爪切りを嫌がる猫は多いもの。猫に逃げられたり暴れられたりしないためには、時間をかけずすばやく、猫にとって無理のない体勢で切ることが大切です。スムーズに猫の爪切りをするコツを紹介します。
どうして猫に爪切りが必要なの?
猫の爪は鋭いため、猫に悪気はなくても爪が伸びていると飼い主さんがケガをすることがあります。室内で人と猫が楽しく生活するためにも、爪切りは必要なお手入れなのです。定期的に爪を切ることで飼い主さんがスキンシップ中に引っかかれたり、家具や壁などが傷つけられたりする恐れが少なくなります。
猫(ペット)専用の爪切りを用意する
猫の爪切りを行うときは、ペット専用の爪切りを用意しましょう。爪切りのタイプとしてはギロチン型とハサミ型のふたつがあります。どちらを使ってもかまいませんが、ギロチン型のほうが切る場所が定まりやすく、爪を潰すことなく切れるので扱いやすいでしょう。
爪の根元を押し、血管が見えるまで爪を出す
時間をかけずにすばやく猫の爪を切るためには、爪の出し方が重要です。まず、猫の足先を手のひらで包むように持ち、爪の付け根(上側)の硬い部分に自分の親指を当てます。そのまま爪の付け根を思い切ってギュッと押し、爪の根元の血管が見えるまで一気に押し出します。押し出しが足りないと、爪がよく見えないため切りにくく、時間がかかって猫が暴れる原因になります。
抱っこが好きな猫には“後ろ向き抱っこ切り”
抱っこが好きな猫におすすめの方法です。飼い主さんはイスに座り、猫を膝の上にのせて、腕と太ももで猫を包むように抱きます。なるべく体を密着させるようにすると安定します。猫が落ち着かない場合は、なでてリラックスさせて。
前足を持つほうの腕を猫の体に沿うように当て、腕全体で猫の体を固定するように引き寄せます。血管が見えるまで爪をギュッと出し、手早くカットします。後ろ足の爪を切るときは、脇と腕全体で猫の背中から腰のあたりを支え、前足と同様にカットします。
抱っこが苦手な猫には“覆いかぶさり切り”
抱っこが苦手な猫におすすめの方法です。猫が床に座っているときに背後から近づき、太ももで猫の体全体が固定できるように挟み、猫に覆いかぶさるように前かがみになります。
両腕を猫に沿わせ、脇をしめて猫の体を固定します。血管が見えるまで爪をギュッと出し、手早くカットします。ただし、この方法で後ろ足の爪を切るのは難しいので、後ろ足の爪を切る場合は猫がリラックスしているときにそっと行いましょう。嫌がるようなら違う日にチャレンジしてみて。
猫が自然とフセの体勢になる“足裏返し切り”も!
猫を人の腰ほどの高さの台にのせます。すかさず片方の腕全体で猫の体を押さえ、もう一方の手で前足の足先を裏返します(肉球が見える状態に)。猫は自然とフセの体勢になるので、前足を持つ方の腕で猫の首のあたりを固定しつつ、爪をギュッと出してすばやく切ります。後ろ足の爪は、自分のひじから手首までを猫の体の側面に当てて固定し、前足と同様に切ります。
猫の爪切りはスキンシップもかねてトライしていこう
なれないと、猫の爪切りは難しいもの。できればふだんから猫がリラックスしているときに足に触れて、足先を触ることに慣れさせておくといいでしょう。スキンシップの延長で、少しずつ爪切りにトライしていけば、猫も慣れていくでしょう。
出典:『ねこのきもち』2015年12月号「猫も人もラクになる切り方を覚えよう ふだんの爪切りをステップアップさせるコツとは?」(監修:花島英俊先生)
「猫の爪切り」に関して、合わせて読みたい記事をご紹介