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【獣医師監修】猫の「腎不全」とは?飼い主の闘病体験も

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死亡率が高いことでも知られる、猫の腎不全。しかも猫は体質上、腎不全にかかりやすい傾向があるので注意が必要です。そこで今回は、猫の腎不全の主な症状や原因、予防法、治療法を解説。飼い主さんからよせられた猫の腎不全闘病体験談もご紹介します。

この記事の監修

田草川 佳実 先生

 獣医師
 聖母坂どうぶつ病院副院長

 北里大学獣医畜産学部(現 獣医学部)獣医学科卒業

●資格:獣医師/認定こいぬこねこ教育アドバイザー(JAHA認定)/General Practitioner Certificate IN Small Animal Surgery(小動物外科学)

●所属:日本獣医動物行動研究会日本獣医がん学会日本獣医腎泌尿器学会

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腎不全ってどんな病気? 慢性/急性の違いやステージごとの症状とは

画像/iStock、Getty Images Plus

腎不全は腎臓の機能が低下してしまう病気です。腎臓は体内の老廃物をろ過して、尿として体外に排出する働きをしているため、猫が腎不全になると体内に毒素が溜まって、さまざまな不調が見られるようになります。最悪の場合は死に至ることもあるため、非常に恐ろしい病気といえるでしょう。

なお、猫の腎不全には「慢性腎不全」と「急性腎不全」の2種類あり、猫の場合、慢性腎不全のほうが多いといわれています。それぞれ以下のような症状が見られるので、気になる症状が見られるときはすぐに動物病院を受診しましょう。

慢性腎不全

慢性腎不全は、時間をかけて腎臓に少しずつ負担がかかることで発症します。目立った初期症状はほとんど見られないため、飼い主さんが異変に気づいたころには病気がかなり進行しているケースが多いです。

初期(ステージⅠ)

腎臓のダメージは50%未満の状態です。症状はほとんどありませんが、便秘がちになる猫もいます。

中期(ステージⅡ)

水を飲む量が増え、オシッコの量が多くなります。血液検査の数値はほぼ正常な状態ですが、軽度の貧血や便秘がちになる猫もいます。

後期(ステージⅢ)

腎臓の75%以上がダメージを受けている状態です。血液検査でクレアチニンや尿素窒素(BUN)の数値が高くなり、貧血・便秘・多飲多尿・食欲不振・嘔吐などの症状が見られます。

末期(ステージⅣ)

腎臓がほぼ機能しなくなり、尿毒症の症状が出て衰弱している状態です。後期の症状に加え、体重減少・無気力・虚弱といった症状が見られ、けいれんなどの神経症状が出てくると、多臓器不全で死に至る危険性があります。

急性腎不全

急性腎不全は、尿道閉塞や中毒、脱水などが原因で急激に腎臓の機能が低下し、一時的に腎臓が障害をきたすことで発症します。治療により回復した場合でも、後遺症として慢性腎不全になる可能性も。

急性腎不全の主な症状

  • 食欲低下
  • 元気がない
  • 下痢や嘔吐を繰り返す
  • けいれんする
  • 乏尿(ぼうにょう)・無尿 など

腎不全の原因・なりやすい猫の傾向とは

画像/iStock、Getty Images Plus

猫の腎不全の原因はさまざまですが、急性では感染症や泌尿器の病気、中毒、重度の脱水により腎臓に負担がかり発症します。

また、高齢の猫は慢性腎不全にかかりやすいとされています。これは加齢とともに炎症、感染、酸化などで、腎臓がダメージを受けやすくなるためです。実際、腎不全の症状が見られるるようになるのは、7才以上の猫が多い傾向に。

そのほか、ヒマラヤン、ペルシャ、ロシアンブルーなどの猫種は、遺伝的に腎障害をもって生まれてくることがあるという説もあります。とはいえ、どの猫種でも発症するリスクはあるので、十分注意が必要です。

おしっこの病気(泌尿器の病気)はどんな猫にもかかるリスクが

ちなみに読者アンケートでは、「愛猫がおしっこの病気(泌尿器の病気)にかかったことがある」と答えた飼い主さんが約4割という結果に。腎不全の原因にもなる泌尿器の病気は、決して他人事ではないといえるでしょう。

腎不全の治療方法とは

撮影/田草川佳実先生

猫の腎不全は急性・慢性問わず、飼い主さんが発見できるころには病状がかなり進行しているケースが多いので、気になる症状が見られたらすみやかに動物病院を受診してください。

