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沈黙の臓器『すい臓』 シニア猫は特に注意したい「すい炎」の原因や症状などを解説します

人のすい臓や肝臓は、病気になっても症状が出にくいことから、“沈黙の臓器”と呼ばれています。これは猫にも当てはまるため、すい臓や肝臓の病気は、早期発見や予防に努めることが大切です。
今回は、すい臓の病気である「すい炎」について、原因や症状、治療法などを詳しく解説します。

「すい臓」はどういう臓器?

撫でられる猫
Magui-rfajardo/gettyimages
すい臓は、食べ物を消化する働きをもつ臓器です。肉や脂肪を分解するすい液や、血糖値を調整するインスリンなどを分泌しています。

少し前まで、すい臓の病気は診断が難しいとされていました。しかし最近は血液検査の精度が上がり、正確な診断がくだせるようになってきています。
猫は泌尿器の病気になりやすいため、腎臓や膀胱の病気と比べると、消化器であるすい臓の病気は少なめです。しかし、前述したとおり検査技術の向上により、すい臓の病気と判断される猫は増加傾向にあります。

すい臓や肝臓の病気になりやすい猫は?

眠る猫
Korkiat/gettyimages
肥満体型の猫や高齢の猫は、すい臓や肝臓の病気になりやすいといわれています。ただ、標準体型の若い猫だからといって、絶対に発症しないわけではありません。どの猫でもリスクがあることは、忘れないようにしましょう。

また、猫種による発症しやすさの違いはないようです。

「すい炎」とは

おもちゃで遊ぶ猫
Okssi68/gettyimages
「すい炎」とは、なんらかの要因ですい臓に炎症が起こっている状態のことです。急性すい炎と慢性すい炎があり、それぞれ原因や症状が異なります。

急性すい炎

急性すい炎は、高い家具から落ちる、ベランダから誤って転落するなど、事故で胴体を強く打ち付けたことが原因の場合が多い病気です。漏れたすい液がすい臓自体を溶かしてしまい、激しい炎症を引き起こします。

急激な炎症により、腹部に強い痛みが出るため、じっとうずくまって痛みに耐える猫が多いようです。明らかに具合が悪いことが見て取れるので、比較的気付きやすいといえます。

慢性すい炎

慢性すい炎は、胆管と肝臓が炎症を起こす「胆管肝炎」などの病気の一部として発症すると考えられています。ゆっくりとすい臓の機能が低下していくのが特徴です。

慢性すい炎の症状は、嘔吐する回数が少し増える、少し体調が悪そう、やや食欲が落ちる、といった、わかりにくいものばかり。急性すい炎と比べると、発症は気付きにくいです。

「すい炎」の検査方法と治療方法

こちらを見る猫
kaorinne/gettyimages
血液検査・レントゲン検査・超音波検査などを行い、症状と合わせて総合的に診断されます。

現状、すい炎に特効薬はありません。点滴をして絶食させ、すい臓の炎症が治まるのを待つのが一般的です。他にも、抗生物質やステロイドホルモン剤を投与したり、黄疸が出ている猫は手術をしたりと、必要に応じた治療が行われます。
すい炎を含む消化器系の病気は、飼い主さんの心がけで予防することが可能です。

・定期的に健康診断を受ける
・猫を肥満にさせない
・人の食べ物をむやみに与えない

この3つを心がけ、愛猫の健康維持に努めましょう。
参考/「ねこのきもち」2016年11月号『症状に気付きにくい“沈黙の臓器”だから 進行すると怖い 肝臓とすい臓の病気』(監修:日本大学生物資源科学部 獣医学科獣医外科学研究室教授 附属動物病院外科長 浅野和之先生)
文/higarina
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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