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【獣医師監修】猫にヨーグルトを与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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猫に無糖・無脂肪のヨーグルトを少し与えるくらいなら問題ないですが、場合によってはリスクとなることもあります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きで整腸作用が期待できる一方で、乳糖不耐症や食物アレルギーを起こす恐れがあるほか、過剰摂取による尿路結石症や肥満などにも注意が必要です。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

猫にヨーグルトを与えるときは乳糖不耐症などに要注意

ヨーグルトをなめる猫
Chalabala/gettyimages

ヨーグルトには乳酸菌やカルシウムなどが含まれていて、猫に与えれば腸内環境が整ったり、骨や歯の健康が維持できたりとさまざまな効果が期待できます。

一方で、猫が食べることによるリスクもあります。牛乳を原料として作られるヨーグルトには牛乳由来の乳糖が含まれていますが、ほとんどの猫は乳糖の代謝能力が低く、乳糖不耐症により下痢などの症状が現れることがあり注意が必要です。またヨーグルトにはタンパク質が含まれているので、食物アレルギーを起こす恐れもあります。さらに、過剰摂取による尿路結石症や肥満のリスクがあることも覚えておかなければなりません。

猫に与えてもよいヨーグルトの種類も限定されます。人間用であれば、加糖や味つけされていない無糖・無脂肪タイプのプレーンヨーグルトが適していますが、乳糖不耐症のリスクがあることに変わりはありません。できれば猫専用に作られた猫用ヨーグルトを与えたほうが安心でしょう。

ヨーグルトのおもな栄養素|水分が多く、三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)とミネラルも含まれる

お散歩中に空を見上げる猫(ミックス)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ヨーグルト(低脂肪無糖)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー40kal
水分89.2g
タンパク質3.7g
脂質1.0g
炭水化物5.2g
灰分(無機質)0.8g


ヨーグルト(無脂肪無糖)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー37kal
水分89.1g
タンパク質4.0g
脂質0.3g
炭水化物5.7g
灰分(無機質)0.8g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

猫がヨーグルトを食べるメリット|乳酸菌、カルシウム、ビタミンを摂取できる

眠たげなペルシャ(チンチラシルバー)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ヨーグルトに含まれる栄養素のうち、猫にとってメリットのある栄養素とその効果を確認しましょう。

乳酸菌|便秘の改善と口腔内の健康に役立つ

ヨーグルトには乳酸機が豊富に含まれています。乳酸菌には腸内の善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を整え、便秘を改善する効果のほか、免疫機能の向上・維持が期待できます。また、一部の製品に含まれているロイテリ菌や乳酸菌LS1などには、口腔内の環境を整える働きがあるともいわれています。

乳酸カルシウム|歯や骨の健康をサポート

牛乳から作られるヨーグルトには牛乳由来のカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは猫にとって大事な栄養素のひとつで、リンとともに歯や骨の健康を維持する働きがあります。なお、カルシウムは乳酸と結びつくと乳酸カルシウムとなって腸から吸収されやすくなるため、人間の場合は牛乳よりもヨーグルトを摂取したほうがカルシウムを効率的に吸収できるといわれていて、猫の場合でも同様であると考えられます。

ビタミン|眼や皮膚、被毛の健康、神経系機能の正常化、脂質の代謝などに役立つ

ヨーグルトには、ビタミンAやB1、B2なども含まれています。脂に溶けやすい脂溶性ビタミンに分類されるビタミンAには、猫の眼や皮膚、被毛の健康をサポートする働きがあります。

また、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB1、B2のうち、B1には、神経系の機能を正常に保つ働きがあり、B2には皮膚や被毛の健康を保つほか、脂質の代謝にも役立つといわれています。いずれも猫は体内で生成できないため、食事から摂取する必要がありますが、総合栄養食を主食としている場合、ビタミン不足は心配しなくてもよいでしょう。

猫がヨーグルトを食べると腎不全が治るって本当?

