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猫に牛乳、本当に与えても大丈夫?与える時の注意点やアレルギーを紹介

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子猫を拾ってきた時、一番最初に飲ませるものといえばミルク、というイメージがありますよね。お皿に入れた牛乳を一生懸命舐めている子猫の姿をテレビなどで見た方も多いのではないでしょうか?
一方で、猫には牛乳を与えてはいけないという意見もありますが、はたして、一体どちらが正しいのでしょうか?

答えは、「猫による」です。

中途半端な解答になってしまいますが、猫にとって牛乳は特別悪い成分が含まれているわけではありません。では、なぜ、猫に牛乳を与えてはいけないという意見があるのか、それは、人間にも言えることなのですが体質の違いによる問題が大きいからなのです。


監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )

牛乳の栄養素

ターコイズブルーの木製の背景に対して木製のテーブルの上にミルクのボトルとミルクの完全なガラス。ビューを閉じます。
cagkansayin/gettyimages

まず、牛乳とはなんぞや?というところから始まりますが、そもそも日本における牛乳は、成分を調整していない生乳のことを指します。低脂肪乳とか特定の成分を付け加えた牛乳は調整牛乳として区別されるのです。

猫も古くから牛乳を嗜んできたようなイメージがありますが、実は現代のように人も猫もともに牛乳を飲むようになったのはつい最近のことで、20世紀が近づいてからのことです。もともと、牛乳はとても腐りやすく、保存が利かないことから、それまではアーモンドを砕いたアーモンドミルクが主流だったのです。

牛乳は、その後、パスツールによって低温殺菌法が発見されるまで人々の食卓に上ることはなかったため、猫が牛乳を飲むようになったのも実はそれ以降であることがわかります。

牛乳に含まれる栄養素

牛乳は、多くの栄養素を含んでいることから準完全食とも呼ばれます。完全食とは、人間が健康に生きていく上で必要なすべての栄養素が含まれている食品のことで、自然界には存在しません。現在、完全食として認められているものはアメリカのソイレントや日本のCOMPなどがあります。

一方で、若干の過不足はあるものの非常に高いレベルで栄養のバランスの取れているものを準完全食と呼びます。準完全食には、牛乳のほかに卵やさつまいも、ヨーグルト、りんご、ブロッコリーなどがあるほか、日本食の納豆や玄米も分類されているのです。

牛乳には、基本となる三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物がバランスよく含まれているほか、カルシウムやリン、亜鉛といったミネラルやビタミンB2やビタミンB12に代表される各種ビタミンも豊富に含まれています。ビタミンB2は糖質やタンパク質の代謝に作用し、ビタミンB12は赤血球内のヘモグロビンの合成や神経伝達物質を作りだすことに関与していると言われています。

とは言っても、牛乳が準完全食と言えるのはあくまで人間に限ってのことです。
猫の場合は消化酵素や腸内細菌の種類が人間と違うこともあり、必要な栄養素は異なります。

猫にとって牛乳は必要?

哺乳類である猫は、子猫の時、母乳によって成長します。本来、牛の乳である牛乳は肉食動物である猫が必要とする栄養成分とは異なるため、必ずしも必須な成分が含まれているとは言えないのです。ただ、小さい頃、母親とはぐれ人間の手によって育てられた猫の中には、成長期に牛乳を与えられて育った子もいます。そのような猫は、大人になっても牛乳を欲しがることが多く、一種の嗜好品のような形で牛乳を摂取していると考えられます。

また、前述のように、子猫の時には母乳を必要とするため、ラクターゼという乳糖を分解・吸収できる酵素を持っているのですが、この酵素は成長するにしたがって減少してしまいます。ラクターゼが少なくなると効率よく乳糖を消化できないため乳糖不耐症という症状が現れることがあるのです。

乳糖不耐症とは?

