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【獣医師が解説】猫が毛玉を吐く原因は?対策、予防法、ケア用品まで

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今回は、猫の毛玉の正体や、毛玉を吐き出す原因について解説します。また、猫が毛玉を吐くときの対処方法や日ごろからできる予防方法、毛玉を減らすためのブラッシングや毛玉のカット方法などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

毛玉の正体は「抜け毛」!知っておきたい猫の換毛期

毛づくろいで飲み込んだ抜け毛を毛玉として排出

猫の毛づくろいとは、突起の付いたザラザラした舌で全身をペロペロとなめあげる行為。体を清潔に保ち、心を落ち着かせる効果があるといわれています。そのほかにも、自分のニオイを消す意図や、気化熱を利用した体温調節の役割もあるといわれており、猫は起きている時間のほとんどを毛づくろいに費やしているのです。

しかしブラシのようにトゲのある舌で毛づくろいをすると、被毛に付いた汚れや抜け毛を飲み込んでしまうことになり、体内に毛がたまっていきます。たまった毛は「毛玉」となり、体内から吐き出されます。愛猫が「カッカッ」と毛玉を吐き出す姿を見たことがある飼い主さんも多いでしょう。

猫の換毛期も毛玉を吐き出すことに関係が!

猫には「換毛期」といって、季節によって被毛が抜け替わる時期があります。私たち人も衣替えをするように、猫の毛は春になるとふわふわとしてやわらかい冬毛から夏毛へ、秋には粗くて硬めの夏毛から冬毛へと換毛することで、急な気温変化に備えるのです。一般的に、寒さの落ち着く3月ごろ、寒さが厳しくなる11月ごろに猫の換毛期は始まります。

被毛の抜け替わる時期は、室内にも愛猫の毛が多く舞い散るようになり、猫が飲み込む毛の量も増えています。体内にたまった毛は毛玉となって出てきますが、その毛玉は換毛期に多く見られ、抜け毛の少ない時期には毛玉を吐き出さない場合も多いです。 しかし、完全室内飼いで外の光を浴びていない猫の場合は、時期による換毛期の区分がなくなり、時期問わず1年中毛が抜けたり生えたりすることもあるようです。

ちなみに、毛玉は猫の被毛の長さにも関係しており、短毛種の猫の場合は毛玉となる前に便として排出されることがあります。猫によって毛玉を吐く、吐かないはさまざまです。このように、毛玉を吐く姿は換毛期に多く見られ、短毛種の猫は毛玉を吐き出さないことがあることを知っておきましょう。

毛玉を吐き出す「逆くしゃみ」

「逆くしゃみ」とは、鼻から空気を急速で吸い込み、異物を除去しようとする生理現象のこと。愛猫が突然、鼻をブーブーと鳴らし、苦しそうに首を前に伸ばすようなしぐさをしたと思ったら毛玉を吐き出した!なんて姿を見たことがあるでしょう。

逆くしゃみで空気を勢いよく吸い込むときは、細い鼻腔へ空気が勢いよく通るので、狭くなった気道からブーブーやガーガーといった音が出ます。大きな音がするので、驚く飼い主さんも多いようですね。

この逆くしゃみは生理現象なので、健康体なら心配はいりません。しかし頻繁に逆くしゃみをするようになったり、逆くしゃみの後パタンと倒れたり、けいれんを起こしたりしたら、病気の可能性も。必ず獣医師へ相談しましょう。

猫が毛玉を吐き出す原因は?

見上げる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

毛玉の蓄積

猫は元々、毛づくろいした際に飲み込んだ毛玉を吐く習性があります。毛玉を吐いた後スッキリしており、特に異常な行動や症状が起きていない場合は、単純に胃に蓄積した毛玉を吐き出しただけと考えられます。

アレルギー

あまりに吐く毛玉の量が多い場合は、アレルギーによって皮膚の荒れや脱毛を発症し、毛づくろいの際に大量に毛を飲み込んでしまっている可能性があります。愛猫が頻繁に毛づくろいをしているようなら、皮膚に炎症などが起きていないかチェックしてみましょう。

うまく吐けないと「毛球症」になることも!

毛玉がうまく排出されないと、塊状の毛球となって胃の中に停滞します。そして胃粘膜を刺激し、嘔吐や食欲不振を引き起こすことも。この消化器症状を「毛球症」といいます。ごくまれに、胃の中の毛球が胃を通過して腸に入り込み、そこで詰まって腸が壊死を起こす「腸閉塞」の状態になることも。そうなると開腹手術を行い、詰まっている毛球を取り出すことになってしまいます。換毛期の猫や長毛猫が多くなりやすい毛球症ですが、同居猫の毛づくろいをする猫も注意が必要です。

猫が毛玉を吐くときの対処方法と毛玉対策について

くつろぐ猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が毛玉を吐くのは正常な反応とはいえ、愛猫の毛玉は大丈夫かどうか不安に思っている飼い主さんも多いでしょう。猫が頻繁に毛玉を吐くときの対処法や、日ごろからできる毛玉対策をご紹介します。

毛玉を吐くときの対処法1:病院に行くべきか見極める

猫が頻繁に毛玉を吐くからといって、必ずしも異常や病気が疑われるわけではありません。前述した毛玉の蓄積の場合も考えられますので、まずは愛猫が毛玉を吐き出した後の様子を見極めましょう。見極めのポイントとしては、頻繁に毛づくろいをしてハゲている場所がある、毛玉を吐いた後元気がない、具合が悪そうに伏せている、などが挙げられます。

