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ミートミールってなに?猫のフードの選び方

ミールとはどのようなものなのでしょうか。今回はその詳細と法律によって守られる安全性について、キャットフードの製造から販売に至るまでの流通過程を通して解説するとともに、フードの選び方のポイントまでご紹介します。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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ミートミールとは?

ねこのきもち投稿写真ギャラリー
「ミール」とは、粉状のものという意味で、「ミートミール」は、ミートを粉状にしたものを指します。ミートとは通常、⽜や豚の⾁のことですが、場合によっては⽺やヤギなどの家畜⾁のこともあります。使⽤される部位は栄養⾯での⽬的や収集元によってもさまざまですが、主に⽜や豚などの筋⾁や内臓などから脂を取り除いた部分で、⾼たんぱくの原材料とされています。「ミール」には食用に適さないひづめなどの部位が含まれていると思っている人もいるかもしれませんが、それは誤解です。ミールに食用に適さない部分は含まれません。

また、ドライフードはミールにしないと作ることができません。ミール状にした原材料は水分を含まないため、生肉と比べて傷みにくく保存が効き、重量あたりの栄養価が高いことが特徴です。

「ミートミール」についての不安を解消!

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ミートミールについて、ミール状にする前の状態をイメージしにくいためか、何が入っているのかといったことや衛生面を不安視する声もあるようです。しかし、現在日本で販売されているペットフードについては、さまざまな法や規制により製造方法や成分規格が定められ、製造工程から販売にいたるまで、きちんと管理されています。

◇原材料の収集方法が厳しい
現在の日本では、とくに牛海綿状脳症(BSE)の感染経路を断つことを目的に、規定以外の動物が混じらないよう、「飼料安全法」にもとづく規制などによって、施設や輸送方法を厳しく管理することが定められています。また、国内で販売されるペットフードに使用する動物由来のミールについては、飼料としての製造基準に適合していることの確認を農林水産大臣から受けるか、またはペットフード用としての製造基準に適合していることが、独立行政法人である農林水産消費安全技術センター(FAMIC)によって確認された製造ラインでしか製造することが許可されていません。

◇健康に影響を与える物質を含まない
ミール状の原材料については加圧・加熱処理が施されているため、有害な細菌は存在していません。さらに、ペットフードやその原材料は、不衛生な製造方法によってカビ毒などが含まれてしまっていたり、それを抑制するために規定量以上の添加物が使われることがないように、法律によって定められています。また、製品自体は後述する「ペットフード安全法」により、「カビ毒」「残留農薬」「重金属」「有害微生物」「使用上の注意が必要な添加物」についての基準や規格が定められ、それが守られているかどうかについては、FAMICが原材料や製品に対して抜き打ち検査などを行い、厳しく管理しています。

「ペットフード安全法」を知ればもっと安心!

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さて、それではその「ペットフード安全法」がどのようなものかというと、正式名称を「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」といい、平成21年6月1日に施行された法律です。ペットフードの安全性を確保する世界でも画期的な法律で、犬や猫の健康を守り、動物愛護に寄与することを目的としています。

◇対象となるペットフードは?
総合栄養食や一般食以外にも、おやつやスナック、ガムやサプリメント、ミネラルウォーターなどといった犬や猫が食べるもので、動物用医薬品等以外のものが対象です。

◇ペットフードの基準や規格の設定から禁止命令まで
有害な物質を含むペットフードの製造や輸入、販売を禁止することが主旨で、国としてペットフードの製造方法や表示基準、成分の規格を定めることができ、それに違反する製品は、製造・輸入・販売ともに禁止しています。
また、万一、その基準や規格に合わないものや、結果として有害な物質を含むペットフードが販売されていることが判明した場合、国は事業者に対して、対象商品の廃棄や回収を命じることが可能です。

◇トレーサビリティシステムの確立
トレーサビリティシステムとは、原材料の生産から加工、流通・販売に至るまでの各段階において、必要な情報を記録として保管し、商品とその情報とを追跡できるようにする制度のこと。万一、原材料や製品に問題があることが判明した場合には、このシステムが確立されていることで、速やかに仕入れ先や製造場所などを特定することが可能です。
「ペットフード安全法」においては、その確立のために、ペットフードの輸入業者または製造業者に対して、氏名や事業場の名称などの届出と、輸入・製造業者に加え販売業者に対しても、販売などをしたペットフードの名称や数量等を帳簿に記載することを義務付けています。

◇立ち入り検査の実施等
トレーサビリティシステムの確立に絡み、帳簿の備付けの状況や、輸入・製造されたペットフードが基準や規格に適合しているものかどうかの確認のため、国及びFAMICは、必要に応じてペットフードの輸入業者や製造業者、販売業者等に対して、報告の徴収や立ち入り検査を行えることとしています。

表示でわかるキャットフードの選び方

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現在販売されているキャットフードにはさまざまなものが存在しますが、それらがすべて平等に法による規制で厳しく管理され、その安全性が確保されているとすると、逆にどのようなポイントに重きをおいてフードを選べば良いのかと悩む飼い主さんもいるかもしれません。ここでは、キャットフードを選ぶ際に確認したいパッケージの表示における重要なポイントについてご説明します。

◇与える目的と年齢を確認
フードを選ぶ際は、「主食向きかそれ以外か」、「愛猫の年齢に合っているか」を確認するといいでしょう。
毎日の主食として選ぶのであれば、キャットフードにおいてもっとも大切な栄養バランスがきちんと調整されたフードである「総合栄養食」と記載のあるものを選ぶようにしてください。総合栄養食は適合するライフステージを表記することが指示されています。ちなみに、猫にとって重要な栄養素は、「たんぱく質(アミノ酸)」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」「炭水化物」です。
また、育ち盛りの子猫とシニア猫では必要な栄養バランスが異なりますし、妊娠中や避妊後などでも栄養管理の留意点が変わってきます。そのため、総合栄養食の中でも愛猫の年齢や状況に合ったフードを選ぶことも大切です。

◇じつは原材料を見ただけではフードの品質は分からない
原材料は添加物も含めて使⽤量が多い順にパッケージに表⽰されていますが、栄養バランスまでは分からないため良いフードかを⾒分けることは困難です。保証分析値を見れば、たんぱく質や脂肪などの栄養素がどれくらい含まれているかが分かります。ただし、含まれている栄養素がどれくらい吸収されるかまでは、保証分析値だけでは分かりません。また、値段は必ずしも品質を反映したものではありません。フードの品質や愛猫に合っているかは、実際にフードを与えてみて、猫の栄養状態が良いかどうかで判断するようにしましょう。
監修/徳本一義先生(有限会社ハーモニー代表取締役)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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