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【更新】新型コロナウイルスは猫に感染するの?猫と暮らす人が気を付けたいことは

日本国内の感染が拡大する新型コロナウイルス。ペットと暮らす方は、大切な愛猫にどのような影響があるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
いぬのきもち・ねこのきもちWeb編集室が、日本大学 獣医伝染病学研究室教授・小川健司先生にメールにて取材をし、飼い主さんたちが気になることを伺いました。

※2020年2月29日のご回答をもとに作成しています。
※2020/3/31追記
東京都獣医師会より、ベルギーのペットの猫が新型コロナウイルス感染症に感染したとの報道についての見解を発信しています。

引き続き、飼い主の方が新型コロナウイルスに感染しないことが、ペットを守るためにも大事であること、もし飼い主が新型コロナウイルスに感染した場合は、ウイルスがペットに付着しないよう注意することを呼びかけています。
詳しくは東京都獣医師会(公式SNS)をご確認ください。

▶ 東京都獣医師会Facebook


※2020/3/6追記
日本獣医師会、東京都獣医師会より、香港のペットの犬が新型コロナウイルス感染症に感染したとの報道についての見解を発信しています。

ともに現時点では、飼育者が感染しないよう注意を払うことが重要であり、冷静な対応を呼びかけています。今後も発信される情報をご確認ください。

▶ 日本獣医師会HP 新型コロナウイルス感染症に関する情報

▶ 東京都獣医師会HP
新型コロナウイルスの猫への影響について|ねこのきもち
Getty Images

●新型コロナウイルスは犬や猫にうつるの?

新型コロナウイルスが、犬や猫に感染しないと実験的に確かめられた訳ではありませんが、現在までに犬や猫に感染したという報告はありません。また、コロナウイルスの宿主指向性(※「コロナウイルスってそもそも何?」を参照)を考えると、新型コロナウイルスが犬や猫に感染する可能性は極めて低いと考えられます。

●新型コロナウイルスは犬や猫からもうつるの?

上述の通り、新型コロナウイルスは犬や猫には感染しないと考えられますが、
もし仮に、ごくまれに感染するケースがあったとしても、ヒト-ヒト間での感染と比べて問題となるレベルではないと思います。
ウイルスが広がっていく背景に『増幅動物(ぞうふくどうぶつ)』という役目があります。
増幅動物は感染しても症状(病原性)を示さず、ウイルスを増幅して大量に排出することにより感染を拡大させます。犬猫は今回の新型コロナウイルスの場合には、これにあたりません。

仮に猫が外に出た際などに、体にウイルスを付けて来るケースも考えられなくはありませんが、ウイルスに感染し、それを増幅させて排出している訳ではありませんので、やはり過度に心配する必要はないと思います。

●コロナウイルスってそもそもなに?

コロナウイルスは、約30kb(30,000塩基)のRNAをゲノム(遺伝子)とするウイルスです。30,000塩基と言うと、ヒトと比べると極々小さい遺伝子ですが、RNAをゲノムとするウイルスの中では最大級のウイルスです。ウイルスには宿主指向性や細胞指向性と言って、感染する動物としない動物、感染する細胞としない細胞があります。 
宿主細胞の表面にあるウイルスの受容体や、動物の体温あるいは細胞内にあるタンパク質の種類など様々な要因によって、この指向性が決まっているものと考えられています。

●猫コロナウイルス(猫伝染性腹膜炎ウイルス)とは別のもの?

猫に感染して病気を引き起こすコロナウイルス(猫腸コロナウイルスや猫伝染性腹膜炎ウイルス)は、コロナウイルス科の中でも、アルファコロナウイルスに分類されます。
これに対して、今回の新型コロナウイルスは、2002年~2003年に中国を中心に流行したSARSウイルス、2012年に中東で出現したMERSウイルスなどと同じ、ベータコロナウイルスに分類されます。
両者は、同じコロナウイルス科に属しますので似てはいますが、別のウイルスです。
Getty Images

●中国産のペットグッズで犬や猫にうつることはある?

まずその心配はありません。現在まで報告されるところによれば、新型コロナウイルスの環境中での安定性は低く残存していることも考えにくいので、食品や玩具などの輸入ペットグッズが感染源となる可能性は低いと推認されます。
また、もし仮に消毒が不十分な輸入食品に新型コロナウイルスが含まれていたとしても、そこから犬や猫が感染する心配はほとんどありません

●犬や猫と暮らす人が特に今気をつけることは?

犬や猫と暮らしている人が、そうでない人と比べて特に気を付けなくてはならないことはありません。
上述の通り、犬や猫に感染するのはアルファコロナウイルスです。ベータコロナウイルスである新型コロナウイルスが犬や猫に感染する心配や、犬猫を介してヒトへの感染を拡大する心配は、まずありません。
今後、新型コロナウイルスが出現した様に、突然変異や遺伝子組換えによって犬や猫にも感染して病原性を示すベータコロナウイルスが出現する可能性が皆無という訳ではありませんが、現段階で過度に心配する必要はないでしょう。
現段階では、ヒト-ヒト間での感染に十分注意して下さい。
新型コロナウイルスの猫への影響について|ねこのきもち
Getty Images
連日の報道のなか不安になりがちですが、愛犬や愛猫の健康を守るためにも、冷静な情報収集を心がけたいものですね。
監修/小川健司先生

日本大学生物資源科学部、獣医伝染病学研究教授。国立研究開発法人理化学研究所、環境資源科学研究センター客員主管研究員。東京大学大学院農学系研究科、畜産獣医学専攻博士後期課程修了。ヒトと動物のウイルス感染症を専門的に研究。

取材・文/いぬのきもち・ねこのきもちWeb編集室
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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