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【獣医師監修】猫の迎え入れ前に!快適な生活スペース・部屋作りのポイント

子猫や成猫を迎え入れる前に、猫の生活スペースを作る必要があります。猫が室内で生き生きと元気に暮らすためには、適度に刺激を感じられて、かつ安心感を得られる環境作りが大切です。猫の生活スペース作りのポイントを知って、猫が新しい生活を楽しくスタートできるように準備しましょう。

猫グッズの置き場所を工夫する

フードボウル・寝床(猫ベッド)・トイレ・爪とぎ器・ケージといった、猫グッズの最適な置き場所について解説します。

生活スペースについて

新しい環境にとまどってビクビクしている猫を、可愛いからと必要以上に構ったり触ったりしないようにしましょう。家に着いたらキャリーケースに入れたままか、あるいは部屋の中に猫用の生活スペースを整えてそこに入れ、食事とトイレと、自由に歩かせる時間以外は構わないようにしましょう。
生活スペースは、居間や食堂など家族が集まるにぎやかな場所でなく、その隣ぐらいの、観察しやすい部屋がベストです。

成猫の場合は、部屋を1つ決めて、最初は、その部屋を猫の生活スペースとするのがよいでしょう。その部屋は、誤飲誤食をしないように小さなものを出しっぱなしにしないようにしたり、感電しないようにコンセントやコードを保護したりするなど、猫にとって危険なものがないようにしましょう。
子猫の場合は、半畳ぐらいのスペースを囲って、部屋のコーナーに生活スペースを作るか、ケージを置いてあげましょう。出入り口やテレビの脇などは落ち着かないので避けてください。

フードボウルや水の置き場所について

成猫の場合は、落ち着いて食事ができる、静かな場所がいいでしょう。人目に付かない部屋の隅や比較的人の出入りが少ないキッチンも、飼い主さんがお世話をしやすいのでおすすめです。猫はきれい好きで嗅覚も優れているので、器はトイレからなるべく離れた場所に置くようにしましょう。
子猫の場合は、半畳ほどに区切ったスペースの中に、トイレや寝床と一緒に近くに置きます。

寝床(猫ベッド)について

子猫の場合は、寝床はベッドでも、キャリーケースに毛布を入れたものでもOKです。家具などの足場があると、猫はすぐジャンプして柵の外に出てしまうので、寝床は壁際のコーナーに接するように置きましょう。前の飼い主さんや保護主さんなどに猫自身のニオイのついた布類をもらえれば、それも入れるとよいでしょう。子猫の場合、迎え入れから落ち着くまでの2~3週間は、穴を開けた段ボール箱を寝床として代用できます。穴の縁は布テープで保護してください。

成猫の場合は安心できる部屋の隅や、少し高さのある場所や窓のそばに置くのがベターです。またフレンドリーな猫なら、ソファの上など飼い主さんに近い場所、臆病な猫なら机の下に置いたり、部屋の隅っこに置いたりするなど愛猫の性格に合わせて置き場所を選ぶのもいいでしょう。

トイレについて

トイレの数は、置けるなら、「猫の匹数+1個」が理想的です。
猫は、本来、砂の上でしか排泄しない習性があるので、特別トイレの場所をしつける必要はありません。また子猫の場合も自分の排泄臭がする場所をトイレと認識するので、できれば排泄物のニオイのついたトイレ砂を新しいトイレ砂に混ぜてあげるとトイレの場所を、よりスムーズに覚えるでしょう。

トイレの場所は、子猫は囲った生活スペースの中に設置しましょう。
成猫は、テーブルの下や部屋の隅など囲まれた場所や、なるべく人が通らない場所など落ち着ける環境に設置するのがよいでしょう。

爪とぎ器について

寝起きや伸びのついでなどにも爪とぎをしますから、爪とぎ器も生活スペースに用意しましょう。
猫にとって爪とぎは本能的な行動なので、やめさせることはできません。爪をといでいい場所がないと、壁や家具などで爪をといで傷つけられる可能性もあります。壁や家具で爪をといで、そこに肉球から出るニオイが付くと、以後猫はそこを爪とぎの場所と認識してしまいます。
早めに爪とぎ器で爪をとぐことに慣れさせてください。用意した爪とぎ器でとぐ習慣が付くとそんな心配もなくなります。爪とぎ器は床と垂直と水平、両方向にとげるように設置してください。

出っ張りや縄張りの出入り口でマーキングをするので、爪とぎ器は部屋のドアや目立つ家具などの近くに置くといいでしょう。また爪とぎはストレッチの役割もあるので、寝床の近くに置けば寝起きに伸びをしながら爪とぎができます。

