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【獣医師監修】猫にチーズはNG。食べてしまったときの症状と対処方法

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猫にチーズやチーズ加工品を与えてはいけません。人間用のチーズには、塩分を筆頭に猫の体内で分解されにくい成分が多く含まれています。それを猫が食べると、腎臓に負担がかかって泌尿器系の病気につながる場合があり注意が必要です。猫に与えるなら、猫用チーズを選びましょう。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

猫はチーズを食べてはいけない。命の危険あり

スライスチーズとバジルとトマト
Almaje/gettyimages

猫に人間用のチーズを与えてはいけません。チーズには、タンパク質をはじめ猫にとってメリットのある栄養素も含まれていますが、塩分量が多く高カロリーなうえ、猫の体内で分解されにくい成分も含まれています。誤って食べたとしても直ちに命の危機につながるわけではありませんが、体に不調をきたしやすいので、猫に人間用のチーズは与えないようしましょう。

なお、チーズには、モッツァレラチーズや6Pチーズ(プロセスチーズ)などいろいろな種類がありますが、どんなタイプのチーズでもNGです。もちろん、チーズケーキやチーズ鱈などのチーズ加工品も与えてはいけません。

猫はチーズを食べてはいけない理由|カロリーが高く、体内で分解されにくい栄養素を含む

眠そうなアメリカンカール
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が人間用のチーズを食べてはいけない理由をひとつずつ見ていきましょう。

乳糖|分解酵素を持たないため消化管に不調をきたす恐れあり

チーズなどの乳製品は「生乳」を原料に作られます。生乳とは、殺菌などの処理を施していない搾ったままの牛の乳のこと。加熱・殺菌処理したものが市販されている牛乳となります。生乳には「乳糖(ラクトース)」と呼ばれる糖分が含まれているのが特徴で、牛乳と比べれば少ないものの、生乳から作られるチーズにもこの成分が含まれています。

乳糖は、哺乳類の小腸などに存在する「ラクターゼ」という酵素によって、ブドウ糖(グルクトース)とガラクトースに分解され、ブドウ糖はエネルギー源に、大腸に運ばれたガラクトースは善玉菌のエサになって役立ちます。

しかし肉食動物である猫の体内には、乳糖の分解酵素であるラクターゼがほとんどありません。授乳中の子猫の時期には体内に多く存在して機能していますが、成長にともなって減少していくといわれています。そのため成猫が乳糖を摂取すると、体内でうまく分解されずに消化器官に不調をきたし、下痢や軟便になることがあります。これを「乳糖不耐症」といいます(人でも牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう人がいますよね? これも同じ乳糖不耐症です)。

体質によっては微量でも消化不良を起こすことがあるため、成猫は当然ながら、子猫にも与えないほうが安心です。

塩分|過剰摂取により心臓・腎臓に負担がかかる

人間用のチーズには、塩分(ナトリウム)量の高いものがたくさんあります。減塩タイプのチーズでも、猫にとっては塩分過多になることがあるので与えるのは危険です。

猫が塩分を過剰に摂取すると、体内の電解質のバランスが崩れて、心臓や腎臓に負担がかかる恐れがあります。たとえ摂取量が少量だとしても、日常的に繰り返し与えることで体に悪影響を及ぼし、寿命を縮めてしまうことにもなりかねないため非常に注意が必要です。

なお、市販されている猫用チーズは塩分が調整されていますが、無塩タイプはほとんど見かけません。そのため、とくにナトリウムの摂取量が制限されている心臓病や腎臓病の猫には、猫用チーズであっても与えないようにしてください。

脂肪|カロリー過多で肥満・糖尿病の原因になることも

チーズには脂肪分が多く含まれていて、比較的カロリーは高めです。高脂肪・高カロリーのチーズを猫に与えると、カロリーオーバーになりやすく、肥満の原因になったり糖尿病を発症したりする恐れがあります。脂肪分が抑えられている猫用チーズでも、与えすぎればカロリーオーバーになるので注意してください。

食物アレルギー

乳製品であるチーズには生乳由来のタンパク質が含まれているので、猫によっては乳アレルギーを起こすことがあります。嘔吐や下痢、体のかゆみなどのアレルギー反応が現れることもあるため注意しましょう。

なお、健康な猫に猫用チーズを初めて与える場合は、まずは少量を与えてみてアレルギー反応が出ないか様子を見てください。

危険な量の目安

チーズの種類によってカロリーや塩分量が異なるため、一概には危険な量を語ることはできません。そのため、少量でも与えないほうがよいでしょう。とくに消化器官が未発達の子猫や、消化器官が弱ってきている老猫には絶対に与えないでください。