毛玉を吐くときの対処法2:動物病院を受診する

上記のような症状や問題が、表面上に出てこない猫もいます。素人判断で大丈夫と考えてしまうと、愛猫に苦しい思いをさせてしまうおそれもあります。愛猫の毛玉を吐く行動に少しでも違和感がある場合は、動物病院を受診するようにしましょう。

毛玉の予防法&ケア用品1:猫草を与えてみる

ペットショップなどでもよく売られている猫草は、食べさせると毛玉の排出を促してくれるといわれています。体内に毛玉を蓄積させないためにも、猫草を与えてみてはいかがでしょうか。ただし、猫によって好みが分かれるため、食べない場合もあるので注意してください。

毛玉の予防法&ケア用品2:食事に毛玉ケアフードを取り入れる

市販されている毛玉ケア用のフードを取り入れるのもおすすめです。毛玉ケアフードは消化器官の働きを促して毛玉を便と一緒に排泄できるよう、食物繊維の量を調整して作られています。ブラッシングや猫草が苦手な猫には、このような毛玉ケア用品で対策してみると良いでしょう。急にフードを切り替えてしまうと、ごはんを食べなくなったり嘔吐の原因になったりもするので、少しずつ切り替えていくようにしましょう。

毛玉の予防法&ケア用品3:薬やサプリメントを活用する

毛玉ケア用品はフードのほかに、サプリメントや毛玉除去剤のような薬もあります。こちらもフードと同じく、毛玉を便と一緒に排泄する目的で作られたものですが、猫の体内で毛玉が作られるのを防ぐ効果も期待できます。毛玉ケアフードや毛玉除去剤は動物病院でも取り扱っていますので、獣医師と相談しながら取り入れてみてはいかがでしょうか。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫ちゃんが毛玉を吐いた!嘔吐を減らすために飼い主さんができること」

毛玉を減らすためにブラッシングやカットで毛のもつれを予防しよう!

抜け毛をクンクンする猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

体内に取り込まれた毛玉は、口から吐き出されたり、便と一緒に排出されたりしますが、できればブラッシングで事前に抜け毛を取りのぞいてあげたいものです。愛猫にブラッシングを行いながら、スキンシップタイムを楽しみましょう。

用意する物

ブラッシングをする場合は、短毛種の猫にはスリッカー、長毛種の猫にはコームを使用します。毛玉をカットする場合は、はさみ、櫛(ブラッシングをしたコームでも可)、毛玉取り用のローションを用意しましょう。

ブラッシングの方法・手順

さっそくブラッシングをしてあげましょう。ブラッシング初心者の方は、以下の方法と手順で行うのがおすすめです。

1. 飼い主さんの手の温もりを感じさせるように、顔の周辺をゆっくりなでながら、軽くモミモミとマッサージしていきます。マッサージをしていると猫が目を細めウットリしてくるので、タイミングを見計らってブラッシングを開始しましょう。

2. 愛猫の体を、優しく少しずつブラッシングしていきます。被毛をとかしている間は「えらいねー」「イイコだねー」と声をかけてあげると、ブラッシングから猫の気をそらすことができます。なるべく穏やかな声で安心させてあげましょう。

3. 猫が気持ちよく感じやすい場所=ウットリスポットを中心にブラッシングしましょう。ウットリスポットは、ホホ・あご・のど・しっぽの付け根近くなど。猫によっては嫌がる場合があるので、愛猫だけのウットリスポットを探してください。

4. ウットリスポットをブラッシングしつつ、嫌がりやすい場所のブラッシングをパパっと済ませてしまいましょう。飼い主さんの腕や体を猫と密着させると、猫も体が安定し、精神的にも安心してブラッシングを受けられます。

飼い主さんの手をチラチラ見たり、耳やしっぽをしきりに動かしたりしたら、猫がブラッシングを不快に感じているサインです。「ブラッシングは嫌なコト!」と覚える前に中断しましょう。

ひどい毛玉ができている場合はカットして取り除こう

ブラッシングや指でもほぐせないほど毛玉がひどい場合は、猫の負担も考えてカットしてしまった方が良いでしょう。カットに慣れていないのであればプロに依頼するのがおすすめですが、自分でやりたい場合は以下の手順で行ってください。

1. カットする毛玉の根元をおさえ、はさみを立てて毛玉の上から十字にカットを入れます。あまり下の方でカットすると猫の肌を傷つけてしまうので、指で根元をしっかり持ってから、その上部分にはさみを入れましょう。

2. 毛玉を十字に切り分けられたら、毛玉を引っ張らないように手で少しずつほぐしていきます。

3. 毛がほぐれたら、櫛で毛先から少しずつすいていきましょう。櫛でうまく毛をほぐせない場合は、毛玉取り用のローションを毛玉の上にかけてほぐしてください。

4. ローションなどを使っても毛玉がほぐれない場合は、毛玉を根元からカットしてしまってください。

毛玉を無理に引っ張ると、ほかの毛まで抜けてしまい、今後猫がお手入れを嫌がる可能性もあります。ブラッシングや毛玉のカットをする場合は、愛猫に痛い思いをさせないように、細心の注意をはらってあげてくださいね。

毛玉はこまめなブラッシングやケア用品を活用することによって、体内にたまるのを防ぐことができます。愛猫にも飼い主さんにもストレスがかからない程度に、お手入れを続けてください。

参考/「ねこのきもち」2016年2月号『見極め方から掃除法まで “吐く学”な飼い主さんになろう! ねこの「吐く」大全』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
   「ねこのきもち」2018年2月号『丸ごとハッピーお手入れBOOK』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『猫ちゃんが毛玉を吐いた!嘔吐を減らすために飼い主さんができること』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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