猫のあごの下を見ると、黒いブツブツや黒ずみがある……これは、「あごニキビ」の可能性があります。じつは猫にも、ニキビができるのです!
今回は、猫のあごの部分にできてしまうニキビについて解説。あごニキビの対策や、お手入れ方法なども紹介します。
猫の「あごニキビ」とは?
猫のあごの下を見たときに、「なんだか汚れているな」と感じたことのある飼い主さんもいるかもしれません。
猫のニキビは、毛づくろいができない部分に汚れがたまってできやすいという傾向があります。あごの下側に症状が現れやすいことが多く、黒いボツボツが見られたり、黒ずみができていることも。
猫によってはニキビの症状がわかりにくいことも
黒猫など毛色によってニキビの症状が確認しにくい猫の場合には、「家具に血が付着していて、はじめてニキビができていることがわかった」といったこともあるようです。
愛猫にニキビができていないか、飼い主さんは日頃からあごの下など猫がお手入れできない口周りなどをチェックしてあげてください。
猫の「あごニキビ」の原因とは?
汚れがたまってニキビができるというほかにも、あごニキビができる原因はいくつかあります。
①食事関連に問題がある可能性
食事の環境やアレルギーが原因となり、ニキビを引き起こしていることがあります。たとえば、フードボウルや水を飲む容器で雑菌が繁殖し、それが猫の皮膚についてニキビの原因となることも。
②環境変化のストレス
猫の暮らす環境が変化することによるストレスが引き金となり、ニキビができてしまうことがあります。
環境の変化の例をあげると……
などがあります。ストレスでホルモンバランスが崩れたり、免疫力が低下したりすることが要因に。
③ニキビダニ
ニキビが治りにくい場合には、稀ですが「ニキビダニ」が原因でニキビダニを発症している可能性も。ニキビダニが見つかった場合には、動物病院で駆除してもらいましょう。
猫の「あごニキビ」の対策は?
猫のあごニキビを予防するために飼い主さんができることには、以下のようなことがあります。
①食事環境を見直そう
食事環境では、
雑菌を増やさないための対策をしましょう。たとえば……
- 猫の食事が終わったらフードボウルを必ず洗う
- 1日に1回は水の容器を洗う
など、雑菌が繁殖しないよう、猫が口をつける器は常に清潔にしておくことが大切です。
雑菌がつきやすい材質の器はやめてみる
場合によっては、器の材質が原因となっている可能性もあるでしょう。
プラスチックは雑菌のつきやすい材質です。ガラス等の材質は雑菌がつきにくいとされているので、変えてみることでニキビの発症を抑えられることもあります。
器の材質や食事成分にアレルゲンが含まれないかチェックも
また、器の材質自体が猫のアレルゲンとなり、アレルギーからニキビを発症している可能性も。食事の成分にも猫のアレルゲンが含まれていないか、事前に調べておくとよいでしょう。
②愛猫のストレスを軽減してあげよう
先述したように、あごニキビの原因はホルモンバランスが崩れてしまうことや、免疫力の低下が関わっています。
猫は環境の変化にストレスを感じやすいので、リラックスできるような環境を作ってあげましょう。
家庭でもできる! 猫の「あごニキビ」の治療法
ニキビの症状が軽いうちであれば、飼い主さんが自宅で治してあげることもできます。猫のニキビの治療で大切なことは、患部を清潔にしてあげること。
ニキビの部分をやさしく拭き取る
まずは、ニキビができている部分をやさしく拭き取ってあげてください。その際、38度くらいのぬるま湯に浸したタオルやコットンをしっかり絞り、患部をゆっくりやさしく拭きます。
ポイントは、黒い皮脂をふやかして取り除くように拭いてあげること。強くこすりすぎると摩擦による傷ができてしまうし、タオルの水分が多すぎると湿気で患部に雑菌が繁殖しやすくなるので、注意してください。
猫用シャンプーなどを利用するのもOK
もしぬるま湯で落ちにくい場合は、猫の皮膚に使っても大丈夫な消毒液で患部を拭いたり、猫用のシャンプーで患部を洗うなど、より消毒効果の高い方法を試してみてもいいでしょう。
食後にニキビの部分を拭いてあげよう
ニキビを拭くタイミングは、食後が適しています。食事の際は食べかすが猫のあごの下について汚れやすく、食後のケアが大切に。あご下は猫が自分でお手入れできないため、汚れがこびりついてしまうのです。
ニキビの治療中はエリザベスカラーをつけると安心
ニキビの治療中はエリザベスカラーをつけてあげると、炎症のかゆみによる引っ掻きを防止できます。
なかなか治らないあごニキビ 重症化する前に動物病院へ!
もし家庭での治療でニキビがなかなか治らない場合には、動物病院で診てもらうことをおすすめします。あごの下が脱毛していたり、赤くなってただれていたりする場合は、猫のニキビが重症化している可能性があります。
ニキビが悪化していると、膿皮(のうひ)症などの合併症の症状が出ていることも。動物病院で診てもらうことによって、ニキビの状態から合併症の診断をしてもらえ、必要があればその場で処置をしてもらうこともできます。
動物病院でのニキビの治療は?
動物病院でのニキビの治療は、ぬり薬や消毒液、薬用シャンプー、重度のときは内服薬なども処方してもらえます。
猫のあごニキビは、早いうちに見つけることができれば治療もしやすくなります。家庭で様子を見たいときでも、重症化してしまう前にまず一度、受診しておくと安心ですね。
また、猫の生活環境を清潔にしておくことが予防につながります。愛猫の皮膚の健康を守って、毎日快適に過ごさせてあげましょう!
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE
『【獣医師が解説】猫の顎にポツリ?猫ニキビの症状と治療法』
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/sorami