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【獣医師監修】猫との暮らしにかかるお金は?年間費用や治療費の例を紹介

猫との暮らしには、フードや日用品、治療費など、お金がかかります。飼い始めてから経済的な理由で困らないように、あらかじめ必要な費用を知っておきましょう。

猫を飼うと毎年いくら必要になるの?

これから猫を飼おうかなと考えている人の中には、「猫を飼うのに、年間どれくらい費用がかかるの?」と思っている人も多いはず。
アニコム損害保険株式会社では、毎年年間にかかる費用を調査しています。その調査では、1年間にかかる費用は約16万円*のようです。フード・おやつや治療費、ペット保険料、日用品などが主な支出項目です。

*アニコム損害保険株式会社 ペットにかける年間支出調査(2016)より

病気の治療や手術にかかる費用は?

ふだんの食費やトイレ砂代など以外に、猫が病気になったときの治療費についても知っておいたほうがよいでしょう。いざ愛猫が病気になると動揺するものです。必要になる治療費の全体像をイメージし、さらに備えができていれば心を落ち着けて治療に専念できます。

猫にかかる治療費の総額は、生涯で70万3055円

内訳は以下のようになります。
治療費3万5226円(一年間の平均額)/年×16年(飼い猫の平均寿命)=56万3616円・・・(1)
予防注射費7404円(一年間の平均額)/年×16年(飼い猫の平均寿命)=11万8464円・・・(2)
去勢・避妊手術費 2万975円・・・(3)
(1)+(2)+(3)=70万3055円(生涯にかかる猫の治療費)

※東京都生活文化局「ペットに関する調査報告書」より 
※飼い猫の平均寿命は一般社団法人ペットフード協会「平成27年全国犬猫飼育実態調査」より

病気ごとにかかる治療費は?

動物病院で治療を受けると、どれくらい費用がかかるのでしょうか?
「ねこのきもち」では読者アンケートで、実際にかかった金額を聞いてみました。結果は以下のとおりです。
同じ病気でも、初期で通院し早く治れば比較的低額すみますが、重症化したり検査が必要になったりするケースは高額になってしまうこともあるようです。

皮膚病:総額約3000円〜10万円

皮膚病には、アトピー様皮膚炎のように先天的な要因によるものと、ノミやダニなど後天的な要因によるものがあり、原因によっては治療のために通い続けることになるケースも少なくありません。
原因を特定するために皮膚検査のほか、病理組織検査やホルモン検査などの特殊な検査を行い、高額になる場合もあります。

結膜炎・角膜炎:総額約1800円〜5万円

「結膜炎」はまぶたの裏側や眼球の周囲にある結膜に、「角膜炎」は目の表面を覆う角膜に炎症が起こる病気です。治療には目の検査を経て、点眼薬、症状によっては抗生物質や消炎剤を処方されることが多いでしょう。

猫カゼ:総額約1500円〜5万円

猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症をはじめとする感染症の総称。よく見られる症状としては発熱、くしゃみ、鼻水、目ヤニなどがあります。
一般的な治療法として、ウイルスの感染で免疫力が下がったことによる二次的な細菌感染を治すため、抗生物質を投与し、症状の悪化を食い止めます。数回の通院で治ることもあれば、なかなかきれいに治らず通院が続く場合もあります。
猫カゼは、ワクチンを打っておくことで予防できる病気です。ワクチン接種は治療費の軽減にもつながります。

尿石症:総額約2000円〜20万円

尿道や膀胱など泌尿器に結石ができる病気の総称。よく見られるのは頻尿や血尿などの症状です。結石が尿道に詰まると尿道閉塞という状態になり、発見が遅れれば死に至ることもあります。
一般的には尿の検査や超音波・レントゲン検査で診断され、療法食への変更や止血消炎剤で治療することが多いですが、結石が尿道に詰まってしまったなどのケースや膀胱に巨大な結石がある場合は手術が必要になることもあります。
治療費に大きな差が出る病気のひとつといえるかもしれません。

膀胱炎:総額約2000円〜40万円

頻尿や血尿といった症状で気づくことが多い病気です。通常、尿検査と超音波検査、抗生剤や炎症を抑える内服薬などで治療を行い、1〜2回の通院が必要になります。しかし、抗生剤が効かない耐性菌が原因の膀胱炎であった場合は細菌培養検査に進むこともあり、治療費がかさむケースも少なくありません。

内部寄生虫:総額約2000円〜5万円

猫の体の中に寄生虫が住み着く病気で、寄生されると下痢や嘔吐などの消化器症状が見られることがあります。寄生虫は回虫や条虫などから、コクシジウムに代表される原虫などさまざまです。
下痢便を顕微鏡で検査することによって診断できることが多いですが、なかなか診断がつかずに糞便の遺伝子検査まで行うケースも。
一般的には1〜2回の通院・検査と駆虫剤の処方で治ることが多いものの、難治性の場合は内視鏡検査まで進んで診断がつくこともあります。
室内飼いであればかかりにくい病気なので、まずは予防を心がけましょう。

万が一に備えてペット保険に加入しておくのも手

ペット保険はペットが病気やケガをしたときの「通院」「入院」「手術」にかかる費用の一部が補償されるサービスです。補償の対象や内容などの細かい条件は各保険会社の商品によって異るので、検討してみるのもいいでしょう。
猫を飼うために必要な、年間費用や治療費について紹介しました。日常のお世話でかかるお金にはもちろん、イレギュラーな出費にも備えておくと安心ですよ。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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