猫と暮らす
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【獣医師監修】猫との暮らしにかかるお金は?年間費用や治療費の例を紹介
猫との暮らしには、フードや日用品、治療費など、お金がかかります。飼い始めてから経済的な理由で困らないように、あらかじめ必要な費用を知っておきましょう。
長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
猫を飼うと毎年いくら必要になるの?
アニコム損害保険株式会社では、毎年年間にかかる費用を調査しています。その調査では、1年間にかかる費用は約16万円*のようです。フード・おやつや治療費、ペット保険料、日用品などが主な支出項目です。
*アニコム損害保険株式会社 ペットにかける年間支出調査(2016)より
病気の治療や手術にかかる費用は?
猫にかかる治療費の総額は、生涯で70万3055円
治療費3万5226円(一年間の平均額)/年×16年(飼い猫の平均寿命)=56万3616円・・・(1)
予防注射費7404円(一年間の平均額)/年×16年(飼い猫の平均寿命)=11万8464円・・・(2)
去勢・避妊手術費 2万975円・・・(3)
(1)+(2)+(3)=70万3055円(生涯にかかる猫の治療費)
※東京都生活文化局「ペットに関する調査報告書」より
※飼い猫の平均寿命は一般社団法人ペットフード協会「平成27年全国犬猫飼育実態調査」より
病気ごとにかかる治療費は?
「ねこのきもち」では読者アンケートで、実際にかかった金額を聞いてみました。結果は以下のとおりです。
同じ病気でも、初期で通院し早く治れば比較的低額すみますが、重症化したり検査が必要になったりするケースは高額になってしまうこともあるようです。
皮膚病:総額約3000円〜10万円
原因を特定するために皮膚検査のほか、病理組織検査やホルモン検査などの特殊な検査を行い、高額になる場合もあります。
結膜炎・角膜炎:総額約1800円〜5万円
猫カゼ:総額約1500円〜5万円
一般的な治療法として、ウイルスの感染で免疫力が下がったことによる二次的な細菌感染を治すため、抗生物質を投与し、症状の悪化を食い止めます。数回の通院で治ることもあれば、なかなかきれいに治らず通院が続く場合もあります。
猫カゼは、ワクチンを打っておくことで予防できる病気です。ワクチン接種は治療費の軽減にもつながります。
尿石症:総額約2000円〜20万円
一般的には尿の検査や超音波・レントゲン検査で診断され、療法食への変更や止血消炎剤で治療することが多いですが、結石が尿道に詰まってしまったなどのケースや膀胱に巨大な結石がある場合は手術が必要になることもあります。
治療費に大きな差が出る病気のひとつといえるかもしれません。
膀胱炎:総額約2000円〜40万円
内部寄生虫:総額約2000円〜5万円
下痢便を顕微鏡で検査することによって診断できることが多いですが、なかなか診断がつかずに糞便の遺伝子検査まで行うケースも。
一般的には1〜2回の通院・検査と駆虫剤の処方で治ることが多いものの、難治性の場合は内視鏡検査まで進んで診断がつくこともあります。
室内飼いであればかかりにくい病気なので、まずは予防を心がけましょう。
万が一に備えてペット保険に加入しておくのも手
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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