猫がチーズを食べたときに見られる症状|下痢や嘔吐などに注意

オシャレなアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が人間用のチーズを食べてしまうとどんな症状が現れるのか確認しましょう。

中毒・アレルギーが考えられる症状

猫がチーズを食べて中毒やアレルギーを起こすと、以下のような症状が現れます。


  • 下痢や嘔吐

  • 全身のかゆみ

  • 体をかいたことによる、ひっかき傷や脱毛

  • 発熱


猫がチーズを食べてすぐにショック症状を起こしたり死亡したりすることは少ないものの、年齢や体重、体調によって、現れる症状や症状の度合いが異なります。しばらく様子を見てこのような症状が現れた場合は、動物病院を受診しましょう。

猫がチーズを食べてしまった場合の対処方法

なにかが気になるジャパニーズ・ボブテイル
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫がチーズを誤飲してしまった場合の対処方法と、病院での治療方法を確認しましょう。

異常が見られる場合は病院へ

健康な猫がチーズを誤って食べたとしても、すぐに重篤な症状が出たり、命を落としたりすることは少ないようです。とはいえ、猫の年齢や体重、その日の体調によっても危険度は異なります。万が一誤飲した場合は、しばらく猫の体調や便の状態などに気を配り、嘔吐や下痢などの異常が見られる場合は速やかに病院へ連れていきましょう。

ただし、アレルギーを持つ猫や糖尿病の猫、心臓や腎臓に疾患のある猫がチーズを食べた場合は、命に関わることもあるため、迷わず獣医師に相談してください。

病院での治療方法

病院ではまず問診を行い、検便、採血などで不調の原因を探ります。

◆問診
獣医師による問診時には、愛猫に現れている症状を細かく説明するとともに、愛猫がチーズをどのくらい食べたのか、いつごろ食べたのかといった誤飲時の様子も伝えてください。
下痢の症状がある場合は、便を持参すると原因究明に役立つ場合があります。

◆治療
問診や採血の結果に従い、猫の症状に合わせた治療が行われます。抗生剤を注射したり、整腸剤や抗生剤などが処方されたりと、薬による治療が行われます。なお、重篤な症状が見られる場合は入院するケースもあります。

猫のチーズ誤飲を防ぐ方法

気持ちよさそうにぐっすり眠るサイベリアン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

前述のとおり、チーズの種類によってはカロリーや塩分量が少ないものもありますが、モッツァレラチーズや6Pチーズ(プロセスチーズ)といったチーズは、あくまで人間用に加工された食品です。猫が食べると不調をきたす恐れがあるため、むやみに与えないようにしましょう。当然ながら、チーズケーキやチーズ鱈のようなチーズ加工製品も与えてはいけません。

また、猫の誤飲を防ぐための対策をとることも大事です。チーズ・チーズ加工製品を猫の手の届くところには置かない、人間が食べるときに床などに落とさない、家族全員がチーズの危険性を把握しておくなど、愛猫を守るために細心の注意を払ってください。

チーズを与えたいなら、猫用チーズを

じっと見つめるアメリカンショートヘアの子猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫にどうしてもチーズを与えたい場合は、乳糖や塩分を調整されている猫用チーズを選びましょう。猫用チーズには、おもに以下のような栄養素が含まれています。ただし、心臓病や腎臓病の猫に与えるのは禁物です。

エネルギー源となるタンパク質が豊富

チーズには良質なタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質には、免疫を機能させたり、筋肉を作ったり、毛並みをよくするといった働きがあり、猫の体を作るとともに健康維持にも役立っています。

タンパク質は肉食動物である猫にとっての大切なエネルギー源です。たくさんのエネルギーを必要とする成長期の猫や妊娠中の猫に猫用チーズを与えれば、効率的にタンパク質を摂取させることができるでしょう。

ビタミンA・Dを摂取できる

チーズには、猫にとって大切な栄養素であるビタミンAやビタミンDが含まれています。ビタミンAには猫の皮膚や被毛、眼などの成長を促す働きがあり、一方のビタミンDには、カルシウムの吸収を助けて骨や歯が作られるのをサポートする働きがあります。いずれも猫は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。

猫に人間用のチーズを与えてはダメ

人間用のチーズには猫の体内で分解されにくい乳糖のほか、塩分や脂肪分も多く含まれているので、愛猫に与えてはいけません。塩分の過剰摂取で心臓や腎臓に負担がかかったり、カロリーオーバーで肥満や糖尿病になったりと、さまざまな不調の原因になることがあり危険です。とくに心臓病や腎臓病の猫では命にかかわることもあるため、猫用のチーズでも与えないでください。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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