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【獣医師監修】子猫からシニアまで、ケージ飼いをすすめる理由!

猫を飼うときに注意したいのがケガや事故ですが、ずっと見張っているわけにはいきません。そこで、猫の安全を確保する手段の1つとして、ケージの利用を紹介します。ケージを使うメリットや慣れさせ方、ルール、置き場所のほかに、手作りアイデアを見てみましょう

ねこのきもち獣医師相談室

愛猫の困りごとや悩みについてアドバイスをする、「ねこのきもち」獣医師チームです。豊富なアドバイス経験をもとにした丁寧な情報発信を心がけています。
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猫用ケージが欲しい理由

ケージにいる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
「自由気ままに過ごす猫にケージは必要ない」と思う飼い主さんも多いと思いますが、それは勘違いかもしれません。ケージは猫にとってメリットがある場所なので、その理由を見てみましょう。

ケージは猫がくつろげる場所になる

野生時代に穴蔵で暮らしていたころの名残で、猫は周囲を囲まれた場所を好みます。ケージのように囲まれた狭い区間は、猫にとって安心できる場所。慣れさえすれば、ケージはいい居場所になるのです。

脱走の防止に役立つことも

荷物の搬入などで玄関を開放しなければならないこともありますが、猫が自由に家の中を歩き回っていると、思わぬタイミングで玄関にやってくる心配が。ケージは猫の行動を制限できるので、中へ入ってもらうことで脱走するリスクを回避できるのです。

誤飲やイタズラを防止できる

猫が自由に動き回ると、イタズラや誤食などの事故が起きる心配も。好奇心旺盛な猫は、何でも触ったり口にしたりしますが、ずっとそばで見守ってもいられません。飼い主さんの目が離れるときにケージを利用することで、危ないものに近付く危険を回避できるでしょう。

複数の猫が同居する場合はケンカを避けられる

ケージの中と外で空間がわけられるので、複数の猫が同居する家では、猫同士のケンカを避けられるメリットもあります。ケンカ後のクールダウンにも使えますし、個別にフードを与えれば食事量の管理にも役立ちます。

災害時には猫の身を守ってくれる

ケージは頑丈な構造をしているので、地震などで倒れる家具や落下物から猫を守ってくれる役割も。日頃からケージに入る習慣をつけておけば、緊急時に逃げ込むシェルターにもなるでしょう。

引越しなどの環境変化にも慣れやすくなる

引越しなどの環境の変化は猫に強いストレスを与えますが、慣れたケージがあることで安心を得られる場合もあります。ケージを布で覆い、狭くて暗い空間を作ってあげれば、警戒心が強い猫でも新しい環境へ慣れていけるかもしれません。

猫のケージの使い方については、以下の記事も参考にしてみてください。

子猫の飼い始め!慣れさせ方や使用法

下からのぞく猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
「子猫は運動能力が低く、行動範囲が限られている」と甘く考えてはいけません。高いところへ登って降りられなくなったり、なぜか隙間に挟まったり、思わぬところに隠れてそのまま眠ってしまうことも。飼い主さんがそばにいられないときには、ケージを利用すると安心でしょう。

ケージに慣れさせるには

ケージに慣れさせるためには、ケージにいい印象を持たせることが大切です。おもちゃを使って誘導したり、ケージの中でフードを与えたりして、猫に「ケージにいるといいことがある」と印象付けましょう。
子猫の頃からケージで過ごさせると自然に慣れてきますが、それでも「出してほしい」と鳴くことが。そこで「かわいそうだから」と出してあげると、鳴けば欲求が通るとインプットされてしまうので、応じない心構えも必要です。

生後3ケ月以降はケージ外でも生活を

子猫の性格によって違いますが、生後3ヶ月くらいから徐々にケージ外の生活に慣らしていきたいです。子猫の中には、ケージを自分の家だと思い使い続けるコもいるので、ケージを残して、猫の居場所として有効活用していくといいでしょう。

シニアになってからでもケージに慣れることはできる?

