猫に服を着せている写真を見たことはありませんか? 服のデザインによって猫のかわいさが増したり、面白かったりするので人気の写真でもありますが、猫に服を着せるのは問題ないのでしょうか? メリット・デメリットや手作り方法、かわいい写真も一緒にご紹介します。
猫の服|術後のケア・寒さ対策のメリット
術後服として
避妊・去勢手術や、ケガの治療で“エリザベスカラー”を装着することがありますが、これを嫌がる猫は多いでしょう。エリザベスカラーは、患部をなめたり引っかいたりさせないよう保護するためのものですが、首回りの違和感や、行動が制限されるのでストレスになることも。視野が狭くなり歩きづらくなる、そして食事をしにくくなるといった不自由さもあります。
そこで、エリザベスカラーが苦手な猫に、代わりとして服を着せることがあります。体に布が当たる違和感はありますが、慣れてしまえばエリザベスカラーより不自由は感じないのかもしれません。しっかり患部が隠れ、排せつするときも汚れないデザインなら術後服として活躍するでしょう。
寒さ・乾燥対策
猫は寒さを感じると、体を丸め空気にあたる面積を少なくしたり、被毛に空気を入れたりして暖かさを保ちますが、高齢の猫や病気などで体力がない猫は、上手く体温調節ができないこともあります。そんなときは、例外的に服を着せてあげていい場合もあります。冬に服を着せることで、保温だけでなく乾燥から皮膚を守る効果も期待できます。
猫の服|ストレスなどのデメリット
ストレス
猫は毛をなめて体を清潔に保ちます。その行為をグルーミングとよび、体温調節の役割も担っています。他にも、皮膚炎の予防や血行促進、気持ちをリラックスさせる効果もあり、グルーミングは猫にとって大切な行為です。
しかし、服を着せてしまうとそれができなくなり、ストレスになってしまうことがあります。まれに、服の上からペロペロとなめる猫もいますが、本来のグルーミング効果は得られません。
服をやぶる
服の上からグルーミングすることで、服地の繊維をなめとってしまうことがあります。また、グルーミングができない不自由さから、服をやぶったり噛みちぎったりすることもあります。ボタンなどの飾りが付いている服だと、誤飲の危険もあるので注意が必要です。
行動時に注意
キャットタワーで上下運動しているときや、猫同士でじゃれ合っているときに服が引っ掛かってしまう場合があります。すぐに外れれば危険はありませんが、動けなくなったり大きなケガにつながってしまう恐れがあります。
猫の服|着せているときの注意ポイント
猫に服を着せることは、上記のようにメリットもデメリットもあります。そこで、メリットを最大限生かせるように、例外的に服を着せるときの注意ポイントをあげていきます。それぞれの項目を守って、安全に服を着せてみてはいかがでしょうか?
無理やり着せない
着せるときに暴れるようであれば、無理やり着せないほうがよいでしょう。着せた後も、長時間にわたり脱ごうとしたりパニックになったりしたら、すぐに脱がせましょう。また、手術後に術後服として着せる場合も、すごく嫌がるようなら、諦めてエリザベスカラーにした方がいいかもしれません。
厚手の服は短時間
寒さ対策で服を着せる場合は、暖房で部屋が温まるまで等の短時間の着用に留めましょう。長時間着せておくと、熱中症になる恐れがあります。
基本は人が見ているときのみの着用
事故が起こってもすぐに対処できるように、人が居るときのみの着用にしましょう。
術後服なら家にあるもので手作りを!
タイツを切るだけ
デニール数の高いタイツなら、破けることもなく術後着として役立つでしょう。伸縮性のあるレッグウォーマーや靴下でもリメイクできます。
1.猫の首からお尻までの長さをはかり、タイツの足部分をカットします。
2.足の位置を確認し、前足を出す穴を2つ・後足を出す穴を2つ、丸く切り取ります。
3.実際に着せてみて微調整すればOKです。
古いTシャツをリメイク
大きめの猫は、Tシャツをリメイクしたものがいいでしょう。基本的な構造はタイツの場合と同じですが、こちらは少し複雑になります。
1.猫の首からお尻までの長さをはかり、その長さにTシャツの胴から下部分をカットします。
2.足の位置を確認し、前足を出す穴を2つ・後足を出す穴を2つ、丸く切り取ります。
3.排せつ物で汚れないように、お尻に被っている部分をアーチ状にカットします。
4.首の部分はひもを通して結べるように、背中の部分はマジックテープなどで留められるようにしましょう。
5.実際に着せてみて微調整すればOKです。
術後着に問題があると動かなくなることも
術後服を着ることで猫が動かなくなるのには、次のようなことが考えられます。
・ゆとりがなく足が動かしにくい場合や、動くと傷がすれて痛い場合
・サイズが大きすぎて動きにくい
・服がこすれる音や飾りが不快
私たちも、きつすぎる服や大きすぎる服は動きにくいですよね。猫も同じようにサイズが合わないと、不快感が増します。その他にも、静電気が起きやすい素材や暑くなりやすい素材は避けたほうが無難です。
写真を撮る時間だけなら許してくれる?
特別な記念日や良いことがあった日などは、写真を撮っておきたいもの。嫌がらない猫の場合、服を着てもらって撮影している人もいました。愛猫はどんな服が似合うのか?そんな想像をしながら、お楽しみください♪
ハレの日にはバッチリおめかし♡
誕生日や記念日など、お祝いの日にはおめかしして写真をパチリ!とってもかわいく写っています♡
前足を入れるタイプのコスプレ衣装
このタイプはいろいろな種類があり、ハロウィンの衣装としても人気があります。飼い主さんとお揃いのコスプレも楽しめそうですね。
あれ?ウサギ?
寒いときにはちゃんちゃんこ
寒いときにピッタリの服です。ピンク色がかわいさを引き立てています。
服を着せ続けていると体温調節がうまくいかなくなることもあります。必要がなければ、服を着せるのはできるだけ避けたほうがいいでしょう。写真を撮るときは、おやつなどで気をそらしながら撮るとうまくいきますよ!
監修/芝崎考次郎先生(相模大野プリモ動物病院副院長)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※一部記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。