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【獣医師監修】猫にバナナを与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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猫が少量のバナナを食べても問題ありませんが、与える際は注意が必要です。バナナの皮やすじのほか、バナナチップやバナナジュースなどは猫にとってリスクがあります。「完全食」と呼ばれるバナナでも、与え方次第でデメリットになることもあるため、嫌がる猫に無理に与える必要はないでしょう。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

猫にバナナを与えるときは与えすぎに要注意

黄色い背景にバナナ
Antonio Jarosso/gettyimages

栄養豊富なバナナには猫の健康を害する成分が入っていないため、猫が少し食べるくらいなら問題ないといわれています。与える際には、皮やすじを取り除き、小さくカットするかペースト状にすることで食べやすくなるでしょう。

ただし、猫の栄養補給のために積極的に与えてよい食材ではありません。バナナにはカルシウムやマグネシウムなどが含まれているため、与えすぎると尿路結石症などの病気を引き起こすことがあります。またカリウムの含有量が多いため、過剰摂取により高カリウム血症を発症する恐れがあるほか、腎臓疾患や心機能が低下している猫に与えると、現在の病態を悪化させてしまう危険性が高まるためとても注意が必要になります。さらに、バナナは粘性が高いので、歯に詰まって歯周病の原因になることもあります。

バナナは、栄養バランスのよい食材といわれますが、それは人間の場合に限られます。肉食動物である猫に必要な栄養素が過不足なく含まれているわけではないので、嫌がる猫に無理にバナナを与える必要はないでしょう。当然ながら、糖分が多く含まれているバナナチップやバナナジュースなどの人間用加工品を与えるのもNGです。

バナナのおもな栄養素|水分とタンパク質が豊富!ミネラルも多い

ハンモックでスコ座りのスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

バナナに含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー40kal
水分93g
タンパク質75.4g
脂質1.1g
炭水化物0.2g
灰分(無機質)22.5g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

猫がバナナを食べるメリット|エネルギー源である糖類や食物繊維、ビタミン、ミネラルを摂取できる

美人顔のミヌエット
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

完全食ともいわれるバナナには、豊富な栄養素が含まれています。猫にとってメリットとなる栄養素について見ていきましょう。

糖類|速効性・持続性のあるエネルギー源となる

糖類にはブドウ糖、果糖、ショ糖などの種類がありますが、糖の種類によって体内で吸収されるスピードが違います。バナナのような異なる種類の糖がバランスよく含まれた食材を摂取すると、持続的にエネルギーを生み出すことが可能になります。


単糖類であるブドウ糖や果糖は、それ以上分解する必要がない糖分なので、もっとも速効性のあるエネルギー源として活躍します。なかでもブドウ糖は、脳に必要不可欠な栄養源として知られています。また、二糖類に分類されるショ糖なども、単糖類に次ぐ速さで体内に吸収されてエネルギー源となります。

食物繊維|便秘改善や腸内環境を整えるのに役立つ

食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つに大別されますが、バナナには両者がバランスよく含まれています。

不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸内で便のかさを増やしてぜんどう運動を促し、便秘を改善する効果があるといわれています。一方の水溶性食物繊維は水に溶けやすく、水分を含むと粘性を持つのが特徴です。胃腸の中をゆっくりと進んでいくので、血糖値の上昇を抑えることができるほか、腸内で善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きも期待できます。

ビタミン|ビタミンCは抗酸化に、B2、B6はエネルギー代謝に役立つ

バナナにはとくに水溶性ビタミンであるビタミンC、B2、B6が多く含まれています。いずれも猫が食事から摂取する必要のある栄養素です。

ビタミンCには抗酸化作用があり、体内の酸化によるダメージを軽減するほか、関節の消耗による病気を予防する効果などが期待できます。さらに人では高濃度のビタミンCの給与が癌の予防などに効果的であると報告され非常に注目されているビタミンです。猫が人と同じ効果が得られるかどうかははっきりとわかっていませんが、食事から補助的に与える程度は体にとってよい効果が期待できると思われます。

また、ビタミンB2、B6は、エネルギー代謝に関わる補酵素の働きを持つ栄養素で、B2には脂質の代謝を、B6にはタンパク質の代謝を助ける働きがあります。またビタミンB2は皮膚や被毛の健康にも役立ちます。

ミネラル|エネルギー代謝や歯や骨の健康などをサポート

動物の体内に多く存在する主要ミネラルは7種類ありますが、バナナにはそのうちのカリウム、マグネシウム、カルシウム、リンなどが多く含まれています。このうち、とくに含有量が多いのはカリウムです。

カリウムは、エネルギー代謝や神経刺激の伝達に役立つほか、ナトリウムとともに体内の酸性とアルカリ性のバランスを保つ役割を果たします。またマグネシウムは、エネルギー代謝全般に関わり、歯や骨の健康をサポートします。カルシウムは神経刺激の伝達や筋肉収縮などに、リンはエネルギー代謝などに関わっていますが、さらに両者が結合すると骨や歯の健康を維持するのに役立ちます。

