ジメジメ、湿気の多い時期は猫も皮脂の分泌が盛んになるため、被毛や皮膚がベタついたり、菌が繁殖したりするほか、皮脂腺が詰まって機能しなくなるおそれがあります。
ベタつきやすい部位はお手入れをしっかりと行い、清潔を保つように心がけましょう。
猫がベタつきやすいのは「あご」「しっぽ」「耳」
猫の体で特にベタつきやすいのは「あご」と「しっぽ」。また、猫種によっては「耳」もベタつきやすくなります。そこで、指先にのるくらいのコットンをぬるま湯もしくはペット用のクリーナーなどでぬらし、拭き取ってあげましょう。
ただし、部位によってベタつき方が異なるので、より適した方法で拭き取りケアを行うことが大切。次からは、部位ごとの拭き取り方のコツをご紹介します。
「あご」の拭き取り方
あごはフードの食べカスなどもつきやすく、何かと汚れやすい部位。こまめなケアをして清潔を保ちましょう。
(1)ぬらしたコットンを10秒ほどあごに当てる
猫がくつろいでいる背後から顔を包み込むようにして、ぬらしたコットンをあごに当てます。猫が嫌がらないなら10秒くらいを目安に、コットンを当てるようにしましょう。
あごに傷がないなら、コットンに食塩水を染み込ませるのもいい方法です。殺菌効果があり、あごニキビの予防につながる場合も。食塩水で行った場合は、その後必ず拭き取りましょう。
(2)歯ブラシでサッとこすり取る
あごのコットンをはずして5分ほどおき、乾いたら歯ブラシで下から上に向けてこすりましょう。歯ブラシは人用のものでOKです。
人用の歯ブラシのなかには、豚やヤギなど動物の毛でつくられたものも。いろいろな種類を試し、猫が好む硬さの歯ブラシを見つけてください。毛づくろいくらいの強さだと、猫は気持ちよく感じる傾向があるようです。
「しっぽ」の拭き取り方
ベタつきが特に強烈なのが、しっぽの付け根の部分です。汚れがきちんと落ちるよう、より丁寧に拭くようにしましょう。
コットンで包み、引っ張るように拭き取る
コットンをぬらし、しっぽの毛を挟みます。そして、根元から立ち上げるようにして拭き取りましょう。これを繰り返して、しっぽ全体をまんべんなく拭き取ってください。
皮脂汚れがひどいときは……?
脂分がひどい場合は、人用のクレンジングオイルを垂らすのも手。ただしこの場合は、ぬるま湯で根元からしっかりと、クレンジングオイルを洗い流しましょう。
また、よく泡立てたペット用の石鹸やシャンプーも、頑固な脂分を落とすのにはおすすめです。この場合も、そのあとは綺麗に拭き取ってください。
なお、嫌がらない猫なら、拭き取った部分の毛が乾いたあと、軽くコームでとかすといいでしょう。毛並みが整いますよ。
「耳」の拭き取り方
描種によっては、耳の中がベタつきやすくなります。折れ耳のスコティッシュフォールドや耳が反ったアメリカンカールなどは特にケアが必要でしょう。
※耳は繊細な部位なので、気になる様子が少しでも見られた場合は、必ず獣医師に相談してください。
(1)耳の付け根を指で軽くもむ
猫がリラックスしているときに背後から近づき、片方の手で猫の顔を押さえ、反対側の手で耳の付け根を軽くもみましょう。先にもんで警戒心を解くと、お手入れがしやすくなります。
(2)コットンを耳に入れクチュクチュもむ
次に、猫の顔を押さえつつ、ぬらしたコットンを耳の中に入れ、もう片方の手で耳の付け根をクチュクチュもみます。猫が嫌がらないなら、5~10回くらいを目安にもみましょう。
背中も被毛が絡まりベタつきやすい傾向に
なお、湿度が高い梅雨の時期は、背中などの被毛が絡まることで皮膚が蒸れやすくなります。そのため、日頃からブラッシングを行い、毛並みを整えてあげることが大切です。
ブラシにはさまざまな種類がありますが、愛猫が好むものを使ってあげるといいでしょう。背中をブラッシングするときは、頭側からお尻側まで毛並みに沿ってゆっくりととかしてあげるのがポイント。長毛の猫なら最低1日1回、短毛でも週に数回を目安に行ってください。
こまめなケアで、スッキリ快適に梅雨を乗り切りましょう!
参考・写真/「ねこのきもち」2018年6月号『梅雨どきの「湿気」を打ちのめせ!猫もグッズもベタサラ革命』(監修:アニマル・ケアサロンFLORA院長 日本ペットマッサージ協会理事 中桐由貴先生)
文/ハセベサチコ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。