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猫にバナナを与えても大丈夫? 栄養成分からアレルギーまで

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甘くて栄養満点なバナナ。単なるスイーツとしてだけでなく病中病後の栄養補給や育ち盛りの子どものおやつなんかとしても人気がありますよね。そんな栄養満点のバナナ。もし、あなたの愛猫が食べてしまったらどうでしょう。

結論から言えば、バナナは与えても良いし与えなくても良い食品になります。バナナに実に含まれる成分の中に、猫の健康を脅かすものは入っていないとされています。しかし、いくら安全な食べ物だからといってもバナナは本来、猫が自然界で食べる食材ではありません。与えるときにはそれなりの注意が必要になるのです。今回は、バナナの持つ栄養成分から正しい与え方まで詳しく説明します。


監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )

バナナの栄養素

皿にバナナをカットします。
kuppa_rock/gettyimages

バナナはバショウ科に属する植物で、大昔の日本ではそのものズバリ芭蕉と呼ばれていました。バナナの木は、高さ数メートルにもなりますが分類上は草であることから、正確には果物ではなく野菜に定義されます。

基本的にはバナナに興味を示す猫はそうそういないとは思いますが、中には興味を示して好物の猫もいるかもしれませんね。

バナナに含まれる栄養素とは?

バナナは総合栄養食とも言われ、豊富な栄養素を含んでいます。ビタミン類のほかにもカリウムやマグネシウムを含んでおり、高血圧などの抑制に効果があると言われているのです。特筆すべきは、多様な糖類が含まれていることで、ブドウ糖、果糖、ショ糖などがバランスよく配合。

それぞれの糖は吸収される時間が違うため、持続的にエネルギーを生み出すことが可能です。アスリートが補助食品としてバナナを取り入れることが多いのはこういった理由からなのです。

肉食動物で獲物を狩るために大量のエネルギーが必要となる猫にとってもバナナの持つ高い栄養価は魅力です。ただし、それは安定して食事が得られない環境にいる猫の場合の話です。飼い猫の場合、逆にバナナの持つ栄養価がリスクとなってしまう場合もあるのです。

バナナは何を買えばいい?

スーパーには値段の違うたくさんのバナナが並んでいるのを見たことがあると思いますが、そのほとんどはキャベンディッシュという種類のバナナです。世界的に見ても流通している半分以上のバナナはこのキャベンディッシュで値段の違いは、産地や大きさ、形などによるものなのです。また、キャベンディッシュとは別に、小さくて房がたくさんついているバナナを見かけたことがあると思いますが、こちらはレディフィンガー。日本ではモンキーバナナの愛称で親しまれています。

猫にピッタリサイズ、なんて思うかもしれませんが、猫にとってはレディフィンガーでもまだまだ大きすぎるぐらいですので注意しましょう。

猫にとってバナナを食べるメリットとは?

猫がバナナを食べるメリットはありません。雑食性が残る犬と違い、猫は完全肉食動物で野菜や果物から栄養素を補給する必要がないと言われているのです。また、現代のキャットフードには、猫に必要だと考えられる栄養素が配合されていることもあり、あえて、バナナを与える必要はありません。

人間は、バナナを食べると甘くて美味しいと感じますが、猫の舌には甘さを感じる味蕾がありません。猫の舌は、どちらかというと苦味に強く反応します。これは、新鮮な肉と腐った肉の味を見分けるためだと言われているのです。

したがって、バナナを欲しがる猫ちゃんがいたとしても、それは、味覚や栄養補給のためではなく、食感が気に入ったとか、飼い主が美味しそうに食べているからといった理由であると考えられるのです。

猫にバナナを与えるときの注意点

MIX茶トラの風太くん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫の口腔内には、もともと虫歯の原因菌と考えられているミュータンス菌が存在していません。これは、生まれたばかりの人間の赤ちゃんも同じなのですが、人間の赤ちゃんの場合は、親からのキスや給餌などの際にミュータンス菌が運ばれ、虫歯になる原因が生じてしまうのです。

猫の場合は、さらに口腔内のpHが人間とは異なるため、たとえ、飼い主が口に含んだものを与えることによってミュータンス菌が移されたとしても、口腔内の常在菌にはなれないと考えられているのです。

つまり、猫の場合、バナナがどんなに甘くても、どんなにたくさんの種類の糖類が入っていたとしても虫歯になる心配はないと考えられるのです。

歯周病には要注意

猫にとって虫歯は大丈夫であっても歯周病は注意しなければいけない病のひとつです。人間と同じように、歯周病は食べかすが歯に挟まり、そこに細菌がたまり歯垢が蓄積することで歯茎が炎症を起こす病気です。猫は肉食動物であることから、獲物を仕留める、肉を切り裂くための犬歯や切歯は発達していますが、犬や人間のように奥歯が臼歯として発達していないため、歯周病のリスクも若干下がりますが、それでも長く生きた猫の場合、深刻な歯周病を患うことが少なくないのです。

