遺伝子の組み合わせによって、変化する猫の毛柄。「組み合わせ柄」は「黒い毛柄を作る遺伝子」が共通となり、そこにほかの毛色を作る遺伝子が加わることで、2~3色の毛柄となっています。
今回は、その中でも代表的な「黒×白柄」「ミケ柄」「サビ柄」の特徴を紹介します。
黒と白の2色の組み合わせ「黒×白柄」
おもに背中が黒でお腹が白
全身は黒と白の2色の毛柄ですが、うっすら黒いしま模様が表れることもあります。お腹は基本的には白く、鼻筋や口元も白くなりやすい傾向が。肉球はピンク色で、黒いブチがまじることが多いです。
特徴的な額の「ハ」の字模様
「ハチワレ」という呼び名を聞いたことがある人も多いでしょう。これは猫の額の模様を指します。もともとは、頭の鉢の黒い部分が割れていることから「鉢割れ」と表記していました。しかし現在では、額が八の字に見え、末広がりで縁起が良いという意味合いから「八割れ」が主流となっています。
タフで野性的!
ノラ猫にもこの毛柄が多いことからもわかるよう、過酷な環境に負けない生命力と野性味を持ち合わせています。一方、黒い毛柄に多いフレンドリーな一面も持っています。野性味が強い猫の場合は、脱走対策など心がけておくと安心です。
黒とオレンジと白の3色「ミケ柄」
その名の通り3つの毛色が集まっている
おもに、背中としっぽは濃い色が出やすいため黒とオレンジの2色であり、お腹側は白1色であることが多いです。鼻はピンク色であるのが一般的ですが、黒い毛色が強い場合は黒1色などになることもあります。
メス猫がの割合が多い
「ミケ柄」の猫はほとんどがメスです。日本では数多く見られますが、世界的には比較的数が少ない柄です。「ミケ柄は小さい猫が多い」といわれることが多いのは、メスはオスよりも体格が小さい傾向にあるため、そのように感じることが多いからでしょう。
気まぐれでミステリアス
「甘えたいときに甘える」「近寄りたくないときは近寄らない」など、気まぐれで自分のペースを大切にする猫が多いようです。どことなくミステリアスな部分もあり、実に「猫らしい」性格といえるでしょう。
黒とオレンジの2色「サビ柄」
顔の模様が左右2色に分かれやすい
全身が黒とオレンジの2色で、お腹までしっかりと柄が出るという特徴があります。また、顔の中心にラインが入り、ラインを境目に左右で色が分かれる「ブレイズ」という模様を持つ猫も多いようです。
「ミケ柄」と同様メス猫が多い
「ミケ柄」と近い遺伝子を持っているため、ほとんどがメス猫になります。遺伝子の関係上、オス猫が産まれる確率は3万分の1程度。「ミケ柄」「サビ柄」にならないオスの多くは、全身オレンジ色の「茶トラ柄」になるようです。
マイペースで賢い
黒色の毛柄の猫に特徴的な「温和さ」と、オレンジ色の毛柄の猫が持つ「明るさ」の両方を合わせもった性格です。マイペースである一方、注意深さも持ち合わせているので「賢い」と感じる飼い主さんも多いようです。
「組み合わせ柄」の猫は、模様の入り方や入る場所によって、猫の印象がガラリと変わるので個性が出やすいですよね。ぜひたくさんの猫たちの、個性的で素敵な毛柄を見つけてみてください!
参考/「ねこのきもち」特別編集『体の色・模様から愛猫のことを知ってもっと仲よく!楽しく!毛柄がいっぱい!ねこのきもち』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/nishiyuka
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。