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【獣医師監修】子猫を拾ったときの対処法は?月齢ごとに詳しく解説!

運命の出会いといわれるように、子猫とは突然出会ってしまうもの。まずは保護すべきかを見極め、動物病院へ行きましょう。今回は子猫を拾ったときの月齢別のお世話の方法や里親探しについて解説します。知っておけば、いざというときに慌てないですみますね!

【子猫を拾ったとき】見つけた時点で保護すべきか見極めよう

メス猫は、2~4月にかけて発情期を迎えます。メス猫の妊娠期間は約2ヶ月といわれているので、この頃に妊娠すると赤ちゃん猫が生まれてくるのは春頃です。このため、子猫を見かける機会は春が多いでしょう。

保護すべき子猫とは

見かけた子猫が母猫と一緒にいるなら、それは子猫が生きるために母猫が必要な時期だということです。その間、子猫は母乳で免疫力を高め、母猫から生きる術を学ぶので、近くに母猫の姿が見えたら無理に引き離すことはやめましょう。また、母猫から子猫を無理やり奪うと、母猫の発情が誘発され、すぐにまた子猫を産んでしまうという結果にもなります。

そして、迷い猫ではないかの確認も必要です。首輪をしていたり、人なつっこかったりする場合は迷子になった飼い猫かもしれません。その場合は保健所や地域の保護団体などに連絡し、警察に届けておくと飼い主が見つかる可能性があります。

母親からはぐれ、探すのを諦められてしまった子猫や、段ボールや袋に入っていて明らかに捨て猫と思われる子猫は、そのままにしておくと死んでしまうおそれがあるので、可能なら保護してあげてください。

子猫を拾ったときはすぐに動物病院へ!

外で保護した子猫は、寄生虫症に感染している可能性が高く、猫カゼにかかっている場合はすぐに手当が必要です。また、保護したときの成長度合いによって、しなくてはならないことも異なるので、それを知るためにも、まずは動物病院へ連れていきましょう。その際、子猫は体温調節ができないので、タオルや湯たんぽなどで保温しながら向かってください。湯たんぽはタオルで覆って、直接子猫に触れないよう注意しましょう。

動物病院でしてくれること


    体重、週齢(月齢)、性別のチェック
    便や血液などから、子猫の健康状態の検査
    ノミや回虫などの寄生虫症の検査
    採血が可能なら、猫カゼやエイズなどの感染症の検査
    月齢によってはワクチンの接種

子猫を拾ったときの診察や検査にかかる費用の相場は1万円~3万円程度とされています。病院によっては、捨て猫は安くしてくれる場合もあるようですが、病院ごとに実際の対応や費用は異なりますので、先に病院に連絡してから受診する方がより安心かと思います。

子猫を拾ったとき、すぐ動物病院に連れていけないときは……

家に先住猫がいるなら、まだ会わせないで


保護した子猫が感染症や寄生虫症にかかっている場合、先住猫にうつしてしまうおそれもあります。子猫の健康状態がはっきりするまで、先住猫には会わせず、部屋も分けて隔離しておきましょう。

食事より体を温めることを優先して


夜間に子猫を保護した場合、すぐに子猫用のミルクなどが手に入らないこともあるでしょう。しかし、一晩くらいなら、ミルクを与えなくても大丈夫です。それよりも、生後まもない子猫は体温調節ができないので、体を温めることを優先してあげてください。そして、病院が開いたらすぐに連れていきましょう。

子猫の体の温め方
子猫が身動きをとれるくらいの大きさのカゴや段ボール箱を用意します。あまり浅いものよりは、30cm以上の深さがある方が管理しやすいです。お湯を入れたペットボトルを置いてその上にタオルを敷き、子猫を箱の中に入れてあげましょう。箱の上は、バスタオルや毛布などで3分の2から5分の4くらい覆っておくと、箱の中を暖かく保ちやすくなります。室温は季節を問わず24~25℃前後に保つようにしてください。

子猫を拾ったとき、家に連れて帰る際の注意点

病院から帰る前に、最低限必要なモノを獣医師に聞いて買いそろえましょう。

子猫のための環境を整えよう


食事


月齢ごとに異なりますが、離乳していない子猫には猫用ミルク、離乳している場合には離乳食などの子猫用のフードを用意します。

トイレ


自力で排泄できない月齢ならトイレはまだいりませんが、すぐに必要になるのであらかじめ買っておいてもいいでしょう。子猫が幼く体が小さいうちは、プラスチックのトレーに猫砂を入れたものなど、簡易的なものでの代用も可能です。

ハウス


ケージなどがなければ、段ボールやプラスチックケース内にタオルや毛布を敷いてあげましょう。その中へ、フードや水、トイレなどを用意してあげると子猫は安心して過ごせます。

獣医師のOKが出るまでは気をつけて!

