監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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