ケージについて

部屋にコーナーを作る以外に、ケージを置いてあげるのも、猫にとっての生活スペースになります。頑丈な囲いのケージは、一見オリのようで「猫を閉じ込める」と感じるかもしれませんが、猫は四方を囲まれた狭い空間が好きなので、ケージが快適なら猫も気に入るはずです。

生活スペースとしてケージを利用する場合、食事や睡眠、トイレの場所を分けられる2段、3段の高さがあるタイプを選びましょう。猫は床面積が広いことより、上下に移動できる空間があるほうが安心するためです。キャスター付きなら移動もラクに。ケージは、壁に接した部屋のコーナーに置くと猫も落ち着けます。
逆に避けたいのはキッチン、階段付近、テレビやドアの脇など、人の出入りが多くて騒がしい場所。人と同じく湿気がなくて風通しのいい場所が、猫も快適なのです。ケージ内にトイレを設置してもOKです。

事故にならないように部屋を整える

人が普段生活しているスペースの中には、誤食・感電といった事故の危険になりそうな
状況がたくさんあります。物はできるだけ収納して、猫の開けられない場所にしまいましょう。
詳しくは、こちらも見てください。

猫が楽しく過ごせる4つの快適スペースを作る

最後に、猫がさらに室内で楽しく過ごせる、4つの快適スペースの作り方もご紹介します。

【1】外の様子が見える場所:外の景色・ニオイがいい刺激に

室内飼いの猫にとって、刻々と変化する空の様子や鳥などを眺めることは、生活の中でいい刺激になります。窓のカーテンをいくつか開けておくなど、外の景色がよく見える場所を用意するといいでしょう。
また、猫は優れた嗅覚で、ニオイからあらゆる情報をキャッチします。飼い猫は、室内に自分のニオイを残して安心する一方で、外のニオイから刺激を感じてワクワクします。そのため外の新鮮な空気を嗅げると、目新しさにワクワクするはずです。飼い主さんが家にいる間は、網戸にした窓の前など猫が外のニオイを満喫できる場所も用意してあげるといいでしょう。

ただし、見慣れない猫を怖がることもあるので、なるべくノラ猫と対面させないように気をつけてください。ノラ猫が近くまで来る窓はカーテンを閉めた状態にしたり、目隠しをしたりするなど、対面させない工夫をしましょう。

【2】暗くて狭い場所: いざというときに身を隠せる場所があると安心

猫は野生の頃、外敵から身を守るために、岩穴などに身を隠して休息していました。そうした警戒心の名残から、現在も来客などの見知らぬ人や大きな音に驚いたときに、怖がって逃げる様子が見られることがあります。そんなときのために、猫がさっと身を隠すことができる、暗くて狭い場所を用意しましょう。

例えば、クローゼットのドアを少し開けておき、中にフタを開けた段ボール箱を置くと、猫にとって、いい隠れ家になります。押し入れなどに扉を開けたキャリーケースを置いてもOKです。猫が身を隠せて、安心できるスペースになります。

【3】高さがある場所:室内を眺めたり上下運動したりすることで心も体も健康に

もともと猫は、木に潜む虫や鳥を捕まえるときなどに、木に登る機会がありました。それと同様に、室内で暮らす猫も、高い場所に飛び乗ることで狩りの本能が満たされて、「楽しい」と感じます。また、周囲を見渡して安全を確認できるので、安心感も得られるようです。

こうした欲求を満たせるように、例えば猫タワーや高さのある家具など、猫が自由に乗ってもいい場所をいくつか用意してあげるといいでしょう。また、猫タワーや棚を並べると、アスレチックのように運動スペースが広がって、猫はより楽しむことができます。

【4】静かな寝場所: 騒がしくない場所ほど安眠できる

野生時代の猫は、岩穴など落ち着ける場所でたっぷりと睡眠をとり、狩りに備えていました。室内で暮らす現在も、睡眠は大切な欲求のひとつで、安心できる環境を好みます。ですから、猫が落ち着いて眠れるように、猫用のベッドは、ドアの近くや人の通り道などを避けておくといいでしょう。また猫が寝ているときは、近くで走り回らないようにするなど、静かにしてあげましょう。
猫ベッドは、ソファの下や家具同士の間などの薄暗い場所や、部屋の隅などに置いても、身を隠せることで猫は安心して眠れるでしょう。
子猫から成猫まで、猫の生活スペース作りで大切なポイントをお伝えしました。猫の習性や個々の性格に合わせて、愛猫が快適に過ごせる環境を整えてあげてくださいね。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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