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【獣医が教える】オス猫の去勢のメリット・デメリットと最適な時期

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オス猫を飼い始めてから、多くのかたが悩まれる問題として去勢があります。去勢手術をした方が良いのかしなくても良いのか、いろいろと悩みますよね。そこで今回は、去勢をすることのメリットとデメリットについて、また去勢をする場合の最適な時期について解説していきます。

去勢のメリット

●尿スプレーが減少する

未去勢の場合、オス猫は性ホルモンの影響で非常に縄張り意識が強い状態になるため、さまざまな場所に尿をかけて自分の縄張りを主張します。これを尿スプレーといいます。去勢をすることで性ホルモンがなくなり、尿スプレーが減少します。

●放浪しにくくなる

去勢をすることで性ホルモンがなくなり、放浪しにくくなります。頻繁な放浪は交通事故に遭う可能性を高めますので、去勢することによってそういったリスクを軽減することもできます。

●ケンカしにくくなる

未去勢の場合、自分の縄張りに他の猫が侵入すると、縄張り意識が強いために
ケンカになります。これは外傷による怪我だけでなく、猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスなどに感染する機会の増加を意味します。ケンカしにくくなることは、こうした危険を軽減することにつながります。ちなみに、去勢手術を実施したからといって、ケンカに弱くなるといったことはありません。

●特定の病気を予防できる

精巣を取り除くことにより、精巣に生じる病気が起こらなくなります。

去勢のデメリット

●麻酔によるリスクを負う

全身麻酔は、身体的な負担を伴います。去勢手術は緊急の手術ではないので、調子の悪いタイミングなどで実施する必要はありません。術前に身体検査や血液検査などを実施することで、その子における麻酔のリスクを判断することができます。

●肥満になりやすくなる

手術そのものが猫を太らせるわけではありませんが、去勢をすると、ケンカや放浪をしなくなるといった行動面での変化が生じ、去勢前より消費カロリーが減少します。去勢前と同じ量の食事を与えていると、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまい肥満になります。去勢後は食事量を今までの8割ほどに抑えることで、肥満を予防することができます。肥満はさまざまな病気のリスクを高めるので、注意しましょう。

去勢に適した時期

一般的にオス猫は、生後4〜6ヵ月で性成熟をむかえます。性成熟をむかえると、尿スプレーや放浪、ケンカを起こしやすくなります。性成熟をむかえる前に去勢手術を行うことで、これらの行動を抑えることができます。
また、若い猫であっても先天的な病気を持っている場合があるので、手術を受ける前に一度かかりつけの病院を受診し、獣医師の診察を受けることをお勧めします。

去勢の時期が早すぎる場合のデメリット

去勢手術には、必ず麻酔が必要となります。生後3〜4ヶ月ほどの体の小さな猫は、簡単に低体温症や低血糖になってしまいます。まだ体が十分に出来上がってない時期での麻酔はこれらの危険を伴うため、幼齢猫の手術に慣れている病院でなければ手術のリスクは高まります。アメリカでは、幼齢猫の去勢手術は一般的になっていますが、日本ではまだまだメジャーではありません。
かつて「性成熟前に去勢手術を行うと、子猫の成長を妨げる」と言われていた時代がありましたが、その後さまざまな研究が行われた結果、そういった悪影響は及ぼさないことがわかっています。

去勢の時期が遅すぎる場合のデメリット

生後6ヵ月以降はいつでも去勢手術が行えますが、すでに尿スプレーや放浪の癖がついてしまってから去勢しても、それらが改善しない場合があります。そのため、あらかじめ去勢手術をすると決めている場合には、生後6ヵ月を過ぎたらなるべく早めに施すことをお勧めします。

まとめ

オス猫は生後4〜6ヵ月で性成熟をむかえ、尿スプレーや放浪、ケンカといった行動をとるようになります。これらの行動は、去勢手術を行うことで抑えることができます。また、オス猫特有の病気予防に加え、性的なストレスから解放されることで、健康で長生きするようになるとも言われています。
しかし、生後4ヵ月頃はまだ体が十分に出来上がってないので、麻酔をかけるリスクが高くなります。そのため、生後6ヵ月を過ぎてから手術を受けるのが良いでしょう。また、生後6ヵ月を過ぎればいつでも去勢手術が出来ますが、尿スプレーや放浪が癖になってしまってから手術してもそれらの行動が落ち着かないこともあるので、生後6ヵ月を過ぎたらなるべく早く手術を受けるようにしましょう。
去勢手術の是非にはさまざまな意見や考え方があると思いますが、デメリットよりメリットの方がはるかに多いと考えられますので、獣医師としては去勢手術を受けることをお勧めします。


監修/八木田智洋(獣医師・かんもん動物病院


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