「くっくっ」や「ニャオニャオ」など、さまざまな寝言を言いながら眠る猫たち。この猫の寝言と睡眠にはいったいどのような関係があるのでしょうか?今回は猫の睡眠にまつわる疑問と猫の寝言の理由、種類を解説。キュートな「寝子」写真も併せて紹介します。
猫の睡眠にまつわるアレコレ
ここでは、猫の睡眠にまつわる2つの「フシギ」を紹介します。なんだかずっと眠っているように見える猫の知られざる生態を探っていきましょう。
猫がずーっと眠っているのはなぜ?
現在私たちと生活を共にしている猫たちは、狩りや縄張り争いなどに備えエネルギーを蓄えていた狩猟動物の時代の名残で、1日のうちおよそ3分の2の時間を寝て過ごします。眠っている間は深い眠りであるノンレム睡眠と浅い眠りであるレム睡眠を繰り返しますが、ほとんどの時間はレム睡眠で構築されており、ノンレム睡眠は1回につき7分程度しかありません。
特に敵に襲われるおそれのある野生の猫は、敵の攻撃にすぐに気づくために浅い眠りを繰り返す傾向が強く、反対に襲われる心配のない飼い猫は熟睡する時間が長いといわれています。
眠っているときに名前を呼ぶとしっぽを動かすのはなぜ?
レム睡眠状態の猫は眠っていても周囲の音がぼんやりと聞こえていることが多く、飼い主さんが愛猫の名前を呼ぶと寝ながらしっぽを動かす場合があります。おそらく起きることまではしたくなくても、声が聞こえているので呼びかけに応えようとして、しっぽで返事をしているのでしょう。
猫が寝言を言う理由とは
レム睡眠で夢を見ているから
猫は体が眠っていて脳が起きているレム睡眠状態になると、人と同様に夢を見ることが増え、その夢の状況に合わせてさまざまな寝言を発するようになります。特に獲物を追いかけるなどアグレッシブな夢を見ているときは寝言のボリュームが大きくなりやすく、さらに手や口がぴくぴくとよく動くのが特徴です。
記憶の整理をしている?
私たち人は1日の終わりに夢を見ることでその日の出来事を整理し記憶していますが、これは猫も同じだといわれています。猫はレム睡眠状態になると体は眠っていても脳は活発に動きまわり、その日学んだことをシミュレーションし記録するようになります。レム睡眠時の夢は脳が情報を整理する途中で見るものですので、時として寝言などの目に見える形であらわれることがあるのです。
こんな寝言には注意が必要かも!
「シャー!」などの叫ぶような寝言を発しているとき
猫が寝ながら「シャー」などと叫ぶような寝言を発しているときは、夢のなかでほかの猫と喧嘩をしていたり、トラブルに巻き込まれていたりする可能性が高いです。このとき愛猫の表情があまりにも険しく飼い主さんに助けを求めているようであれば、一度起こして様子をみるのもよいかもしれません。
寝言を言いながら痙攣している
レム睡眠を繰り返している際にぴくっとかすかに動くのは、夢のなかの出来事に反応しているからだとされていますが、激しく痙攣するときなどには少し注意が必要です。特にさっきまで穏やかに眠っていたのに急に痙攣を起こす、寝言の音量が大きいといった症状があらわれたら、愛猫が「てんかん」などの疾患にかかっているおそれもありますので、すぐに動物病院を受診してください。
猫がいびきをかいている
鼻が低いペルシャなどの猫のなかには、人のようにいびきをかく猫も少なくありません。ただしいびきのリズムが不規則だったり、鼻水が出ていたりする場合には「猫カゼ」などの病気にかかっているおそれがありますので、早めに獣医師に相談するのがよいでしょう。
猫の寝言の種類
「ニャオニャオ」という可愛らしい声
猫が寝ながら「ニャオニャオ」や「にゃー」という可愛らしい声で鳴くのは、夢のなかでほかの猫や飼い主さんと遊んでいる、もしくは会話をしているときが多いです。ほかにも考えていることがあるときや訴えたいことがあるときによく見られる寝言だといわれています。
「んー」や「ふーん」などのほがらかな声
寝息のようにかすかな声で「んー」や「ふーん」などのほがらかな寝言を発しているのは、猫が夢を見ながらリラックスしている証拠です。これらの寝息のニュアンスは夢の種類によっても微妙に変わってきますので、愛猫がどんな寝息を立てているのか、そっと耳をすましてみるのも楽しいかもしれませんね。
「くっくっ」といった短い声
猫は鳥やネズミなどの獲物を見つけた際に、「けっ」という声や「くっくっ」という短い声を出すことがあります。猫が寝ながらこのような寝言を発したのであれば、夢のなかで狩りを行っている可能性がありますので、起こさないようにしてあげるのがよいでしょう。
いぬのきもちねこのきもちアプリで発見!キュートな“寝子”画像
ここでは、いぬのきもちねこのきもちのアプリに寄せられた、かわいい寝姿で眠っている猫の写真を厳選して紹介します。
うっすらと半目を開けて熟睡しているのは、スコティッシュフォールドのレーヴくん。暑い時期はベッドで寝るのもいいけど、ひんやりとした床で寝るのも最高なのだ!なんて声が聞こえてきそうな、ほっこりとする一枚です。
キジトラのポン太くんは、休日のお父さん風にのんびりお休み中。安心しきった穏やかな表情で、いったいどんな夢を見ているのかとっても気になりますね。手から足まで伸びきった、全力脱力ポーズもたまらない一枚です。
両手をまっすぐに伸ばした状態でぐっすりと眠っているのは、マンチカンの華ちゃん。夢のなかではスーパーマンになって思いっきり空を飛び、悪者をやっつけている。そんなイメージがわいてきそうな、大胆なポーズを披露してくれています。
いつもと違う様子が見られたら獣医師へ相談を
愛猫が眠りながら寝言を言っている可愛らしい姿を見ると、嫌なことや悲しいことを忘れられたり、毎日の疲れが一瞬で吹き飛んだりする飼い主さんも多いのではないでしょうか。私たち人を癒してくれる猫の寝言ですが、なかには注意が必要なものや、病気にかかっているおそれのあるものも。もし愛猫にいつもと違う様子が見られる、あるいは寝言を言っている様子がちょっと変だと感じたら、早めに動物病院を受診するようにしてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2016年4月号『「寝るのがシゴト」の猫あるあるを解説 とろりん猫のフシギ』(監修:帝京科学大学助教 動物看護師 小野寺温先生)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。