猫と暮らす
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猫の誤食事故、開腹手術のリスクが高いのはマットだった!起こったときのNG行動は
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お話が終わった後の質疑応答コーナーは1時間に及び、服部先生もときに悩みながら、丁寧に答えていたのが印象的でした。
猫の誤食事故で多い意外なもの
猫にとって誤飲・誤食による事故は身近です。読者からの「ねこのきもち獣医師相談室」への問い合わせも多く、ねこのきもちWEB MAGAZINEが飼い主さん400名に実施したアンケート調査では、約4割の飼い主さんが、愛猫の誤飲・誤食を経験していました。
手術に至るリスクが高い「ジョイントマット」
「弾力性の高い素材が多く、特にジョイントマットのつなぎ目は猫が気になり、食感もいいのかもしれません。猫がかじって飲み込んでしまうと、その弾力性によって胃や腸にはまってしまい、吐いたり排泄したりができないまま、閉塞を起こすことが多いです。」(服部先生)
慌てて救急外来を受診する飼い主さんに聞くと、初めて(ジョイントマットを)誤食した猫ではないことが多いそう。
「以前からマットをかじっていたけど、いつも吐いていたから大丈夫だと思っていた、という方が多いです。必要に応じて設置されてるとは思いますが、猫がよくかじると思ったら、マットは取り除く方が無難です。いずれ手術しなければならない事態になることもあるので。」(服部先生)
「食べちゃったかも」というときの間違った対応は
動物病院を受診前に食事をさせるのはNG
「夜、猫がおもちゃの一部を食べてしまったようだ、ということがあったとします。夜間対応の動物病院は遠いし、猫は今のところ元気。そんなとき、どうしますか?」という服部先生の問いかけに、来場者のみなさんも考えます。
「異物を食べても、だいたいの猫は元気なんです。そして、朝になっていつものようにごはんを与えると食べる。でもやっぱり心配だからと、朝一番で動物病院にいらっしゃいます。
そうすると、胃の中がキャットフードでいっぱいなので、レントゲンで異物を確認できたとしても、内視鏡で取り出せず、腸閉塞が起こるのを待つしかなくなることもあります。また、麻酔のときのリスクも高まります。
もし、誤食の可能性があって病院に行く場合は、キャットフードや水などを与えないようにしてください」(服部先生)
また、ネットなどの情報をみて、猫に吐かせようとする飼い主さんが多いようなのですが、同書によると、「一般の飼い主さんが安全に吐かせることはできない」そう。かえって重症化することもあるので、獣医師にゆだねたほうが安全です。同様に、誤食したものが、おしりの穴から少しだけ飛び出たままになっている場合、それを引き抜こうとすることも危険です。腸の内壁を引っ張ってしまい、組織を壊死させてしまうことがあるそうです。
猫の暮らしが変化し大きなリスクとなった誤食
「室内の環境も時代に合わせて変化し、人の食べ物や観葉植物、室内用品など、猫が口にするものも多様化しています。人には健康によいもの、問題のないものでも、猫にとっては有害なものや、犬よりも中毒症状が強く表われるものもあります。飼い主さんたちに正しい情報を手元に置いていただくことで、未然に事故を防いでもらえたら、と思います。」(本木さん)
監修の服部先生も、病院に置いて飼い主さんの説明に使っているそう。
「猫の誤食事故は、家の中で最も多く起きる重大な事故になっています。病気は予防しきれない場合も多いですが、誤食事故は飼い主さんの対応で防ぐことができます。」(服部先生)
猫を飼う経験がまだ浅い飼い主さんはもちろん、ベテランの飼い主さんも改めて読んでおきたい一冊です。
「猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑」(ねこねっこ) 2,222円(税込)
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