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【獣医師が解説】立ち会うことになっても安心!猫の出産 〜基礎知識からお産の流れまで〜

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今回は、猫の妊娠の基礎知識や出産準備、出産の兆候、出産の流れを解説します。出産時に飼い主さんがすべきことや難産の対処法、産後に気をつけたいことについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1章:愛猫が妊娠したら

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まずは動物病院を受診

愛猫に妊娠した可能性がある場合、動物病院を受診しましょう。動物病院ではまず、触診によって、妊娠しているかどうかを診断します。触診は交配後20日頃から可能となるので、その時期を目安に受診するとよいでしょう。
ほかにも、超音波検査(交配後19日頃~)では、胎子の心臓の動きをチェックし、レントゲン検査(交配後50日頃~)では、胎子数を正確に診断することができます。

ではここで、猫の妊娠に関する基本的な知識をご紹介します。

猫の妊娠期間

猫の一般的な妊娠期間は約63日ですが、実際は63日ぴったりではなく、前後にずれることも多いようです。また、品種・年齢・栄養状態・胎子数などによっても妊娠期間には差が見られます。

猫が一度に産む子猫の数

猫は一度に1~8頭程度の子猫を産みます。そのため、避妊手術をせずにいると子猫が増えすぎてしまい、飼えなくなってしまうケースが。愛猫の妊娠を望まない場合は、避妊手術を受けるようにしましょう。なお、避妊手術は最初の発情が始まる前の生後6~8ヵ月頃に行うのがベストといわれていますが、その時期よりも成長していても手術は可能です。

猫の出産時期

猫は春と秋の年2回出産時期があるといわれていますが、猫の発情期は日照時間が8時間を超えると起こるようになります(12時間を超えると発情を周期的に繰り返します)。そのため、発情期そのものは日本の屋外猫だと1〜8月の間は持続して起こるとされています。猫の出産時期が春と秋に集中しているように見えるのは、発情・交配から出産を経て次の発情・交配のサイクルがおよそ3ヶ月ごとくらいになる猫が多いからと考えられます。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師監修】猫の妊娠基礎知識!期間や兆候、出産準備などを解説!」

2章:出産が近づいたら準備をしよう!

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愛猫の出産が近づいたら、以下のような準備を始めましょう。

母猫が安心して出産できる場所(産箱)を用意

出産予定日の7日前頃までには、母猫が安心して出産できる段ボールや箱を用意してください。猫はフタができる箱を好む傾向にありますが、猫によっては落ち着かないことも。愛猫に合った場所を見つけておきましょう。また、箱を用意したら、その中にタオルや使い慣れたブランケットなどを敷き詰め、温かくするのもポイントです。なお、出産時には羊水や少量の出血などで敷いている布類が湿って保温しにくくなることもあるので、乾いたタオルなどは予備を多めに用意しておくほうが良いでしょう。

出産予定日が近づいてくると、猫は落ち着かず、知らない人や動物が近づくのを嫌がります。静かであまり家族が近づかない場所を用意し、不安そうにしている場合は、たまに様子を見に行って安心させてあげましょう。

へその緒カット用の清潔なはさみや糸を用意

まれに、母猫が生まれた子猫のへその緒の処理をしない場合があります。そのときのために、かかりつけの病院で出産を補助するための道具などを処方してもらうようにしましょう。

万が一の際に連絡や受診ができる病院を調べておく

万一に備えて、かかりつけの獣医師とすぐに連絡をとれるようにしておくことも大切です。また、夜間やかかりつけの動物病院が休診だった場合に備え、救急対応可能な動物病院もいくつか調べておきましょう。

このほかにも、産まれてくる子猫の育て方についてもしっかりと考えましょう。本来であれば妊娠させる前に考えておくのが理想ですが、自分で育てるのか、里親に出すのか決めて、それに合った準備をしておくことが大切です。

3章:猫の出産の兆候は?

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猫の出産が間近に迫ると、以下のような行動が見られることがあります。

猫の出産前の特徴的な行動


  • 出産が近づくと落ち着きがなくなり、ウロウロする

  • タオルなどを掘るような巣作り行動をとる

  • 陰部を気にしてしきりになめる

  • 浅く速い呼吸になる

  • 経産猫は出産の2~3日前頃から乳汁が出る

  • 初産の場合は出産日に乳汁が出る

猫にも「おしるし」があるって本当?

人は出産直前になると、出産が近いことを知らせる「おしるし」(軽い出血)が見られることがあります。猫も同様に「おしるし」が確認できる場合もあるようですが、これにはかなり個体差があるといわれています。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「【猫の妊娠】出産準備~産後のケアまで、飼い主さんができること」

4章:猫の出産の流れと飼い主さんがすべきこと

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猫の出産の過程は、3つのステージに分けることができます。

ステージ1(開口期)

出産の準備に入り、落ち着きがなくなり巣作り行動をするようになります。これらの変化は出産の1〜2日前ごろから起こります。さらに、陰部が充血して透明の粘液が出ることもあります。この時期には体温の低下も見られますが、体温を測られるのを嫌がって興奮することがあるので、無理に計測しないようにしましょう。

ステージ2(娩出期)

出産は、母猫が落ち着ける、夜中~朝方にかけて始まることが多いです。娩出期になると定期的な陣痛が起こり、破水します。そして、さらに陣痛が強くなり、羊膜に包まれた胎子が娩出されます。羊膜は自然と破れることもありますが、破れない場合は母猫が破り、へその緒を噛み切って、胎子をなめることで呼吸を促します。

ステージ3(後産期)

