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【獣医師監修】猫の歯の構造|乳歯が生え変わる時期や正しいケアの仕方
猫も人と同じように、乳歯が永久歯へ生え変わったり、口腔内の病気になったりすることをご存じでしたか?今回は、猫の歯の構造や乳歯の生え変わる時期、歯が生え変わる際に見られる行動や歯磨きの必要性、スムーズな歯磨きのコツなどについてご紹介します。
ねこのきもち獣医師相談室
猫の歯の構造と役割
上下に大きく尖って生える「犬歯」
正面上下に並ぶ「切歯(門歯)」
奥歯と呼ばれる「臼歯」
臼歯は上下の歯が少しずれたはさみのような構造をしており、肉や猫草を噛み切るときに使うため、「裂肉歯」と呼ばれることもあります。
猫の乳歯が生える時期と生え変わるタイミングとは
乳歯は生後2週間ごろから生え始める
乳歯の成長具合は猫の月齢の判断基準にもなるため、子猫を拾った際は乳歯を確認してみるといいかもしれませんね。
永久歯は半年で生えそろう
抜けた乳歯は見つけられないことがほとんど
幸運のお守りとして乳歯を保存するのもアリ
ちなみに、乳歯はごはんや水皿の近くに落ちていたり、おもちゃなどにくっついていたりするようです。とても小さいので、探すときは見逃さないようにしてくださいね。
残存乳歯がある場合は動物病院へ!
残存乳歯を放置してしまうと、上あごと下あごの咬み合わせがずれる「咬合異常」を引き起こしたり、ごはんが食べづらくなったりします。また、乳歯と永久歯の間に食べ物が挟まり、歯肉炎を起こして歯周炎へ進行してしまうおそれも。
そのほか、まだ症例報告は少ないですが、「ネコ膝-乳歯症候群」という奇病を発症した際にも残存乳歯が起きることがあるといわれているので、残存乳歯が疑われる場合には、できるだけ早めに動物病院で原因の究明と対処をしてもらいましょう。
歯が生え変わる時期に猫に見られるしぐさや状態
おもちゃや人に噛みつく
口臭が強くなる
乳歯が抜けたところから出血が見られる
破折や脱臼に注意して!
放置していると、永久歯が生えてくるのを妨げてしまったり、歯髄に痛みが生じたりすることも。抜歯や保存修復などの処置が必要となってくるので、早めに動物病院を受診するようにしてください。
猫も人のように歯磨きをする必要はある?
口腔内の病気予防のためにも歯磨きは必要!
口内に残った食べカスや汚れを放置していると、歯垢が固まって歯石を形成してしまい、歯周病などを引き起こす原因に。歯周病は進行すると、痛みや食欲不振、歯の根元が下がって歯が抜けるなどの異常を引き起こすだけでなく、腎臓疾患や心臓疾患など命に関わる重大な病気に発展することもあります。
歯磨きは、そういった口腔内の異常の原因となる食べカスや歯垢を除去したり、病気の発症を遅らせたりするのに有用なため、猫にとっても歯磨きは重要です。
猫の歯磨きを始める時期や頻度
慣らし始めは週2~3回を目安にし、以降は毎日、難しくても2~3日に1回の頻度で歯磨きを行うようにしましょう。
ケア嫌いの猫にも!歯磨きの慣らし方とスムーズな磨き方
口まわりや歯を触られることから慣らす
1. 猫が触られると喜ぶことが多いのが、あごの下。優しくなでながらリラックスさせていきます。
2. 徐々に口まわりを触っていき、嫌がらないようなら、両手で口から頬にかけて揉むように少しずつ触っていきます。
3. さりげなく口角を引っ張り上げてみましょう。奥歯まで見えるような「笑顔」ができればOK。嫌がるようなら、ほめながらおやつを与えます。繰り返すうちに、猫は「おとなしくしていれば、おやつをもらえる(いいことがある)」と学習します。
4. 片手を猫のあご下に添え、反対の手の人差し指で上唇を持ち上げながら、前歯をチョンっと触ります。
5. 前歯を触ることができたら、上唇をしっかり持ち上げて、反対の手の人差し指で奥歯を軽くタッチします。
歯を触られるのを嫌がる猫は多いので、はじめのうちは歯に触る指におやつのペーストを付けてみましょう。おいしそうなニオイがしたら、触るのを受け入れてくれる猫も多いはず。
歯磨きを始める前に用意すべきグッズ
- 猫用の歯ブラシ
- 猫の口腔環境や好みに合った歯磨き粉・液状歯磨き剤
- 歯磨き粉などを入れるトレー
なお、人用の歯磨き粉は、猫にとって有害な成分が含まれている場合があるため、使用するのはやめましょう。
実践!ストレスフリーな歯の磨き方
1. まずは、なでながら猫をリラックスさせます。水で濡らした歯ブラシに歯磨きペーストを付け、猫の歯を磨いていきましょう。
2. 臼歯(奥歯)から磨いていきます。臼歯はほかの歯よりも大きく、歯垢が付きやすい歯です。猫の口角を人差し指で引っ張り上げながら、念入りに磨きましょう。歯ブラシは45度に傾け、左右に小刻みに動かしながら軽く磨きましょう。
3. 1本ずつ磨き、前歯のほうへ移動していきます。犬歯と前歯は左右の横方向だけでなく、歯ブラシを上下へ動かしながら縦方向でも磨きましょう。
歯ブラシは45度の角度で当て、力を入れすぎないように十分注意しながら磨いてみてくださいね。
どうしても猫が歯磨きを嫌がる場合は?
歯ブラシの代わりに歯磨きシートや綿棒を使う
歯磨きガムを与える
制限時間を決めての歯磨きも試してみて
一度にすべての歯を磨くのは大変ですので、慣れないうちは、今日は右側だけ磨く、次回は左側など分けて行うとよいでしょう。
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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