1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 飼い方
  4. 食事・キャットフード
  5. 【獣医師監修】猫に玉ねぎは絶対にNG。食べてしまったときの症状と対処方法

猫と暮らす

UP DATE

【獣医師監修】猫に玉ねぎは絶対にNG。食べてしまったときの症状と対処方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫に玉ねぎを与えてはいけません。わずかな量でも食べたり舐めたりすると「玉ねぎ中毒」を起こし、最悪の場合は死に至ることもあり危険です。愛猫が玉ねぎの実・皮・葉や、玉ねぎを使った料理を口にしたことがわかったら、症状がなくてもすぐに病院を受診して適切な処置を受けてください。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

猫は玉ねぎを食べてはいけない。命の危険あり

新鮮な玉ねぎ
kaorinne/gettyimages

猫が玉ねぎを食べると、玉ねぎ中毒を起こし、最悪の場合は命を落とすこともあり危険です。ネット上の掲示板などで、「愛猫がハンバーグを食べてしまった」「玉ねぎの入ったスープを舐めてしまった」などと、相談している飼い主さんも見かけますが、玉ねぎそのものだけでなく、玉ねぎ入りのスープやハンバーグなどの調理した料理でも中毒症状が起こる可能性はあります。また、玉ねぎに限らず「ネギ類」全般の摂取でも同じような症状が生じるため注意が必要です。

猫の盗食による事故も多く見られるため、飼い主さんは玉ねぎや玉ねぎを使った料理の管理に、細心の注意を払いましょう。

なお、玉ねぎだけでなく、玉ねぎと同じネギ属に分類されるネギやニラなどにも中毒症状を起こす原因物質が含まれているため、絶対に与えないでください。

猫は玉ねぎを食べてはいけない理由|玉ねぎ中毒により貧血や急性腎不全を起こすことがあり危険

お昼寝中のエキゾチックショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

玉ねぎは猫にとって危険な食べ物です。猫が玉ねぎを食べてはいけない理由を、しっかり確認しましょう。

「有機チオ硫酸化合物」で中毒、「アリシン」で貧血や胃の不調に

玉ねぎには硫黄の一種である「有機チオ硫酸化合物(チオスルフィン酸化合物)」が含まれています。有機チオ硫酸化合物は玉ねぎ(ねぎ)中毒の原因物質で、猫が食べると体に不調をきたすことがあり危険です。

有機チオ硫酸化合物には、赤血球や赤血球中のタンパク質であるヘモグロビンを酸化させる作用があります。赤い色素を持つへログロビンには全身に酸素を運ぶ働きがありますが、酸化するとメトヘモグロビンという物質に変化して、酸素を運ぶ働きが失われてしまいます。

このメトヘモグロビンが増えると、赤血球がハインツ小体という物質を形成し、還元型グルタチオンと反応して赤血球を破壊します。これにより、貧血(ハインツ小体性溶血性貧血)や血色尿、さらには急性腎不全が引き起こされることがあります。命にかかわる危険性もあります。

また玉ねぎには、辛味成分である「硫化アリル」が含まれています。硫化アリルは、玉ねぎを切ったりすりつぶしたりして空気に触れると、「アリシン」に変化して特有の匂いを放ちます。

このアリシンは、体内で分解されると「二硫化アリル(ジアリルジスルフィド)」を生成しますが、猫は二流化アリルを消化する酵素を持っていません。そのため、猫が玉ねぎを食べると二硫化アリルが作用して赤血球が破壊され、貧血を起こすことがあり注意が必要です。また強い殺菌作用により、胃壁を傷つけたり腸内細菌を殺したりと胃腸に悪影響を及ぼす恐れもあります。

部位別のリスク

玉ねぎは実の部分だけでなく、皮や葉も与えてはいけません。

◆玉ねぎの実
前述のとおり、有機チオ硫酸化合物や硫化アリルなどの玉ねぎ中毒につながる物質が含まれているため、猫に与えるのは危険です。

◆玉ねぎの皮
皮自体に中毒を起こす物質は含まれていませんが、猫がかじっただけで中毒症状が出たという事例もあります。玉ねぎの保管時には十分注意してください。

◆玉ねぎの葉
玉ねぎには葉玉ねぎという種類がありますが、これは根の部分が膨らむ前に収穫したものです。当然、玉ねぎ中毒を起こす恐れがあるため与えてはいけません。

状態別のリスク

玉ねぎは、生の状態はもちろん、加熱したものにもリスクがあります。匂いも危険な場合があるので注意してください。

◆生の玉ねぎ
有機チオ硫酸化合物や硫化アリルなどの中毒物質が含まれているので、猫に与えるのはNG。また玉ねぎをカットすると硫化アリルが変化してアリシンになりますが、前述のとおりアリシンも猫にとっては危険な物質です。

◆加熱した玉ねぎ
玉ねぎの有機チオ硫酸化合物やアリシンは、加熱しても分解されません。茹でたり炒めたりしても成分は残ったままなので、加熱したものも与えないでください。

また、ほとんどの猫は玉ねぎの匂いを嫌うためあまり口にすることはないようですが、人が食べるものに興味を持つ猫は多く、「愛猫がハンバーグを食べてしまった」という声を聞くこともあります。玉ねぎを使った料理を食べたり舐めたりしても、危険を伴うため注意が必要です。

とくに玉ねぎを煮込んだスープや煮汁には、有機チオ硫酸化合物が濃縮されているため、玉ねぎそのものよりも危険度が高まります。「玉ねぎを取り除けば食べても問題ないだろう」などと、間違った解釈をして与えると命取りになることがあります。