猫は1日の大半を寝て過ごしますが、その時間はシニア猫になるほど増えてくる傾向が。また、年齢を重ねた猫は小さなことには動じなくなるので、そういう意味では、シニア猫の方がケージを居場所にしてくれやすいかもしれません。ケージに慣らす場合は猫の体調に十分配慮して、無理しないように進めましょう。

ケージの慣れさせ方について、以下の記事も参考にしてみてください。

猫をケージに入れる際のルール

ケージからのぞく猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ケージに入れると猫が好きな場所へ自由に行くことができず、ストレスをためてしまう心配も。また、ずっと狭い場所にいると運動不足になるおそれもあるので、利用にはある程度のルールが必要です。

長時間入れない

猫は狭いケージの中にいると運動不足になり、ストレスもたまります。「5時間以上は入れない」などのルールを作ったうえで、ケージを利用するといいでしょう。

トイレ、寝床、水、フードは必須!

猫がなるべくストレスをためないように、ケージ内にトイレや寝床、水、フードを用意したいです。すべて清潔な状態で使用できるようにしておくことが大切です。

ケージの外にいる時間はいっぱい遊ぼう!

やむを得ない事情でケージに入れることもありますが、その間に猫がストレスをためる心配も。ケージの外に出したら、思いっきり遊んであげてください。ストレス解消と同時に、運動不足解消にもなりますし、飼い主さんと一緒に遊ぶことで信頼関係も深まります。

ケージの選び方や置き方、環境は?

ケージの上にいる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ケージを使う目的は、猫の安全を守り、そこで安心して過ごしてもらうため。猫がケージを気に入ってくれるためには、どんなタイプのケージを選び、どんな環境に置けばいいのでしょうか。

3段タイプが理想的

ケージは行動を制限するからこそ、高さや広さに配慮が必要です。段数が多いものを選べば、猫の好きな上下運動ができるうえ、猫自身の居場所となるスペースも確保できるでしょう。複数の猫が同居している家なら、1匹にひとつずつ置きたいです。

猫がよく過ごす部屋に配置する

ケージを置くのに適している場所は、ふだん猫が過ごす部屋の隅や窓辺です。ケージがあるのが当たり前になれば、猫の自然な居場所になるでしょう。ただ、窓辺は日光が当たり、夏場は暑くなり過ぎる心配も。カーテンを閉めるか、日光が差し込まない場所に移動するなどして、居心地をよくしてあげましょう。

もしものときは中で暮らせるくらいの準備を!

災害などの思わぬ事態に見舞われて、帰宅が遅くなることもあるかもしれません。どんなときも猫が困らないよう、ケージの中には常時猫の生活必需品を置くのが理想的です。衛生面に配慮して、フード、水、猫ベッド、トイレを入れておきましょう。
ただし、おもちゃは見ていない間に誤食する危険性が。猫のストレス発散におもちゃは必要ですが、ケージの中に置かず、飼い主さんと一緒に遊びましょう。

ケージの選び方や置き方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

子猫用ケージを手作りしてみよう!

かわいい子猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
100円ショップで揃えられる材料を使って、子猫用ケージを手作りしてみましょう。1人でも簡単に作れますし、愛猫に合わせてアレンジもできますよ。

材料

・ワイヤーネット
・結束バンド    
・ジョイントマット
・ハサミ

作り方

ワイヤーネットを結束バンドでとめて形をつくります。四方に壁をつくったら天井を形づくり、最後に床にジョイントマットを敷けばOK。その際に気を付けるのは以下のポイントです。

・下の部分に扉を付け、猫が出入りできるようにしておく。
・トイレ、寝床、水、フードが入るサイズに。活発な子猫なら、ミニタワーが入る大きさにしてもOK。
・結束バンドから飛び出た先端部分は、ケガの原因になるのでハサミで切り落とす。

※なお、手作りの猫用ケージは、耐久性や防災の観点からは注意が必要です。
猫のケージ飼いをおすすめしていますが、ケージの中だけで飼育して欲しいのではありません。飼い主さんの忙しい時間や留守中に使用し、ケージで猫の安全をまもってあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2017年12月号『データで見る 愛猫を守るためにできることが見えてくる!イマドキ猫の健康事情』
   「ねこのきもち」2018年10月号『今からでも愛猫の"マイルーム"に ケージで叶うしあわせ猫生活』
   「ねこのきもち」2017年4月号『引っ越しや新入り猫… 苦手な「変化」への慣れさせアイデア集 猫の新生活わが家の場合。』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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