子猫が生まれると同時に、必ず胎盤が出てきます。子猫1匹に対して胎盤は1つなので、子猫の数と胎盤の数は同じでなければなりません。胎盤が子宮の中に残っていると、子宮内膜炎などの病気の原因になるので、子猫と胎盤の数が違う場合は獣医師に連絡しましょう。
また、母猫は本能的に胎盤を食べることがありますが、嘔吐や下痢などの原因となるので、食べさせないようにしてください。

飼い主さんがすべきことや注意点

◆母猫が羊膜を破らない場合はサポート

母猫が羊膜を破らない場合やへその緒を噛み切らないときは、飼い主さんのサポートが必要です。まずは羊膜を破って、へその緒を糸で縛り、鼻や口に入っている羊水を出しましょう。それから子猫の体をタオルで拭き、呼吸を促します。このとき、胎子を強く振らないように注意してください。

◆子猫はしばらく母猫のそばに

生まれた子猫はすぐにの母乳を飲み始めます。子猫が母乳を強く吸うことで陣痛が促され、次の胎子の出産がスムーズになるため、生まれた子猫をすぐに母猫から取り上げないようにしましょう。

◆母猫が子猫を踏みつぶさないように注意

母猫は、出産が終わるまで落ち着かず、いろいろと姿勢を変えることがよくあります。その際、子猫を踏んで押し潰してしまうなどの事故が起こることも。出産が終るまでは注意深く観察していてください。

◆分娩時間が長い場合は獣医師へ連絡を

猫の出産にかかる時間は、経産・未経産・胎子数などにより異なりますが、陣痛が始まってから2時間以内、破水が起きてから1時間以内だといわれています。これ以上時間がかかっている場合は、何か異常が起こっているおそれがあるので動物病院へ連絡してください。

飼い主さんが構いすぎるのもよくありません。出産は基本的に母猫に任せて、何か起こったときにサポートするような心構えで準備しておくことが大切です。

5章:難産の判断と対処法

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難産とは、分娩の過程で人の助けや医学的な処置をしなければ、母猫と胎子の命に危険が及ぶおそれのある状態のことをいいます。猫の難産の発生率は、犬より低いですが、純血種の場合は難産の発生率が高い傾向にあります。

難産の原因

難産の原因は、母体側と胎子側の2つに分けられます。母体側の原因としては、肥満・高齢・初産などがあげられます。一方、胎子側の原因には、猫ではまれですが、母体に比べて胎子が大きすぎる・妊娠期間が長引いたときなどが考えられます。

難産の判断

陰部から胎子の一部が出ているのに、いくら力んでもそれ以上進まない、破水したのに胎子が出てこないといった場合は、胎子の体の一部がひっかかっているなどの可能性があります。ただし、難産の判断はとても難しいので、獣医師に相談することが大切です。
また、難産の場合は帝王切開になる可能性があります。帝王切開は一刻を争うので、帝王切開になった場合のこともあらかじめ考え、心の準備をしておきましょう。

難産の対処法

陰部から胎子の一部が見えていて、力んでいるがなかなか進まない場合は、胎子を持って母猫の陣痛に合わせて引き出すことで、胎子を取り上げられることがあります。それでも引き出せない場合は、帝王切開になるでしょう。

難産の対処法は、慣れない人が行うのはとても危険です。必ず獣医師に相談し、引き上げ方法などの指示を仰ぐようにしましょう。

6章:出産後の注意点

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最後に、出産後の注意点についてご紹介します。

痙攣(けいれん)

出産後に母猫の血液中のカルシウムが低下し、痙攣が起きることがあります。原因ははっきりしていませんが、出産後1~3週に起こることが多いようです。ただし、授乳中ならいつでも起こる可能性があるので注意しましょう。血液中のカルシウムが低下した場合は、適切な治療を受けなければ命に関わります。産後の愛猫に痙攣が起こった場合は、すぐに動物病院を受診してください。

子宮内膜炎

子宮内膜炎は、出産後、子宮に細菌感染が起こることで発症します。難産や胎盤が排出されないことなどが原因とされ、発熱や食欲低下、陰部から腐敗臭のする悪露が見られるなどの症状があらわれます。状態が悪くなると母猫の命に関わることもあるので、動物病院を受診しましょう。

産褥熱(さんじょくねつ)

出産時に母猫の子宮や膣内壁の粘膜に傷がつき、この傷から細菌が侵入して高熱が出ることを産褥熱(さんじょくねつ)といいます。症状が悪化すると、子宮内膜炎や腹膜炎、敗血症などになることがあるので注意が必要です。産後は、母猫の外陰部を清潔に保ち、おりものの有無などをよく観察するようにしましょう。

異常出血

分娩直後に少量出血する場合は問題ありませんが、出産が完全に終ったにもかかわらず延々と血が止まらないようなときは、異常出血のおそれが。異常出血の原因はさまざまですが、最悪の場合、開腹手術によって卵巣と子宮自体を摘出する必要がでてくることもあるので注意してください。

無乳症

無乳症とは、出産後、母乳が分泌されない状態のことです。子猫たちは母猫の乳首に吸いつきますが、一向に母乳が出てこないため空腹で鳴き続けます。この場合、子猫に対しては人工哺乳を行い、母猫に対しては薬物投与を行ってプロラクチンの分泌を促し、間接的に母乳の産生を促すことで対処するとされています。

猫は犬に比べて安産な傾向がありますが、出産後も含め、いろいろなトラブルが生じる場合も少なくありません。母猫や子猫の状態をこまめに観察し、すぐに対応できるよう準備をしておきましょう。

参考/「ねこのきもち」2017年5月号『術後の“?”もスッキリ!去勢・避妊手術のすべて』(監修:「Pet Clinic アニホス」院長 弓削田直子先生)
「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫の妊娠基礎知識!期間や兆候、出産準備などを解説!』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
監修/八木田智洋(獣医師・かんもん動物病院
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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