なお、ミネラルは、ミネラル同士でバランスよく摂取する必要があるといわれています。猫の場合はとくにカルシウムとリンのバランスが重要で、摂取比率はカルシウム1~3に対してリン1が理想とされています。

稀に起こる食物アレルギーに注意

猫がタンパク質を含む食材を食べると、まれに食物アレルギーを起こすことがあります。バナナにもタンパク質が含まれているので、まれに嘔吐や下痢、皮膚炎などのアレルギー反応が生じることも。タンパク質を含む食材を与える際にはまず少量を与えてみて様子を見ることをおすすめします。

猫がバナナを食べるデメリット|カリウム、カルシウム、マグネシウムの過剰摂取に注意、歯周病の恐れもあり

ごめん寝がかわいいアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫がバナナを食べることで、健康上のリスクを伴うこともあります。以下のようなデメリットに注意しましょう。

カリウム|低カリウム血症や高カリウム血症に注意

前述のとおり、カリウムはナトリウムとのバランスが大事です。体内でどちらかが過剰または不足すると、体にさまざまな不調をきたします。バナナに含まれるナトリウム量は微量なので、過剰摂取するとミネラルバランスが崩れる恐れがあります。


カリウムの過剰摂取、または腎不全などでカリウムが適切に体外に排出されない場合は、高カリウム血症になる恐れがあります。高カリウム血症では、嘔吐や筋力低下、四肢のしびれ、不整脈や頻脈などの脈拍異常といった症状が現れ、とくに不整脈が生じると、最悪の場合は心停止につながることもあり危険です。腎臓疾患や心機能が低下している猫のカリウム摂取には、十分に注意してください。

一方、腎臓病の猫は、嘔吐や多尿などでカリウムが失われると、低カリウム血症になることがあります。その場合は総合栄養食などで食事療法を行い、カリウムを適切に補給する必要があります。

カルシウム|シュウ酸カルシウム結石に注意

バナナにはカルシウムが豊富に含まれていますが、カルシウムを過剰に摂取すると、シュウ酸と結びついてシュウ酸カルシウム結石が形成され、尿路結石症を発症する場合があります。とくに7歳以上のシニア期の猫や、現在尿路結石症を患っている、過去に患っていたなどの猫には注意が必要です。

マグネシウム|ストルバイト(ストラバイト)結石に注意

バナナに含まれるマグネシウムの過剰摂取により、尿中のマグネシウム濃度が高まると、ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)が形成されることがあります。とくに1~6歳の成猫に多く見られるため注意しましょう。カルシウムと同様、現在尿路結石症を患っている、過去に患っていたなどの猫には注意が必要です。

歯のケアを怠ると歯茎が炎症を起こし、歯が抜けることも

食べかすが歯に挟まって細菌がたまると、プラーク(歯垢)が蓄積され、歯茎が炎症を起こして歯周病を発症することがあります。歯周病になると、出血したり歯がグラグラしたり、抜けることもあり、食事が困難になってしまうため注意が必要です。

とくに、バナナのように柔らかくて粘度の高い食べ物は歯に詰まりやすく、歯周病の原因になりやすいといわれているため、必要に応じて口腔内のケアを行うことも有効です。

猫にバナナを与えるときの注意ポイント|皮やすじを除き、実を小さくカットするかペースト状に

窓辺の猫草とベンガル
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫にバナナを与える際の注意ポイントを確認しましょう。

与えてよい部位

猫に与えてよいのはバナナの実の部分です。バナナの皮は固くて消化に悪いため、必ずむいてください。またバナナのすじ(維管束)も消化に悪いので、取り除きましょう。

与えるときの適量

猫にバナナを与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、猫の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。

猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg60g~70g(中サイズ約5/7~5/6本)

※数値は、避妊・去勢済みの猫で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

調理方法

バナナを猫に与える際は、食べやすいように小さくカットするか潰してペースト状にしたものを用意しましょう。粘性があるので、のどに詰まらせないように注意が必要です。また、冷たいバナナはお腹を冷やして下痢の原因になることがあるので、必ず常温のものを与えてください。

そのほかの注意事項

バナナチップやバナナジュースなど、人間用に加工されたものは与えてはいけません。バナナチップには、油で揚げたものや砂糖などが添加物されているものが多く、バナナジュースにも砂糖や牛乳などが使われていて、猫にとっては害となる場合があります。このほかにも、バナナケーキやバナナアイスなど人間用に味つけされたものを与えるのはNGです。

バナナはあえて与えなくてもよい

猫がバナナをたまに少し食べるくらいなら問題ありませんが、そもそも猫は甘味を感じないこともあり、バナナを好んで食べる猫は少ないようです。完全食といわれるバナナは人間にとってはメリットの多い食材ですが、猫にとってはリスクになることもあるので、総合栄養食を与えているのであれば、あえて栄養補給のために与える必要はないでしょう。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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