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【獣医師監修】猫の予防接種について~ワクチンの種類、接種のタイミング、予防できる5つの感染症など

猫の感染症の予防接種(ワクチン)には3種混合、4種混合、5種混合があります。猫のライフスタイルによって接種するべきワクチンの種類が異なるので、愛猫に合ったワクチンの種類を知っておきましょう。また、ワクチンの効果をしっかり得られるよう、接種のタイミングも把握しておきましょう。

後藤 瞬 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医皮膚科学会日本獣医がん学会動物介在教育・療法学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科

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猫への予防接種で怖い感染症も軽症ですむ

感染症とは、簡単に言うとウイルスや細菌などの微生物が猫の体に侵入して増え、悪さをしてしまう状態です。くしゃみ程度の軽いものから、死に至る重いものまで様々な症状が現れます。ただし、感染しても猫が健康で抵抗力があり、予防接種で免疫をつけていれば深刻な状態になることはそれほどありません。

室内飼いなら予防接種の基本は3種混合

猫の予防接種の基本は、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症を予防する3種混合ワクチンです。完全な室内飼いで、外猫と接触する機会がない猫なら、動物病院でこの基本のワクチンをすすめられることが多いでしょう。また、ハーネスを付けて散歩させる猫の場合は、飼い主さんが気を付けて外猫と接触させないならば、基本的には3種混合でOKのようです。

自由に外に出る猫は4~5種混合を

野良猫は猫白血病ウイルスや猫クラミジアに感染している可能性が高く、自由に外に出る猫は、ケンカなどで感染猫から病気をもらう恐れがあるので、4~5種混合ワクチンの接種がすすめられます。完全室内飼いでも脱走癖がある場合や、猫白血病ウイルスに感染している猫と同居している場合も、4~5種混合の接種がすすめられます。動物病院によっては、4種混合か5種混合のいずれかしか扱っていない場合があります。どちらを選択するかは、かかりつけの動物病院で相談してください。

【猫の予防接種】ワクチン接種のタイミング

子猫は8週齢以降で1回目、12週齢以降で2回目を接種し、1才以降は定期的に接種するのが基本です。

8週齢(1回目の接種)

ワクチンの1回目は、母猫譲りの免疫が薄れてくる8週齢以降に接種。ただし、猫カゼの症状がある同居猫がいる場合などは、早めに接種したほうがいいことも。4週齢を過ぎていれば接種可能です。

12週齢(2回目の接種)

1回目の接種では、すべての感染症に予防効果が出るとは限りません。念のために2回目の接種をします。

1才以降定期的に(3回目以降の接種)

3回目は、2回目の接種から1年後、もしくは飼い主さんの覚えやすい日(1才の誕生日など)に接種を。その後は、かかりつけの獣医師の指示に従い、定期的に接種しましょう。接種のタイミングは、猫の飼育環境や体質、獣医師の方針によって異なることがあります。

ワクチンで予防できる5つの感染症

猫ウイルス性鼻気管炎

くしゃみ、鼻水、目ヤニなどの症状が出る、いわゆる「猫カゼ」の一種。感染猫の唾液、鼻水、涙に猫が触れるほか、感染猫と接触した人がウイルスを自宅に持ち込んで猫が感染することも。原因となるヘルペスウイルスは神経細胞の中に残り続けることが多く、一度治っても免疫力が下がったときに症状が再発することも。

猫カリシウイルス感染症

猫カリシウイルスが原因で起こり、症状も感染経路も猫ウイルス性鼻気管炎と似ている「猫カゼ」の一種。症状が進むとヨダレが多くなり、舌や口の周辺に潰瘍ができることも。ときには急性の肺炎や慢性口内炎を引き起こすことがあります。

猫汎白血球減少症

食欲減退、発熱、嘔吐、下痢などの症状が見られ、悪化した場合、体力のない子猫は助からないケースも。感染猫の排泄物がおもな感染源となります。原因となるパルボウイルスは生命力が強く、人が感染猫の排泄物を靴に付けて持ち帰り、そこから感染することもあります。

猫白血病ウイルス感染症

発症すると有効な治療法がなく、死亡する可能性の高いとても怖い病気。病気に対する抵抗力が弱まるため、さまざまな病気にかかりやすくなります。感染猫となめ合う、ケンカするなど密接な接触で感染します。

猫クラミジア症

猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症と似たような症状が出ます。感染猫となめ合うなど密接に接触することで、クラミジアが口・鼻・耳から侵入して感染します。片目だけ結膜炎を起こすケースがよく見られます。

愛猫に合った予防接種で健康を保とう

愛猫の生活スタイルなどから必要なワクチンの種類は異なりますが、病気を防ぐためにワクチンはとても大切です。猫を飼い始めたら早めに獣医師に相談して適切なワクチン接種を行いましょう。
出典:ねこのきもち特別編集ムック『子ねこのきもち』
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)

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