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【獣医師監修】猫にかぼちゃを与えても大丈夫。かぼちゃを食べるメリットと与え方を解説

猫がかぼちゃを食べても問題ありません。かぼちゃは食物繊維やビタミンなどの栄養素が豊富で、便秘解消などに役立ちます。猫に与える際は、消化不良の原因になる種やワタ、皮を取り除き、加熱した実の部分のみを味付けせずに与えましょう。ただしカロリーが高めなので与えすぎは禁物です。

佐野 忠士 先生

猫は適量ならかぼちゃを食べても大丈夫

新鮮な日本のカボチャ
Wako Megumi/gettyimages
ほくほくとしたおいしいかぼちゃを、「愛猫にも与えたい」と考える飼い主さんもいることでしょう。かぼちゃには猫にとって害となる成分が含まれていないため、基本的には猫に与えても問題ありません。好みにもよりますが、なかにはかぼちゃを喜んで食べる猫もいるようです。

猫がかぼちゃを食べると、さまざまな体にとってのメリットを得ることができます。食物繊維が豊富なので便秘解消に役立つほか、猫が食事から摂るべき必須ビタミンも含まれているため、たまに栄養補給のために食事に混ぜて与えてもよいでしょう。

ただし、かぼちゃはカロリーが高めなので、与えすぎには注意が必要です。また、甘く煮たかぼちゃの煮付けなど、人間用の料理を与えるのもNG。猫に与えるなら、味付けせずにやわらかく煮るか茹でたものを用意してください。

かぼちゃのおもな栄養素|水分や炭水化物が豊富

遠くを見つめるラガマフィン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
かぼちゃ(西洋かぼちゃ/茹で)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー80kal
水分75.7g
タンパク質1.6g
脂質0.3g
炭水化物21.3g
灰分(無機質)1.1g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

猫がかぼちゃを食べるメリット|食物繊維や必須ビタミンを摂取できる

キラキラお目々のねこMIX
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
かぼちゃは栄養豊富な野菜で、猫が食べればさまざまなメリットが得られます。かぼちゃのおもな栄養素とその働きを見ていきましょう。

食物繊維|便秘改善に効果的

かぼちゃには、不溶性と水溶性の食物繊維が含まれています。より含有量が多いのは不溶性食物繊維で、便のかさを増やして腸のぜんどう運動を促し、便通をよくする働きがあるため、便秘の改善に役立つといわれています。

しかし、不溶性食物繊維を過剰に摂取すると、腸内で便が大きくなったり固くなったりして排便しづらくなることもあります。かえって便秘になることもあるため、かぼちゃの与えすぎには注意しましょう。

ビタミンB|ビタミンB1、B2、B6、ナイアシンに注目

かぼちゃは、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群をバランスよく含む野菜です。とくに注目すべきは、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシンの4つ。ビタミンB1は神経系の機能に、ビタミンB2は皮膚や被毛の健康に、ビタミンB6はアミノ酸などの代謝に、ナイアシンは三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質の代謝に役立ちます。猫はいずれも体内で合成できないため食事からの摂取が必要ですが、かぼちゃにはこれらが含まれているので、栄養補給に有用な食材のひとつといえるでしょう。

なお、水溶性ビタミンは水に溶けやく、体外に排出されやすいため、摂取しすぎても問題ないといわれています。むしろ欠乏すると体に不調をきたすこともあるため、定期的に摂取させることが大事です。とはいえ、総合栄養食を与えている場合は、欠乏の心配はないでしょう。

ビタミンC|抗酸化作用が期待できる

かぼちゃにはビタミンCも含まれています。抗酸化作用のあるビタミンCは、加齢や運動による酸化ストレスを抑制するほか関節炎などの予防に役立ちます。

猫はビタミンCを体内で合成できるので、食事から摂らなくてもよいといわれることもありますが、それだけでは足りないとする研究結果もあります。5歳をすぎると合成能力が落ちてくるため、とくにシニア期の猫にとって食事からの摂取は欠かせません。また成長期の猫や病気の猫にも積極的に与える必要があるといわれています。

なお、水溶性ビタミンに分類されるビタミンCは体外に排出されやすい性質を持っているため、欠乏しないように気をつける必要があります。ビタミンCをたくさん摂っても害にはならないため、健康な成猫にも定期的に与えることが推奨されます。

ビタミンE|老化による病気を予防、治療効果にも期待できる

不溶性ビタミンに分類されるビタミンEにも抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージを軽減して病気を予防するほか、治療にも役立つといわれています。とくに、成長期や高齢期、妊娠期、病気の猫には、しっかり補給させることが大事です。

欠乏すると筋力が低下したり、皮膚や免疫系に不調をきたしたりするため、食事から定期的に摂取する必要がありますが、不溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので、愛猫が過剰摂取しないように気をつけましょう。

βカロテン(ビタミンA)の栄養効果は期待できる?|猫はビタミンAの効果を得られない

プロビタミンAともいわれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換されて効果を発揮する栄養素です。人間や犬はβカロテンをビタミンAに変換する酵素を持っているため、かぼちゃからビタミンAの栄養効果を得ることができます。
しかしながら猫は、βカロテンからビタミンAに変換する酵素を持っていません。かぼちゃに含まれるβカロテンにビタミンAの効果を期待することはできないので、ビタミンA自体が含まれている食事から摂取する必要があります。

猫にかぼちゃを与えるときの注意ポイント|味付けはせず、やわらかく加熱してから与えましょう

エクササイズ中のねこMIX
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

与えてよい部位

猫に与えてもよいかぼちゃの部位は、消化されにくい種やワタを取り除いた実の部分です。皮も固いので取り除いたほうがよいでしょう。なお、実の部分でも、生のままでは固くて消化されにくいため、必ず加熱してから与えるようにしてください。胃腸の負担になって消化不良を起こすことがあります。

与えるときの適量

猫にかぼちゃを与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、猫の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。

西洋かぼちゃ(茹で/可食部)
の猫体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg30g~35g(1/45~1/38個)

※数値は、避妊・去勢済みの猫で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

かぼちゃはカロリーが高めなので、与えすぎると肥満の原因になります。少量を与える程度にとどめましょう。

調理方法

かぼちゃを猫に与える場合は、消化がよくなるように加熱してください。調理方法は、茹でる、蒸す、または電子レンジで加熱してもよいでしょう。かぼちゃがやわらかくなったら冷まして、皮の部分を取り除き、猫が食べやすい大きさにカットするかペースト状に。味付けはせずにそのまま与えてください。

なお、人間用に調理したかぼちゃの煮付けやかぼちゃサラダなどを与えるのはNGです。砂糖や塩などの調味料が使われているため、体の小さい猫にとってはちょっとの量でも糖分や塩分過多となり、体の負担になってしまいます。必ず猫用に用意した、調味していないかぼちゃを与えましょう。

猫にかぼちゃを与えてもOK

猫はかぼちゃを食べても大丈夫。かぼちゃには食物繊維やビタミン類が含まれているので、便秘解消などのメリットが期待できます。かぼちゃを猫に与える場合は、茹でるなどしてやわらかくしたものを食べやすくカットするかペースト状にして、味付けせずに与えるとよいでしょう。ただしカロリーが高めなので、与えすぎは禁物です。
猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう
監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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