ネット上の掲示板などで、「ヨーグルトを食べると腎不全が治る」などとまことしやかに書かれていることがありますが、実際はそのような科学的根拠やなく研究論文などもありません。腎不全の猫にミネラル分を含むヨーグルトを与えるとリスクになることもあるため、与える場合には事前にかかりつけの先生に相談しましょう。

猫がヨーグルトを食べるデメリット|乳糖不耐症や肥満、食物アレルギーに注意

野性味あふれる2匹の猫(ミックス)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ヨーグルトに含まれる成分により、猫の健康が損なわれることもあります。以下のようなリスクがあることを、覚えておくとよいでしょう。

乳糖(ラクトース)|乳糖不耐症に注意

ヨーグルトには牛乳由来の乳糖が含まれていますが、多くの猫は乳糖を分解するのに必要な酵素ラクターゼを十分に持っていないので、スムーズに分解できません。そのため、下痢や腹痛など乳糖不耐症の症状を引き起こすことがあります。

一般的に、母乳を飲んで育つ子猫時代はラクターゼが多く分泌されますが、生まれながらに乳糖不耐症の猫もいるため、子猫でも注意が必要です。また、成長に伴ってラクターゼの分泌量が減っていくため、ほとんどの猫が乳糖不耐症であるといわれています。


「ヨーグルトは、原料の牛乳に乳酸菌を加えて発酵させることで乳糖が分解されるから大丈夫」という情報もありますが、実際に減少するのは、牛乳に含まれる乳糖の2~4割程度のようです。牛乳と比較すると乳糖不耐症の症状が出にくいといわれていますが、リスクがゼロではないので、胃腸が弱い猫には与えないほうがよいでしょう。とくに子猫が下痢をすると重症化することもあるので、人間用のヨーグルトは与えないほうが安心です。

脂肪|与えすぎによる肥満に注意

脂肪は、動物性の飽和脂肪酸と植物性の不飽和脂肪酸に大別されますが、このうちの飽和脂肪酸を摂りすぎると、肥満につながることがあります。一般的にヨーグルトには飽和脂肪酸が多く含まれているため、与えすぎには注意が必要です。高脂血症や脂肪肝などのリスクも高まるため、肥満の猫には与えないほうがよいでしょう。

カルシウム|過剰摂取により尿路結石症のリスクあり

ヨーグルトはカルシウム含有量が多い食べ物ですが、猫がカルシウムを過剰摂取すると、シュウ酸と結合してシュウ酸カルシウム結石を形成する恐れがあります。尿路結石症を患っている猫の場合は注意が必要です。

食物アレルギー|下痢や嘔吐、皮膚炎などが現れることも

ヨーグルトに含まれているタンパク質により、まれに食物アレルギーを起こす猫もいます。猫が初めてヨーグルトを口にする場合は、まずはほんの少し与えてみて、下痢や嘔吐、皮膚炎などのアレルギー反応が出ないか、しばらく様子を見るようにしてください。

猫にヨーグルトを与えるときの注意ポイント|人間用なら無糖・無脂肪を推奨!猫用ヨーグルトもおすすめ

かわいいお手々のマンチカン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫にヨーグルトを与える際の注意ポイントを確認しましょう。

与えてよい種類

猫に人間用のヨーグルトを与える場合は、無糖かつ無脂肪のプレーンタイプがよいでしょう。無糖低脂肪タイプを与えても構いませんが、無脂肪よりも脂肪が多いので、与える量に気をつける必要があります。当然ながら、砂糖やフルーツなどが入っているものは、猫の健康に害を及ぼすため与えてないようにしましょう。

なお、無糖・無脂肪のプレーンタイプでも、乳糖不耐症の猫にとってはリスクになることもあるため、猫専用に作られた猫用ヨーグルトを与えることをおすすめします。

与えるときの適量

猫にヨーグルトを与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、猫の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。

ヨーグルト(低脂肪無糖)

猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg60g~70g(約3/20~7/40パック)


ヨーグルト(無脂肪無糖)

猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg64g~76g(約8/50~19/100パック)

※数値は、避妊・去勢済みの猫で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出
※ヨーグルト1パック400gで算出。大さじ1杯15gで計算すると、およそ4~5杯が摂取目安となります。

与え方

猫にヨーグルトを与える際は、食前より食後がおすすめです。食前に与えてしまうと、通常のフードを食べなくなることがあるため、とくにヨーグルトが好きな猫の場合は与える順番に気をつけましょう。

また乳糖不耐症や食物アレルギーの対策として、まずはほんの少し与えてみて、下痢などの症状が出ないかしばらく様子を見ることが大事です。なんらかの症状が現れた場合は、ヨーグルトを与えるのをやめましょう。なお、過去に与えて問題がなかったとしても、突然症状が現れることもあるので注意が必要です。

猫にヨーグルトを与える場合は猫用がおすすめ

猫が人間用の無糖無脂肪または無糖低脂肪のヨーグルトをたまに少し食べるくらいなら問題ありませんが、乳糖不耐症や食物アレルギーの猫では少量でも下痢などの症状が現れることがあり注意が必要です。人間用のヨーグルトにはリスクもあるため、愛猫がほしがる場合は、猫用ヨーグルトを与えたほうが安心でしょう。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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