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【獣医師監修】猫の避妊手術は必要?時期や費用など疑問を解決
多くの飼い主さんが選択しているメス猫の避妊手術。なぜ避妊手術は必要だと考えられているのでしょうか?その理由やデメリット、手術のタイミングや手術にかかる費用、手術前日から当日、術後の流れなど、くわしく解説します。
ねこのきもち獣医師相談室
猫の避妊手術が必要な理由は?
また、この手術によって発情そのものも抑えることができるため、猫を発情期のストレスから解放することも可能です。大声で鳴くといった発情期に伴う本能的な行動が抑制できるため、飼い主さんのメリットになるという一面も。
病気の予防としても効果的
主に予防できるものは、子宮や卵巣など直接切除する部位の疾患としてあげられる卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)や子宮内膜症、子宮蓄膿症など。また、乳腺腫瘍といういわゆる乳がんも、早期に避妊手術を行うことによって発症のリスクを抑えることが可能です。
避妊手術のデメリットは?
また、手術にともなうホルモンバランスの変化によって、体重が増加してしまうことも。避妊手術後は、フードを低カロリーのものに変更するなど、特に愛猫の体重管理に気を配る必要がありそうです。
手術が失敗する可能性はあるの?
術後亡くなるケースはまれにあるものの、そのほとんどは、潜在していた病気が発症したためだと考えられます。
避妊手術をすると性格が変わる?
特に、小さいころに避妊手術を行うと、大人になっても子猫のような甘えん坊の性質が残る傾向にあるようです。
一方で、まったく変化がおこらない猫もまれにいるため、個体差があると考えたほうがよいでしょう。
避妊手術はいつしたらいいの?
このように早期の手術を推奨する背景として、避妊手術の目的のひとつである病気の予防(特に乳腺腫瘍)のためには、発情が始まる前に手術をすませることが効果的だとされているからです。
避妊手術の費用はどのくらい?
また、卵巣だけの摘出か卵巣と子宮を摘出するか、という種類や手術方法によっても費用が変わってきます。
腹腔鏡手術は、開腹手術よりも高額になる傾向にあるようですが、傷口が小さく、術後の動物への体の負担が少ないといわれています。ただし、実施している病院がまだ少ないです。
避妊手術の流れは?事前の準備も必要
また、手術は全身麻酔のため、前日の夜から準備をしなければなりません。手術中に胃の内容物を嘔吐してしまうリスクを減らすために、絶食・絶水をします。病院によって期間の指示が異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
手術当日の流れ
入院が必要かどうかの判断は動物病院によって異なりますが、メス猫の避妊手術はオス猫の去勢手術よりも体の負担が大きいため、1日~数日入院する場合が多いようです。
避妊手術後の流れは?
この時点ではまだ患部が腫れている場合がありますが、抜糸後特に痛がるなどの異常がなければ心配いらないことがほとんどです。
食事や自宅での様子などを獣医師に伝え、問題がなければ通常の生活に戻ります。
傷口をなめる、糸がとれる……術後に気をつけたいこと
また、先述したエリザベスカラーなどの保護具を用いていても、神経質な猫の場合はそれ自体を嫌がることも。
猫の性格にあわせた保護具を選ぶことが大切なので、いつまでも落ち着かなかったり、食欲が減退したり、しきりに傷口を気にする様子が見られるようなら、獣医師に相談するとよいでしょう。
愛猫の生活環境や健康を考え、最適の選択を
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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