猫と暮らす
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【獣医師監修】子猫のワクチン接種の必要性 種類や費用も解説
猫の「予防接種」は、飼い主さんの判断に委ねられます。とはいえ、打った方が良い?いつ打つの?どんな種類があるの?など、たくさんの疑問があるはず。そこで今回は、ワクチンの必要性や接種すべき時期、回数や防げる病気、そして副反応について解説します。
後藤 瞬 先生
相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務
東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業
●資格:獣医師
●所属:日本獣医皮膚科学会/日本獣医がん学会/動物介在教育・療法学会
●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科
子猫にワクチンを打つ必要性は?
ワクチン接種の必要性
しかし、このようなリスクは、ワクチン接種で軽減できます。もしかかってしまった場合でも、重篤化を防ぐことにつながることもあります。つまり、ワクチン接種は飼い主さんの「責任」ともいえるでしょう。
完全室内飼育でもワクチン接種は必要?
【考えられる感染経路】
・飼い主さんが、屋外で猫などの動物を触った
・新しく猫を迎え入れた
・来客がどこかで猫を触ったうえでうちに来た(ウイルスを持ってきた)
完全室内飼育の猫は、確かに外で過ごす猫よりも感染症のリスクは低いといえます。しかし、上記の感染経路を断つことは難しいため、リスクはゼロではありません。万が一を考えたとき、ワクチン接種で抗体を付与しておいた方が安心ですよね。
ワクチン接種の時期は?回数は?
接種方法は効果や安全性について議論がなされていますが、現在多くの病院では次のような方法がとられています。
子猫期
成猫期
3種混合?猫エイズ?ワクチンの種類とおおよその値段
【コアワクチン】
・猫汎白血球減少症(猫のパルボウイルス感染症)のワクチン
・猫ウイルス性鼻気管炎のワクチン
・猫カリシウイルス感染症のワクチン
では、ワクチンの特徴や値段についてみていきましょう。
1種ワクチン
猫白血病ウイルスのワクチンは混合ワクチンでも接種できますが、猫エイズウイルスのワクチンは単独接種のみになっています。なお、猫白血病ウイルスのワクチンは、すでに猫白血病になっていた場合は接種できないので接種前に感染の有無を確認してから接種するようにしましょう。
【料金の目安】
各3,000円~5,000円程度
3種混合ワクチン
【料金の目安】
3,000円~6,000円程度
4種混合ワクチン
【料金の目安】
5,000円~7,000円程度
5種混合ワクチン
【料金の目安】
5,000円~7,000円程度
6種混合ワクチン
【料金の目安】
6,000円~8,000円程度
1種 | 3種混合(コアワクチン) | 4種混合 | 5種混合 | |
---|---|---|---|---|
猫汎白血球減少症(猫のパルボウイルス感染症) | ● | ● | ● | |
猫ウイルス性鼻気管炎 | ● | ● | ● | |
猫カリシウイルス感染症 | ● | ● | ● | |
猫クラミジア感染症 | ● | |||
猫白血病ウイルス感染症 | ○※どちらか | ● | ● | |
猫カリシウイルス感染 | ○※どちらか |
ワクチン接種で防げる猫の病気とは
ただし忘れてはいけないのは、「ワクチンを打ったからといって病気を100%予防できるわけではない」ということです。ワクチン接種はあくまでも病気の感染リスクを下げること、そして感染した場合の重篤化を防ぐことを目的としています。ワクチンを打ったからと安心するのは禁物です。
ワクチン接種による副作用(副反応)も忘れずに
また、接種後1~12時間の間に起こりやすい副作用として、下痢や嘔吐、注射した部分が赤くなるといった症状が挙げられます。心配のない場合もありますが、念のためワクチンを打った病院にすぐ問い合わせてください。
もちろん「副反応が怖いからワクチンを打たない…」という飼い主さんもいるでしょうが、ワクチンを接種しないことによる感染症のリスクと、副反応が起こる確率を天秤にかけた上で、よく考えてみてください。
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)
文/higarina
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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