◆玉ねぎの匂い
玉ねぎの匂いについても注意が必要です。切ったり潰したりすると空気中に「syn-プロパンチアール-S-オキシド」という、目にしみる成分が放出されるため、猫が匂いを嗅ぐだけでもリスクとなる場合があります。また調理後の手には匂いがつきがちですが、手から玉ねぎ特有の匂いがするということはまだ成分が残っている可能性があるということなので、しっかり洗い流すようにしましょう。

危険な量の目安

猫が玉ねぎ(可食部)を誤飲した場合の危険量目安を提示している情報もありますが、個体差があるため、ほんの少しでも致死量となることがあります。微量でも与えないようにしてください。

ちょっぴりご機嫌斜めのスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

中毒・アレルギーが考えられる症状

玉ねぎ中毒を起こして赤血球が破壊されると、さまざまな症状が現れます。以下に挙げるすべての症状が現れる可能性があることを覚えておきましょう。


  • 元気がなくなる

  • 嘔吐する

  • 下痢をする

  • 嘔吐や下痢に伴い食欲が落ちる

  • 血尿が出る

  • 発熱する

  • ふらついて歩けないなど歩行が不安定になる/li>

  • 貧血により歯茎や目の結膜が白くなる

  • 黄疸が出る

  • 脈が弱い

  • 呼吸が弱くなる、または呼吸困難になる

  • ショック症状で意識がなくなる


呼吸困難や意識不明に陥ると、最悪の場合は死に至ることもあります。

症状が出るまでの時間

猫が玉ねぎを食べると、早くて30~60分ほどで中毒症状が現れます。しかしながら個体差があるので、遅い場合だと1~3日ほど経ってから症状が現れることもあります。

猫が玉ねぎを食べてしまった場合の対処方法

おもちゃで遊ぶシンガプーラ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が玉ねぎを誤飲した場合は、早急に病院へ連れていくのが鉄則です。治療方法とともに確認しましょう。

自己流の対処は禁物。すぐ病院へ

猫が玉ねぎを食べたり舐めたりした場合(とくに多くの量を摂取してしまった場合)は、自然治癒は見込めないため、速やかに病院を受診してください。食べたことに気がついてから、遅くとも1時間以内には連れていくのが理想です。すでに症状が出ている場合はなおさら、悪化する可能性が高いので、時間勝負となります。

玉ねぎの中毒症状は数日後に現れることもあり個体差がありますが、いずれにせよ早急な処置が必要です。症状がないからと様子を見ることはせずに、すぐに動物病院へ連絡または受診しましょう。

また自宅で無理矢理吐かせようとするなど、自己流で対処するのは危険なのでやめてください。それより、飼い主さんに求められるのは、食べたものがどんなもので、どのくらい食べたのか、食べてからどのくらいの時間が経っているのかといった状況説明です。

愛猫の危機に直面すると慌ててしまいがちですが、病院で的確な処置を施してもらうには、獣医師にできるだけ細かく説明することが大切。玉ねぎそのものを食べた場合と、玉ねぎのエキスが濃縮されたスープを飲んだ場合とでは、治療法が変わることもあります。愛猫を救うために冷静になることも大事だということを、心に留めておいてください。

病院での治療方法

玉ねぎ中毒に対する決定的な解毒剤や治療方法はありません。特効薬と呼べるものが存在しないため、病院ではおもに以下のような処置を施して、回復を目指します。

◆中毒症状の原因物質を除去
食べてからあまり時間が経過していない場合は、応急的に催吐処置を行って吐き出させます。食べてからおよそ2~4時間以内、かつ緊急性が高い場合は、胃洗浄が行われます。また、活性炭などの吸着剤や下剤を使って、毒物を除去することもあります。

◆赤血球やヘモグロビンの酸化を抑制
中毒症状が出ている場合は、抗酸化剤やステロイド剤などを用いて、酸化による赤血球の破壊を食い止めます。

◆症状に合わせた対症療法
重度の貧血を起こしている場合は輸血を行うこともあります。このほか、腎障害やその他症状に対する処置や、点滴やビタミン剤の投与、体力を回復させるための処置などが行われます。

猫の玉ねぎの誤飲を防ぐ方法

ごはんを食べてご満悦のシャム
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

玉ねぎ中毒の原因のほとんどが、盗食です。猫は玉ねぎ特有の匂いに敏感なので、好んで食べることはほとんどありませんが、人間用に作った料理に手を出して誤食したり、調理中や食事中に床に落ちた玉ねぎを口にしたりすることがよくあります。

飼い主さんが、「少しくらいならよいだろう」と与えたりするケースも多く見られるため、玉ねぎ中毒の危険性をよく理解することが大切です。玉ねぎを使った料理があるときは、盗食による玉ねぎ中毒を防ぐために、テーブルの上に置いたままにしない、猫がいたずらできる場所に置かないなど、飼い主さんの目の届く範囲できちんと管理しましょう。また保管の仕方によっては玉ねぎの皮が床に落ちることもあるので、保管場所や保管方法にも十分注意してください。

玉ねぎは、どの部位も与えてはダメ

猫にとって玉ねぎは危険な食べ物です。誤食や盗食により玉ねぎ中毒を起こせば、命にかかわることもあります。ほんの少しの量でも致死量となることがあるため、愛猫が玉ねぎを食べたり舐めたりしたことに気づいたら、症状がなくてもすぐに病院へ相談または受信して、獣医師による適切な処置を受けてください。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る