なお、猫が急性腎不全を発症した場合、まずは考えらえる原因を取り除いてから、点滴によって腎臓機能の改善を促す治療を行うのが一般的です。一方、慢性腎不全の治療では、腎臓への負担を減らすため、「リン」を制限する食事療法を取り入れるほか、投薬や点滴などを行います。

腎不全闘病中の愛猫をもつ飼い主さんの体験談

ではここで、読者アンケートによせられた、腎不全闘病中の愛猫をもつ飼い主さんの体験談を一部ご紹介します。

8才・オスの飼い主さん

【病気に気づいたきっかけ】
「愛猫がはじめてオシッコを失敗し、よく見たらオシッコに血が混じっていました」

【現在行っている治療法】
「初めは薬を飲み、療法食にして1週間ごとに検査に行っていました。症状がよくなるにつれて検査の間隔をあけていき、しばらくは半年に1回検査をして様子を見ていましたが、最近水を飲む量が増えたと思っていたら、腎不全になっていると言われて薬を飲んでいます」

7才・オスの飼い主さん

【病気に気づいたきっかけ】
「夜に悲鳴のような鳴き声で鳴き、トイレに頻繁に行くのにオシッコが出ていない様子が見られたため、朝を待って病院へ行きました」

【現在行っている治療法】
「動物病院を受診すると、腎不全のほか、腎臓結石、尿管結石、尿道閉塞にかかっていることがわかりました。尿道カテーテルでオシッコは出せたものの、石が次々詰まるためカテーテルを抜けず、セカンドオピニオンを経て、膀胱の石を取り尿道を広げる手術をしました。その後は腎臓サポートのフード、薬、サプリメント、自宅で輸液し、腎臓のケアをしつつ、再度石が詰まらないことを祈っています。今は元気に過ごしていますが、食事に飽き始めてきたので不安です」

猫の腎不全を予防するには

画像/iStock、Getty Images Plus

原因や傾向がはっきりと解明されていない腎不全ですが、腎臓をいたわったり、引き金になる要因を排除したりすることで、予防・対策になります。以下を参考に、愛猫との暮らしにぜひ取り入れてみてください。

飲み水を工夫する

水分不足は泌尿器の病気の原因とされているので、水飲みボウルの数を増やす、流水タイプの自動給水器を使うなどして、猫の飲水量を確保する工夫をしましょう。また、猫は清潔で新鮮な水を好む傾向にあるので、こまめに水を交換して雑菌やカビの繁殖を抑えることも大切です。

こまめにトイレを掃除する

猫はキレイ好きな動物なので、トイレが汚れているとそそうをしたり、排泄を我慢したりしてしまうことがあるので注意が必要です。
また、こまめにトイレ掃除をすれば頻繁に排尿状況を確認できるので、異変に気付きやすいというメリットも。オシッコの量が増える、色が薄くなる、回数が増えるといった変化が見られたときは獣医師に相談しましょう。

部屋を整理整頓する

誤飲・誤食で中毒を起こし、腎不全を発症するケースもありますので、猫にとって危険なものはしっかり片付けましょう。たとえばブドウやユリ科の花、人の薬などは、猫が口にすると危険です。

定期的に健康診断を受ける

定期的に血液検査や尿検査を受けるといいでしょう。できればレントゲン検査や超音波検査もしておくと、腎不全の原因になる結石や腎臓の状態まで確認できるのでおすすめです。猫の年齢にもよりますが、年に1程度を目安に動物病で健康診断を受けるようにしましょう。

猫の腎不全は、一生つきあっていく病気です

画像/iStock、Getty Images Plus

急性腎不全の場合は原因や処置の早さによっては回復できる可能性のある病気ですが、慢性腎不全は残念ながら治療をしてもその機能を回復させることができません。残された元気な部分をなるべく維持し、病気の進行を遅らせることを目標とするので、症状によっては長くつきあっていく必要がある病気といえます。

だからこそ大切なのは、病気の予防と早期発見。「愛猫は元気だから大丈夫」と油断せず、些細な変化にも気付けるように、愛猫の様子を日々観察するのはもちろん、猫の病気や健康に関する正しい知識を身につけることができるといいですね。

監修/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
文/terasato
※アンケート/2020年8月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数 400人)

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(慢性腎不全)」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(急性腎不全)」

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