猫と暮らす
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【獣医師監修】猫の迎え入れ前に!快適な生活スペース・部屋作りのポイント
子猫や成猫を迎え入れる前に、猫の生活スペースを作る必要があります。猫が室内で生き生きと元気に暮らすためには、適度に刺激を感じられて、かつ安心感を得られる環境作りが大切です。猫の生活スペース作りのポイントを知って、猫が新しい生活を楽しくスタートできるように準備しましょう。

長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
猫グッズの置き場所を工夫する
生活スペースについて
生活スペースは、居間や食堂など家族が集まるにぎやかな場所でなく、その隣ぐらいの、観察しやすい部屋がベストです。
成猫の場合は、部屋を1つ決めて、最初は、その部屋を猫の生活スペースとするのがよいでしょう。その部屋は、誤飲誤食をしないように小さなものを出しっぱなしにしないようにしたり、感電しないようにコンセントやコードを保護したりするなど、猫にとって危険なものがないようにしましょう。
子猫の場合は、半畳ぐらいのスペースを囲って、部屋のコーナーに生活スペースを作るか、ケージを置いてあげましょう。出入り口やテレビの脇などは落ち着かないので避けてください。
フードボウルや水の置き場所について
子猫の場合は、半畳ほどに区切ったスペースの中に、トイレや寝床と一緒に近くに置きます。
寝床(猫ベッド)について
成猫の場合は安心できる部屋の隅や、少し高さのある場所や窓のそばに置くのがベターです。またフレンドリーな猫なら、ソファの上など飼い主さんに近い場所、臆病な猫なら机の下に置いたり、部屋の隅っこに置いたりするなど愛猫の性格に合わせて置き場所を選ぶのもいいでしょう。
トイレについて
猫は、本来、砂の上でしか排泄しない習性があるので、特別トイレの場所をしつける必要はありません。また子猫の場合も自分の排泄臭がする場所をトイレと認識するので、できれば排泄物のニオイのついたトイレ砂を新しいトイレ砂に混ぜてあげるとトイレの場所を、よりスムーズに覚えるでしょう。
トイレの場所は、子猫は囲った生活スペースの中に設置しましょう。
成猫は、テーブルの下や部屋の隅など囲まれた場所や、なるべく人が通らない場所など落ち着ける環境に設置するのがよいでしょう。
爪とぎ器について
猫にとって爪とぎは本能的な行動なので、やめさせることはできません。爪をといでいい場所がないと、壁や家具などで爪をといで傷つけられる可能性もあります。壁や家具で爪をといで、そこに肉球から出るニオイが付くと、以後猫はそこを爪とぎの場所と認識してしまいます。
早めに爪とぎ器で爪をとぐことに慣れさせてください。用意した爪とぎ器でとぐ習慣が付くとそんな心配もなくなります。爪とぎ器は床と垂直と水平、両方向にとげるように設置してください。
出っ張りや縄張りの出入り口でマーキングをするので、爪とぎ器は部屋のドアや目立つ家具などの近くに置くといいでしょう。また爪とぎはストレッチの役割もあるので、寝床の近くに置けば寝起きに伸びをしながら爪とぎができます。
ケージについて
生活スペースとしてケージを利用する場合、食事や睡眠、トイレの場所を分けられる2段、3段の高さがあるタイプを選びましょう。猫は床面積が広いことより、上下に移動できる空間があるほうが安心するためです。キャスター付きなら移動もラクに。ケージは、壁に接した部屋のコーナーに置くと猫も落ち着けます。
逆に避けたいのはキッチン、階段付近、テレビやドアの脇など、人の出入りが多くて騒がしい場所。人と同じく湿気がなくて風通しのいい場所が、猫も快適なのです。ケージ内にトイレを設置してもOKです。
事故にならないように部屋を整える
状況がたくさんあります。物はできるだけ収納して、猫の開けられない場所にしまいましょう。
猫が楽しく過ごせる4つの快適スペースを作る
【1】外の様子が見える場所:外の景色・ニオイがいい刺激に
また、猫は優れた嗅覚で、ニオイからあらゆる情報をキャッチします。飼い猫は、室内に自分のニオイを残して安心する一方で、外のニオイから刺激を感じてワクワクします。そのため外の新鮮な空気を嗅げると、目新しさにワクワクするはずです。飼い主さんが家にいる間は、網戸にした窓の前など猫が外のニオイを満喫できる場所も用意してあげるといいでしょう。
ただし、見慣れない猫を怖がることもあるので、なるべくノラ猫と対面させないように気をつけてください。ノラ猫が近くまで来る窓はカーテンを閉めた状態にしたり、目隠しをしたりするなど、対面させない工夫をしましょう。
【2】暗くて狭い場所: いざというときに身を隠せる場所があると安心
例えば、クローゼットのドアを少し開けておき、中にフタを開けた段ボール箱を置くと、猫にとって、いい隠れ家になります。押し入れなどに扉を開けたキャリーケースを置いてもOKです。猫が身を隠せて、安心できるスペースになります。
【3】高さがある場所:室内を眺めたり上下運動したりすることで心も体も健康に
こうした欲求を満たせるように、例えば猫タワーや高さのある家具など、猫が自由に乗ってもいい場所をいくつか用意してあげるといいでしょう。また、猫タワーや棚を並べると、アスレチックのように運動スペースが広がって、猫はより楽しむことができます。
【4】静かな寝場所: 騒がしくない場所ほど安眠できる
猫ベッドは、ソファの下や家具同士の間などの薄暗い場所や、部屋の隅などに置いても、身を隠せることで猫は安心して眠れるでしょう。
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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