バナナのような、柔らかく粘度の高い食べ物は、歯に詰まりやすいため歯周病の原因になりやすいと考えられるのです。

カロリーに注意

肥満が問題なのは人間だけではありません。犬や猫といったペットの中にも肥満や糖尿病に罹患しているケースが少なくないのです。バナナ1本あたりのカロリーは86kcalほどで、これはご飯で言えばお茶碗半分、パンで言えば6枚切りの食パンの1/2枚に相当します。

栄養バランスの優れたバナナを食事に置き換えることでダイエットにもなるなど、低カロリーな上、タンパク質も摂取できる食材として注目されていますが、これはあくまで人間のお話。体重で言えば猫の20倍前後もある人間だから低カロリーと言えるのであって、猫に取ってはバナナ1本あたりのカロリーはとんでもなく高いものになってしまうのです。

猫にとって適量のバナナとは

もし、愛猫がバナナを欲しがってしょうがないといった場合でも与える量には十分な注意が必要です。単純計算で1本の1/20程度を目安に与えましょう。間違っても皮を与えてはいけません。バナナの皮は想像以上に頑丈で、猫の消化器官に大きな負担をかけることになるからです。

また、バナナに沿って細い筋のようなものが付いているのを見たことがあると思いますが、あれもしっかり取り除いてあげてください。あの筋は「維管束」といって、バナナの実に栄養を運ぶ、いわゆる血管のような役目をするもので、非常に豊富な栄養分を含んでいることで知られています。

人間にとっては、ぜひ取るべき維管束ですが、前述の通り、猫ちゃんにとっては栄養過多が一番の問題です。面倒がらずにキレイに除去してあげましょう。また、この維管束。長いものを適当な大きさに噛み切ることが苦手な猫ちゃんは、そのまま飲み込んでえづく原因になってしまうこともあるのです。

冷たいバナナはだめ 

よく、夏になるとペットも暑がっているからといって、飲み水の中に氷を入れてあげたり、キャットフードを冷蔵庫で冷やして与えたりする飼い主の方がいますが、これは猫にとってはありがた迷惑です。もともと、内蔵がもっとも活発に活動する温度というのは、その動物の体温と同じか、若干高い温度と言われているのです。

暑いから冷たいものをという考えは、人間の嗜好から来ているもので自然に近い猫の場合、体調不良の原因にこそなれ、うれしいことではありません。冷たく冷えた食べ物が腸内に入ると、腸は正常に機能することができず、消化・吸収といった作業に支障をきたしてしまうのです。その結果、食欲不振、嘔吐、下痢などといった症状が出てしまうこともあるのです。

人間と比べれば口から腸までの長さもはるかに短い上、猫の腸は肉食動物ということでほかの雑食動物や草食動物と比べて、よりも短い構造になっているのです。バナナを与えるときも、たとえ冷蔵庫で保管していたものでも常温に戻すなどしてから与えるようにしましょう。

細かく切って与える

また、バナナを与える際は、細かく切って与えることも大切です。猫の歯は食べ物をすりつぶすことに向いておらず、バナナなど柔らかいものは噛み切りにくい食べ物になります。喉に詰まらせたり、上顎に貼り付いたりしないよう、できるだけ小さく切るか、思い切ってペースト状にして与えるようにしましょう。

猫にバナナを与える際は少量にすること

アメリカンショートヘアのほたてくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

バナナは猫に与えても問題のない食べ物ですが、与える際にはいくつか注意点があることが分かっていただけたと思います。バナナはできるだけ常温で、皮と維管束をしっかり取り除き、1本の1/20程度を細かく切って与えるようにしましょう。また、はじめて猫にバナナを与える時は、ごく少量だけ与えてみて様子をみることをおすすめします。もし、普段と違う行動を取るようならすぐにかかりつけの獣医に相談するようにしてください。

監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )



監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )
博士(獣医学)東京大学。
所属学協会:日本獣医麻酔外科学会、日本獣医救急集中治療学会、日本麻酔科学会、日本獣医学会、日本獣医師会 / 北海道獣医師会、動物臨床医学会、日本動物病院福祉協会、日本動物リハビリテーション学会
著書:「犬と猫のリハビリテーション実践テクニック―ひと目でわかる理学療法の必修ポイント!!」(インターズー)、「動物医療チームのための痛みのケア超入門(as BOOKS)」(インターズー)など多数。

文/BE
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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