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【獣医師が解説】猫の「シャー!」は威嚇!シーン別・原因〜対処法

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愛猫と信頼関係が築けていると思っていたのに、ある日突然威嚇されてしまったら、愛猫が怖くなったり傷ついたりしてしまう飼い主さんもいるのではないでしょうか。今回は、猫の威嚇の原因と対処法を、ポーズや鳴き声、シーンごとに解説します。

猫の威嚇の意味を探る

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猫の威嚇の意味とは

猫が人や他の猫に対して威嚇するときは、相手に対して嫌な気持ちを抱いていたり、恐怖を感じたりしている場合がほとんどです。多くの動物学者はそういった猫の威嚇行為を、蛇がシャーっと威嚇する姿を模倣したものだと考えています。

かつてアフリカの砂漠に住んでいたリビアヤマネコは、砂漠にいる動物のなかでも毒蛇をもっとも恐れていました。リビアヤマネコは猫の祖先といわれており、このことから猫は人や他の動物に攻撃をしかけるよりも前に、天敵だった蛇の真似をして威嚇行動をとるとされているのです。

威嚇をするときのポーズ

猫の威嚇時のポーズとして有名なのが、頭を低くし背中をぎゅっと丸めて、背中の毛を逆立てるポーズです。防衛しつつもいつでも相手に飛びかかれるような体勢を確保しているのでしょう。ほかにも尻尾を膨らませたり、左右に激しく振ったりする行為もよく見られます。さらに背中を丸めた状態で、尻尾をお腹の下に隠すことも。

また、相手を威嚇する際の猫の目は、瞬きの回数が減り見開いた状態となります。瞳孔が開いて黒目部分が増え、相手を睨むようにじっと見つめるのです。耳は頭部にぺたんとくっつくよう、後ろにパタンと倒すことが多いです。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「見かけ倒し? 動物界で1、2を争うビビリでビリ【ざんねんな猫の生態】」

猫が威嚇するときの声

相手に対して怒っていたり反対に恐怖を抱いていたりすると、猫はさまざまな声で相手を威嚇をすることがあります。その声は蛇のようにシャーっと聞こえることもあれば、大きな声で激しく「わーーわーー」と鳴いているように聞こえることも。

喉の奥から絞り出すようにしゃがれた声で「ウーウーヴァーーー」と鳴くシーンや、「アオーーン」と強めの声で威嚇をするシーンに出くわすこともあり、その声量や声のトーンのバリエーションは個体によってもさまざまです。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫の鳴き声~鳴き声の種類・理由、鳴くときの気持ち、注意すること」

猫が威嚇する理由とは

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原因その①恐怖や敵意を感じている

警戒心が強く神経質でストレスを抱えやすい猫は、不満に思うことがあったり相手に対して敵意を感じたりすると、その場から逃れたい気持ちから威嚇行動をとることがあります。たとえば自分の知らない環境に連れていかれそうなときや、逃げることが困難な状況に追い込まれたときなどには、威嚇声をあげることで、なんとかその場を切り抜けようとしがちです。

また飼い主さんが自分の知らないニオイをつけて帰宅したときなどにも、ニオイに対して不快感をあらわにし、唸るケースがあります。

原因その②縄張りを荒らされたもしくは縄張りがなくなった

基本的に猫は相手に対して敵意を感じたとしても、すぐに攻撃をしかけることはほとんどありません。普段自分が縄張りとしているところにほかの猫が侵入してきたら、まずは威嚇をして相手の様子を伺い、そのあと攻撃をしかけるのです。これは縄張り意識の強い猫だからこその行為であり、その昔単独で狩りを行っていた歴史にも関係があるといわれています。

猫が放つ独特の体臭に包まれた縄張りは、猫にとってはストレスを解消するための大切な場所。このような場所に侵入者が現れたり、あるいは縄張り自体が部屋の模様替えなどで急に無くなってしまったりすると、不安を感じて威嚇行動をとってしまうのでしょう。

原因その③飼い主さんにかまってほしくない

愛猫が嫌そうにしているのに無理やり触れようとした、うっかり尻尾を踏んでしまった、しつこく触りすぎた際などに、威嚇された経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。猫は自分がかまってほしくない状況のときにも、飼い主さんを拒絶するために威嚇行動をとりがちです。

また気まぐれな猫の場合は、自ら飼い主さんにスキンシップを求めたとしても、触れられるのをしつこいと感じると攻撃に出ることもあります。

原因その④いかに自分が強いかを相手に見せつけたい

猫は喧嘩をする前に、いかに自分が強いのかをアピールするために威嚇行動をとります。これは強い猫よりも弱い猫によく見られる行動のひとつで、自分が負けるのを分かっているがゆえに、喧嘩を避けたいと必死に抵抗しているのです。

被毛を精一杯逆立てて背中を高く持ち上げ、口を大きく開けることで必死に自分を大きく見せ、相手の戦意を喪失させようとします。おそらく「私怖いよね?こんな体の大きな私と闘うのは嫌でしょ?」と全身で威嚇しているのだと思われます。

原因その⑤体調を崩している

威嚇行動には攻撃の意図のほかに、防衛という意味合いも含まれています。そのため怪我をしていたり体調を崩していたりするときに、自分を守ろうとして他者を威嚇する猫もいるのです。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫の気持ち~猫の心と体(4)」

猫が威嚇したときの対処法

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遊びやブラッシング、スキンシップなどをしているときに威嚇されたら

愛猫のブラッシングやスキンシップの最中、おもちゃで遊んでいるときに威嚇をされてしまったら、まずは目をそらして無視の姿勢をとるのが効果的です。威嚇をする猫と目を合わせる行為は「今から喧嘩をするよ」という合図と同じこと。気が立って興奮している猫が落ち着くまで、その場を離れてそうっとしておくようにしましょう。

小さい子どもや赤ちゃんに威嚇をしたら

動きが読めず、突然大きな声を出すこともある小さい子どもや赤ちゃんは、猫にとって恐怖の対象。そのため猫が威嚇をし始めたときには、すぐに子どもや赤ちゃんを猫から遠ざけることが大切です。基本的に猫から積極的に近づくことはほとんどなく、子どもや赤ちゃんから近づくことが多いので、なるべく両者を接近させないようにするのも一つの手です。

猫相手

多頭飼いをしている家庭の場合、何らかの理由により猫同士が突然威嚇し合ったり、喧嘩をし始めたりすることがあります。そんなときは下手に手を出すと攻撃される恐れがあり非常に危険です。猫同士が喧嘩をする原因は縄張りの侵害などにありますので、どうしても威嚇行動が止まらないときには別々の部屋で過ごさせるなど、縄張りの範囲をしっかりと分割して、猫たちの様子を観察するようにしてください。

あまりにも激しい威嚇が続くときは行動の専門家に相談を

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猫の威嚇行動には、何らかのストレスや不安を抱えていたり、あるいは体調を崩していたりといった原因が隠されていることが分かりましたね。愛猫が急に威嚇をするようになったら、まずは威嚇が始まった原因を突き止め、解決策を見出してあげてください。ただしあまりにも激しく威嚇をする場合は、専門家による治療が必要になることもありますので、その際は行動の専門家に相談してみるのもよいでしょう。

参考/『ねこのきもち』2017年12月号「ざんねんな猫の生態」(監修:今泉忠明先生)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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