先にも触れましたが、獣医師のOKが出るまでは先住猫に会わせないことが大切です。また、猫以外にも犬などのペットや、人の赤ちゃんがいる場合も獣医師のOKが出るまでは会わせないようにしましょう。

なぜなら、ノミやマダニなど、猫だけでなく犬や人にも悪影響がある寄生虫がいた場合はうつってしまうからです。子猫を触ったあとは、先住猫を触る前に必ず手洗いをすることも重要です。

【子猫を拾ったとき】月齢別・お世話の方法

保護した子猫の月齢によって、お世話の方法も異なります。人が積極的にお世話に関与しないとならない3カ月齢までを3つに分けて解説します。

保護した子猫が0~1カ月だったら

食事は哺乳瓶で子猫用ミルクを与えて


この1カ月は、本来ならば母猫の母乳を飲む時期です。38℃くらいに温めた子猫用ミルクを与えてください。生後4日目までは3~4時間おき、5~21日までは4~5時間おきに与えましょう。人用の粉ミルクや市販の牛乳ではなく、必ず子猫用ミルクを哺乳瓶で与えます。

体重ごとの1日のミルク量の目安

    体重70~130g →18~30cc
    体重130~240g →30~50cc
    体重240~300g →50~70cc
    体重300~400g →70~100cc

子猫を保護しても、つきっきりでお世話ができないこともあるでしょう。その場合は、子猫がしっかりミルクを飲めるなら、寝る前や出かける前にたっぷりミルクを与える方法もあります。帰宅してから次に家をあけるまでの間は、定期的に様子をみてお世話してあげましょう。

体を温める、体重を量ることを忘れずに


この時期の子猫は体温調節がまったくできないため、通常は母猫の体にくっついて体を温めます。人がお世話をするときは、季節を問わず室温を24~25℃前後に保ち、猫には段ボール箱などを利用した暖かい寝床を用意しましょう。寝床にはペットヒーターや湯たんぽなどで、さらに暖をとることができる場所を足しておくと、なおよいです。

一般的な子猫の体重は日々増えます。体重が増えないと危険な場合もあるため、毎日計測して変化を見極めることが重要です。順調に増えなかったり、減ったりすることがあれば、すぐに獣医師へ相談をしましょう。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「乳飲み子猫を迎えたら」

保護した子猫が1~2カ月だったら

食事は離乳食を与えて


乳歯が生えているようなら、ミルクではなく子猫用離乳食を与えるといいでしょう。浅めのお皿などに入れて、1日4~5回に分けて与えてみてください。

子猫用トイレで排泄させよう


猫は、ミルクを飲まなくなるタイミングで、自力で排泄できるようになります。子猫用トイレを用意し、食後などにトイレに子猫を置いてみましょう。ティッシュなどを介して、尿や便などの排泄物のニオイを用意したトイレに付けておくのも、子猫がトイレを覚えるきっかけになります。一度排泄すれば、もうそこがトイレと認識するようになります。

爪切りや歯みがきにも慣れさせるのが理想的


この時期はさまざまなことに慣れさせやすい時期でもあります。猫が苦手なことでも、人と暮らしていくうえで慣れておくと、その後、猫にもストレスがかかりにくくなります。はじめは足の先端を触ったり、口まわりを触ったりすることから始め、ひどく嫌がる様子がなければ爪の先だけをちょこっと切ってみる、歯ブラシをくわえさせてみるなど、子猫と遊びながら少しずつ行ってみるといいでしょう。

保護した子猫が2~3カ月だったら

食事はドライフードを与えてもOK


総合栄養食の子猫用ドライフードを与えます。離乳食を与えるタイミングで子猫用ドライフードを食べられるようなら、その時期から与え始めてもいいでしょう。

ワクチンを接種する


保護猫の場合は、猫の体調が落ち着いたらまず1回目のワクチンを接種、その後の接種時期については獣医師と相談し、16週齢以降で最終ワクチンを接種するのが望ましいでしょう。母猫から受け継いだ免疫の効果は、生後4カ月くらいまでになくなります。その前に、感染症予防のために必要な回数のワクチン接種をしておきましょう。

6カ月を過ぎたら、去勢・避妊手術の検討を


性別特有の病気や問題行動を防ぐためにも、最初の発情が起きる前に去勢・避妊手術を検討するといいでしょう。成長の個体差もあると思いますので、時期については、かかりつけの獣医師に相談してください。

【子猫を拾ったとき】自分では飼うことができない場合

賃貸などの住居事情やアレルギー、先住ペットとの相性などで、拾った子猫を飼い続けることができないケースもあるでしょう。その場合は、新しい家族(里親)探しをする必要があります。

新しい家族の探し方


・知り合いにもらってもらう
子猫のその後もわかるので、この方法が一番安心でしょう。

・張り紙やネットの里親掲示板、SNSで募集する
いい人ももちろんいますが、虐待目的で子猫を引き取ろうとする人もいるようなので慎重に。

・猫の保護団体などに相談する
知識があるので安心です。ただ全部お任せにするのではなく、連携してしっかりと協力をするのが拾った側の責任でもあります。
子猫を保護したら、まずは健康状態を見極めることが大切です。可能な限り早めに動物病院へ連れていきたいですね。その後のことは、飼う、飼わないも含めて獣医師に相談するといいでしょう。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「もしも"乳飲み子猫"を保護したら?ある家族の保護子猫ストーリー」

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参考/「ねこのきもち」2016年3月号『シーズン到来! 保護したときのお世話の仕方もわかる 子ねこ手帳』(監修:マオキャットクリニック院長 高野のり子先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『乳飲み子猫を迎えたら』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/HONTAKA
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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