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猫に「ケージ」は必要?猫の安心のために上手に活用したいケージのメリット4つ

猫と暮らしている飼い主さんは、部屋にケージを置いていますか? 「ケージの中に入れると猫がかわいそう」といった声も聞かれますが、猫にケージを使うメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。

この記事では、猫にケージを使うメリットケージの慣らせ方などについて、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。

猫にケージを使うメリット4つ

ケージに入るアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫にケージを使うメリットは、おもに4つあります。

①ケージがあることで、そこがくつろげる空間になる

野生時代に穴蔵をすみかにしていた猫は、その名残で今もケージのような囲まれた狭い空間を好む傾向にあります。ケージに慣れてしまえば、そこが猫にとって快適な居場所になります。

②同居猫同士で起こるケンカを防げる

多頭飼いしていると、猫同士でケンカが起こることもあるでしょう。そんなときに、ケージがあると便利です。

多頭飼いの場合は、1匹につき1つケージを用意してあげると、各ケージで猫の居場所を仕切ることができるので、ケンカの際もクールダウンさせることができます。

③危険な行動を制限・予防できる

ケージでくつろぐ猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ケージには扉があるので、扉の開閉によって猫の行動範囲を制限することが可能に。

たとえば、飼い主さんが窓を開けているときときや、飼い主さんが料理中のときに危なくないようにしたい場合など、日常生活のほんの一瞬だけど猫の危険な行動を制限したいときに役立ちます。

荷物の搬入で玄関を開放しているときなど、脱走の危険性もあるので、万が一のことを考慮し猫をケージの中に入れておくと安心です。

④災害時にはシェルターにもなる

ケージは頑丈な構造をしているため、地震などの災害時には猫の避難場所になることも可能です。普段からケージに入る習慣がついている猫であれば、いざというときに避難するシェルターになります。

ケージの中にいれば、地震などで倒れてくる家具や、落ちてくるものなどから猫の身を守ることができます。


ケージは、いざというときの「猫の精神的居場所の確保」にもなる

ケージでくつろぐアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
上記でも触れましたが、災害時や引っ越しの際など、なんらかの理由で住み慣れた環境から猫を離さなければいけないときにも、ケージが役に立ちます。

慣れない環境で過ごすというのは、猫にとっては強いストレスになります。ストレス緩和のためにも、猫がその場所で自分から行動できるようになるまで、ケージの中で過ごさせてあげましょう。

ケージはいざというときの「猫の精神的居場所の確保」になります。ケージが置ける住環境にあるのであれば、日頃から猫に慣らしてあげるのがよいでしょう。

いざというときのために、猫がケージの中で暮らしやすい工夫も

ケージでくつろぐアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
災害時などのもしものときに備えて、ケージの中で暮らせる程度の準備をしておくのがおすすめです。

可能であれば3段タイプのケージを用意して、1段目にトイレ、2段目には猫ベッドや毛布、3段目にフードやお水を置いてみてください。猫が嫌がるので、食事とトイレはできるだけ離して置くようにしましょう。

おもちゃは誤食する恐れもあるため、ケージの中には置かずに、遊ぶときに出して使うようにしましょう。

猫がケージを嫌がってしまう…慣れてもらうための工夫

ケージでくつろぐブリティッシュショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
いざケージを導入しても、嫌がって入らない場合もあるかと思います。そのときの工夫として、「ごはん」を利用してケージに慣れてもらうのがよいです。

手順は、まずは猫が自分からケージに入ってくるのを待ち、入ったらケージの中でごはんを与えてみましょう。最初は扉を開けたままでOKです。慣れてきたら、扉を閉めて与えましょう。

これに慣れたら、次回の食事からケージ内にフードを置いてみてください。猫がフードを食べ終えたら、扉を開けて猫を出してあげましょう。これを、猫が慣れるまで何度も繰り返してみてください。

ごはん以外の方法だと、おもちゃを使ってケージへ誘導するのもよいでしょう。また、ケージを寝場所にするために、猫が眠くなるタイミングでケージへ誘導するのも効果的です。

猫にとってケージはストレスにならないのか?

鳴いている猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ケージに入るのは「猫にはストレスではないか?」と思っている飼い主さんが多いようです。たしかに、1日中閉じこもるのはやはり猫も窮屈です。人の場合でたとえると、新型コロナウイルスの影響で外出禁止になり、ずっと部屋にいなければならない気持ちと同じだと思います。

とはいえ、ケージは猫にとっては誰にも邪魔されない「精神的に落ち着く居場所」でもあるので、自由に出入りできるようにするなど、上手にケージを活用しながら、日々の暮らしの中にも取り入れてみてください。

災害時などを想定して、キャリーケースにも慣れさせておこう

キャリーケースに入るスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
災害時に猫をつれて避難をするとなると、多くのケージは大きすぎるため、避難場所などに持って行くことは難しいでしょう。そんなときに、簡易ケージで取っ手がついているものやキャリーケースが役に立ちます。

猫にとって外出の機会が動物病院しかないとなると、「キャリーケース=病院=嫌なところ」という記憶になってしまうので、移動時に使うものを普段から家の中でも慣らしておくとよいでしょう。

何もない日であっても、キャリーケースの中でごはんやおやつを食べさせてみたり、寝る場所にしてみるといった練習をしてみて、嫌な印象をなくしていくとよいです。その次は、家の中で移動する練習をしましょう。

1つのキャリーだと病院へ行った後から使えなくなることが多いので、2つなど複数で練習するとよいと思います。練習を積んだら病院以外でも外出してみたり、許されるなら病院へ遊びに行ってもよいでしょう。

ケージの中に入る猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ケージはいざというときの「猫の精神的居場所の確保」になったり、災害時のシェルターになったりと、猫にとっても大切な場所です。猫と人が安心・安全に暮らせるようにするためにも、ケージの設置を考えてみてはいかがでしょうか?

また、災害時で避難が必要になった際にはキャリーケースが活躍するので、ぜひ日頃から慣れさせるようにしてみてくださいね。

(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
参考/「ねこのきもち」2018年10月号『今からでも愛猫の“マイルーム”に ケージで叶うしあわせ猫生活』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『「猫にケージは必要ない」は勘違い!必要な理由と慣らし方』
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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