1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. キャットフードは「グレインフリーがベスト」は本当? 効果とメリット・デメリット、猫に合わせた選び方

キャットフードは「グレインフリーがベスト」は本当? 効果とメリット・デメリット、猫に合わせた選び方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

グレインフリーとは、穀物を含んでいないという意味です。グレインフリーのキャットフードは、穀物に食物アレルギーがある場合には愛猫の健康管理に適した食事になりますが、穀物アレルギーでない場合、とくにメリットはありません。制限された原材料からつくられたフードなので、一般的なキャットフードに比べてデメリットもあります。正しい知識をもって選びたいものです。

「グレインフリー」とは?効果とメリット・デメリット

 猫の飼い主さんの間で「グレインフリー」のキャットフードへの注目が集まっているようです。猫はもともと肉食動物であることから、野生の状態と同様の食生活がヘルシーだと感じる飼い主さんの願いをかなえる商品といえるでしょう。

 ところで、本当に猫に穀物を食べさせてはいけないのでしょうか。

猫も加熱調理した適量の穀物は消化できる

 猫はもともと肉食動物です。野生だった先祖は穀類を食べることはなかったと考えられます。というのは、穀類に含まれる炭水化物はそのままでは消化することができないのです。我々人間もそのままの米を食べることはできませんが、水を加え圧力をかけて加熱すること(アルファ化)で、はじめて食べることができるようになります。炭水化物だけでなくグルテンをはじめとする植物性のたんぱく質についても、加熱や加工により消化性が格段にアップされています。

 ただし、猫は完全な肉食動物ですので、炭水化物の利用は雑食性の高い犬ほど上手ではありません。40%程度くらいまでは問題なく利用することができます。キャットフードの穀物は、加熱調理され炭水化物もアルファ化されたものが適量使用されていますので、食べても問題なく体内で利用されます。

グレインフリー・キャットフードのメリットとデメリット比較表

 愛猫の健康状態に穀物をさけるべき理由がある場合、グレインフリーのキャットフードは食事の選択肢として有効です。具体的には、穀物のたんぱく質に食物アレルギーがある場合などです。しかし、それ以外ではとくにメリットはありません。

  グレインフリー穀物が含まれる
キャットフード
メリット穀物に対する食物アレルギーを避けることができる様々な原材料を使うことができるので、価格を抑えることができる
栄養バランスを整えやすい
デメリット原材料を厳選するため高額になりがち
炭水化物が少ない傾向があるため、タンパク質が多くなりがち。そのため高齢期では内臓の負担になることも
グルテンなどにアレルギーがある場合は適さない

 愛猫の健康状態にはどのようなキャットフードが適切なのか、メリット、デメリットを正しく把握して選んであげたいものです。

アレルギーの原因は穀物だけではない!愛猫の体質を知るには?

 アレルギーのもととなるアレルゲンはさまざまですが、その多くはたんぱく質です。 免疫が未熟な離乳期前後に口にしたものに多く、猫の場合は牛肉・乳製品・魚が多いとされていますが、食環境によっても異なります。
 小麦に限らず、特定の物質を原材料から排除した機能性フードはいろいろあります。食物アレルギーの場合はアレルゲンを正しく排除することが必要ですが、その一方でアレルゲンの特定が難しいという側面もあります。気になる症状がある場合には、自己判断でフードを変更するのではなく、本当に食物アレルギーなのかも含めて動物病院で確かめ、食事について相談してください。

猫の餌を吐く行為について

 猫の飼い主さんの中には、愛猫が食後に吐くため、キャットフードが体に合っていないのではないかと悩むかたも多いようです。キャットフードの中の穀類がいけないとの主張もあるようです。しかしこれは、推測が独り歩きをしているといえるでしょう。

 そもそも猫は、野生では小動物を食べています。ネズミや小鳥などを食べるとき、毛や羽毛などの消化しづらい部分も一緒に胃の中に入ってしまいます。このため、もともと猫には消化しづらい部分を吐き出す生理機能が備わっているのです。

 飼い猫も、体をグルーミングする際に飲み込んでしまう毛を、ウンチとして排出するか口から吐くかして体内から出す必要があります。猫は体の調子が悪くなくても吐くことがあるのです。

 一方で、重大な疾患から吐く場合もあります。心配なときは、まずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

吐いた時はどうするのが正解?愛猫が「吐く」理由や対処法をチェック

グレインフリーのキャットフードを選ぶなら?

 ここまでで述べてきたとおり、グレインフリーのキャットフードは、穀物に食物アレルギーがある場合にメリットがあります。一方、食物アレルギーのアレルゲンは穀物に限りません。
また、アレルゲンは離乳期前後に口にしたものに多く、現在健康な猫が将来食物アレルギーにならないように特定の原材料を避ければいいといったものでもありません。

(1)本当に穀物の食物アレルギーなのか診察を受けよう

 愛猫に食物アレルギーが疑われる症状があるとき、やみくもにグレインフリーのキャットフードを食べさせても、アレルゲンが別のものであれば症状は改善されません。別の病気だった場合には適切な治療をせずに悪化させることにもなりますので、まずは、獣医師の診察を受けましょう。
 アレルゲンの特定はじつは難しく、一般的には、アレルギー反応が出ないほどたんぱく質を分解してしまった療法食をしばらく食べて症状を観察するなどして、食物アレルギーかどうかがまず診断されます。食物アレルギーであれば、ふだん食べているフードに含まれていたたんぱく質源を1種類ずつ抜いたキャットフードを順に試すなどして、アレルゲンを特定するのが厳密な方法です。

(2)本当に避けるべき原材料が入っていないか確認しよう

  穀類に限らず、食物アレルギーの愛猫用に特定の物質を原材料から排除したキャットフードはいろいろあります。アレルゲンが麦類のグルテンであれば麦類のみ避ければよく、アレルゲンが牛肉であれば、さけるべきなのは牛肉です。複数の穀類がアレルゲンならグレインフリーのフードは便利ですが、穀類といっても商品によって解釈はまちまちです。栄養バランスを整えるうえで「コーンは穀類ではない」などの独自の解釈で使用して「グレインフリー」をうたっていることも多くありますので、パッケージに記載されている原材料表示もよく確認しましょう。

愛猫に合わせたフード選びをしよう

 キャットフードを選ぶうえで大切なことは、愛猫の健康を維持できることです。第一に栄養バランスが整っていること、さらに、体調に合わせたものを選ぶことです。
 現在、愛猫が健康であるなら、成長段階(ライフステージ)に合った総合栄養食のキャットフードを選べば基本的には問題ないでしょう。ウンチの状態が悪い、体をかゆがる、食べたがらないなど、体調に気になる点があるなら、獣医師の診察も受けて不調の原因を正しく診断してもらい、フード選びのアドバイスを受けましょう。飼い主さんの推測だけでフード選びをすると、実際の愛描の体調に合わないこともあります。

監修/徳本一義(獣医師)
へリックス株式会社代表取締役社長。大学卒業後、小動物臨床を経て、ペットフード会社で学術部門を担当。現在は、複数の獣医科大学の非常勤講師を兼任。ペット栄養学会理事。ペットフード協会新資格認定制度実行委員会委員長。

徳本先生

参考/ねこのきもち『キャットフード大事典』

猫と暮らす

更新

関連するキーワード 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る