乳糖不耐症とは、ラクトースと呼ばれる乳成分に含まれる糖類を分解するのに必要な酵素が足りないために起こる症状のことを指します。人間をはじめとした、ほとんどの哺乳類に当てはまることなのですが、一般的に母乳を必要とする時期には体内に多く存在し、成長するにしたがって減少していきます。牛なども子牛の時期には、母乳を飲みますが成長してからは口にしなくなるのはそのためだと言われているのです。

猫も子猫時代にはラクターゼを豊富に体内に持っているため、牛乳に対しても比較的耐性があるのですが、成長してから初めて牛乳を飲んだ場合だと、猫によってはお腹を壊してしまう場合もあるのです。一般的な猫の乳糖不耐症の症状としては以下のようなものが確認されています。

・消化不良
・下痢
・元気がない
・食欲不振

また、乳糖不耐症とは別に、猫によっては牛乳アレルギーを起こす場合もあります。

牛乳アレルギーとは

よく混同されがちですが、牛乳アレルギーと乳糖不耐症はまったくの別物です。牛乳アレルギーは、牛乳の成分であるガゼインやホエイに含まれるアレルゲンに反応して発症すると言われています。人間にとっても鶏の卵に次いで多いアレルギー物質でひどい場合にはアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

牛乳に対してアレルギー反応を起こす猫の特徴として、湿疹ができて痒がったり、下痢をしたりといった症状が見られる場合が多いようです。

猫に牛乳を与えるときの注意点

ブリティッシュショートヘアのはるくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

子猫を拾ってしまった、小さい頃からの癖で牛乳を欲しがるといった猫にはどのようにしたらいいでしょうか。牛乳は、あくまで牛が子牛を育てるために分泌する乳で、あえて猫には与えるべきではないのですが、どうしても与えたい場合には以下の点に注意してみてください。

まず少量だけ与える

とくに、ある程度成長した猫にはじめて牛乳を与える時には、乳糖不耐症よりもアレルギーに注意しましょう。まず、ごく少量を与えて様子を見ます。痒がったり、もどしたりしないことを確認してから少しずつ与える量を増やしていきます。

冷たい牛乳は与えない

もともと、猫や犬にとって冷たい食べ物は得意ではありません。一般的に腸がもっとも活動しやすい温度というのは体温と同じか若干高いくらいです。ただでさえ、猫の体は小さく、口から入った食べ物が胃を通過して腸に達するまでの時間は人間に比べても早いのです。さらに肉食動物であるため腸の長さも短いことから、人間や犬に比べてもお腹を壊しやすい動物と言えます。乳糖不耐症でなくても、冷たい牛乳を飲みすぎることで下痢をしてしまう可能性もあるのです。

できる限り猫用に調節されたミルクを与える

草食動物である牛と肉食動物である猫は、必要とする栄養素においても大きな違いがあります。また、草食動物の中でも牛よりもヤギの乳の方が安全など多くの意見があるようです。しかし、根本的には猫用に成分調整された牛乳を与えるのが一番安全であると考えられます。猫用ミルクの場合、まず乳糖があらかじめカットしてあるので乳糖不耐症になるリスクがありません。さらに、子猫用、シニア用と分けられており、シニア用の場合は高タンパク・低カロリーに成分が調整されているため体重増加などのリスクも軽減できるのです。

牛乳が好きな猫は少なくありません。ストレス軽減や食欲増進のため、猫に好物の餌を与えることは間違いではありません。しかし、水の代わりに牛乳で水分補給をするなど、与えすぎには注意が必要です。草食動物の乳である牛乳は、タンパク質が少なく、カロリーが多いという特徴があります。完全肉食動物の猫の乳は、反対に高タンパク質低カロリーなのです。一般的な猫の乳と比べて、牛乳のタンパク質は約半分。カロリーは2倍以上もあることから、与え過ぎは肥満などのリスクを高めてしまうのです。

猫に状態によっては牛乳を与えられる

アメリカンショートヘアのリアンちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

牛乳は猫にとって必須な栄養素が含まれているわけではありませんが、与え方を考えれば大きな問題はないと考えられます。そのためには、猫が乳糖不耐症ではないか、牛乳に対してアレルギーを持っていないかを確認することが大切です。まずは、少量を与えて様子を見て、万が一、異常が起きてしまった場合には、速やかにかかりつけの獣医さんに相談するようにしましょう。

監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )



監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )
博士(獣医学)東京大学。
所属学協会:日本獣医麻酔外科学会、日本獣医救急集中治療学会、日本麻酔科学会、日本獣医学会、日本獣医師会 / 北海道獣医師会、動物臨床医学会、日本動物病院福祉協会、日本動物リハビリテーション学会
著書:「犬と猫のリハビリテーション実践テクニック―ひと目でわかる理学療法の必修ポイント!!」(インターズー)、「動物医療チームのための痛みのケア超入門(as BOOKS)」(インターズー)など多数。

文/BE
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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